ルックバックのレビュー・感想・評価
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なんて言えばいいのだろうか。。。
私は映画をそこそこ見る方だと思いますが、本当に何年かに1度、衝撃のあまり上映中は泣くことも出来ずただ呆然としたまま見終わったあと映画館を出てから涙が溢れ、翌日以降もその気持ちを引き摺ってしまうような映画に出会うことがあります。ルックバックもそんな作品でした。
ルックバックは少年ジャンプ+に掲載された時も読みましたし、その後に発売された単行本も買いました。それぐらい大好きな作品だったので映画化が発表された時は嬉しかったのですが、同時にあの内容をアニメで見てしまえば恐らく精神的にはやられるなと思っていたので怖くて見れていませんでした。でも、こんな好きな作品を劇場で見なくてどうする?と思い、勢いで映画館へ。今は見てよかったと思っています。
この作品を「面白い」や「悲しい」などという言葉では表せないし、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかを区別することもできません。そもそも原作者の藤本タツキ先生が何を伝えたかったのか、アニメ会社の事件に対するメッセージがあるのかも分かりません。
ただ僕が言えるのは、是非見てください。この作品から感じる何かを、余韻を、ぜひ感じてください。誰かのレビューや感想で満足するのではなく、あなた自身の体でこの作品を味わってください。
頑張りと巡り合わせ
想い
ルックバックには、振り返る、思い返す。と言う直訳になる。この作品では、背中を見てともかけているのが天才すぎるる。
主人公は、自分のせいでと考えてしまう場面があるが、きっと京本はそんな事思ってるはずなのにそう思ってしまうのは相手が自分にとって大切な存在だったからなんだと思う。
京本の家であの日会ってなかったとしても、また再会してたし、漫画も書いていた。運命論的な側面もあるが、影響を与えた人間は、与えられた人間側からしたら一番幸せになって欲しいと思ってると自分は感じた。
この作品は、色んな感情の表現が最高に上手くて、この作品を作り上げたスタッフや関係者様々な想いを感じる事ができる素晴らしい映画だと感じた。
漫画の時から映画だったけど、営業だともっと映画だった。
上手く表現できないけど、そう思える良い映画だった。
振り返れば京本がいる
原作も知らずに観ましたが、メチャクチャ良かった!
60分あっという間!2人の人生が濃縮されていて深い感動に包まれた。
京本という恐ろしく絵の上手い存在を認知した時の延々と教室が増幅していく演出は井の中の蛙をうまく表現してるし、その京本から大ファンでベタ褒めされたあとの踊るように帰るシーンとか、観ているだけで楽しい!
初めて2人が描いた漫画が入賞してもらった賞金で街に繰り出すあたりなんかは、藤野は最高のパートナーを得たし京本は世界を広げてくれた人と出会えたし、本当にお互い補完し良さを引き出すバディとしての青春に満ち溢れていた。
そして自分のアイデアをパクられたと無差別に殺人を犯す事件からはどうしても京アニ事件を思い出す。
ニュースでは被害者の数だけが流れていくけれど、その1人ひとりにはこの作品のふたりと同じように絵や漫画に心血を注いできた人たちそれぞれの物語があって、痛いほど伝わるから胸が苦しくなる…。
藤野は、あの時私が京本を外に連れ出したから…私のせいで…と悔やむけれど、京本から「後ろを見て」というメッセージを読んだ時に後ろには自分がサインした京本の服が掛けてあって、いつも私が居るよと言ってくれているようで、死んでも京本は藤野の中にいて今も生きてるんだと思うし藤野も自宅へ帰って朝から晩までひたすら漫画を描き続けるし、それを後ろから映し続けるアングルがたまらなくて涙は止まらない…。
あんな事しなければという後悔ではなくて、振り返ればいつでも京本がいるという前向きな物語がたまらない!「ルックバック」というタイトルの意味と演出とがすべて繋がって胸が熱くなる!
何度も観たくなる名作!!
高評価なのもうなずける。(再鑑賞・追記)
印象に残った場面はたくさん有ったが1つだけ上げる
2人が初めて出会い、お互いを見つめ合う場面。僕は、才能を認めあった2人の運命の出会いの瞬間に立ち会ったような高揚感で、少しドキドキ、ワクワクしてしまった。
きっと2人は僕以上にもっとドギマギしたと思う。京本は藤本を先生と思って尊敬していたが、藤本にとって京本は、自分がいくら努力しても及ばない画力の持ち主で、常に自分の上を行く少しねたましい存在として見てたようだ。
しかし会ってみれば、お互いがお互いの才能を認め、リスペクトしあう仲間だったことが判明する。
こういった話は実際、プロ野球選手やJリーガーの中学、高校時代の経験としてたまに聞く。何かお互い試合で初めて対戦して、自分よりスゴいヤツがいるんで驚いたと両方で思ってたという話。
観賞後wikiを見て、作者の小3の妹ながやまはるこのエピソードが笑えた。
◎訂正
ながやま こはる
⭕ こはる
❌ はるこ
見たのは2024/7/3(水) イオン村山
【再鑑賞 ・追記】 2024/7/17(水) 日の出
今回印象に残った所
京本が亡くなったあと京本の部屋で、藤野は、二人が初めて会ったときに藤野がサインをしたハンテンに気付く。
あの日、藤野は京本に、藤野先生はスゴイ、わたしは先生の漫画が好きだと褒められて漫画を書くのを再会した。
その時のハンテンを見て藤野は、かつて京本と交わした会話を思い出し、自分が何で漫画を書き続けているのかを再認識する。
会話は正確ではないが、こんな感じ。
藤野 「満額を書くのって好きじゃない、時間かかるし、部屋の中で地味だし」
京本 「じゃあ、何で書くの?」
ぞの問いに藤野は答えない。だが、藤野が京本に喜んでほしくて、先生はスゴイと褒めてほしくて書いてるのは明らかだ。今では、それに読者がプラスする。
自分が何で書くのかを再確認した藤野は、休んでいた漫画を再会する。
それと、藤野はこれも絶対に口にしないが、おそらく、「もっと上手くなって少しでも京本に近付きたいから」 というのも藤野が書き続ける理由だと思う。
全然進まないのに、それでも描く理由
後ろに築き上げたもの
自身も小学生の時に4コマ描いたりその後は同人活動もしていたこともあって原作未読でしたが鑑賞。
こう、色々と重なる部分も多々あり心がえぐられる映画でした。
周りにおだてられ天狗になったり虚栄癖から素直に引き留められなかったり。青春だねぇ…
自分も20代前半である日突然親友を亡くし自責の念にかられたこともあるので心が痛い痛い。
最後の4コマの刺さりっぱなしの斧は「たとえ後ろ(過去)に傷を負っても、それでも築いたもののためにそれを背負って前に進んで行かなくちゃならない」と解釈しているんですが、どうでしょう?
あと京本役の吉田氏の演技最高です。また聴くために再観に行くかも
音楽(サウンド)が惜しすぎる
映画の音楽、いわゆる劇伴は誰のものでもない、強いて言えば監督のものだと思う。
よほどのビッグネーム作曲家でも監督によっては「こんなんなっちゃうの?」なんてことはよくある。
ニーノ・ロータが「こんなのはどうだ?」とフェリーニに鍵盤を弾いて聴かせて曲を作り上げていったのは有名な話だが、ハンス・ジマーだってクリストファー・ノーランとドゥニ・ヴィルヌーヴじゃ全然違うでしょ。当方はヴィルヌーヴの方が音楽の使い方が上手いと感じている。それは同時に人使いが荒いということかもしれないが。
監督の音楽に対するイメージが薄いと「はい、感動映画ですよー」「はいここ泣くところですよー」というのが押し付けになって興醒めだ。またサウンドに対する知識がないと日本全国のスクリーンの後ろに陣取ってるスピーカーにまで意識の及ばない歪んだりうわずったりする耳に障る音になってしまう。
映画の内容については多くの人々が語るだろう。そんな皆が語りたくなる映画、と見受けはするが、安っぽい劇伴がせっかくの丁寧な作りを破壊する。
作曲家にしても演奏家にしても、スタジオの録音技師にしても、漫画を描くことに夢中になる少女たち同様、音楽に身を捧げてきた人々だろうに、そこに対する尊厳の意識がない。サウンドトラックは監督の美意識の集約でもある。自ら価値を下げているのは監督である。
よくある最初から最後まで音楽鳴りっぱなしの激安映画ならわざわざこんなことを書いたりしない。
思いがあるのなら、こんな3分で書ける感動音楽、みたいなのを発注してはいけない、作曲家を使い切ろう、スタジオマンを使い切ろう、と思うのだ。
それともプロデュース側に押し付けられましたか?
原作未見
漫画を描く事でしか生きられない二人の友情物語。オチは予想ついていたけど演出が最高なのでぐいぐい引き込まれていくアニメだからと敬遠している人に是非見てもらいたい映画。割引き無しの1700円で上映時間も短いが入場者特典として漫画の単行本が貰えるので料金の元はとれました。アニメ侮れないな。
面白いアニメとは≠最新技術を駆使すること
えーっと、2時間映画を観ていたみたいな充実感。
この原作漫画の作者の藤本タツキさんの絵の独特感を監督の押本清高さんが引き出した傑作。
なんだろう?3GCGなんかで得られないキャラ独特な顔や手書きで描き込まれた漫画を観ているようなアニメが良かった。
藤野が自分の四コマ漫画のファンと京本から言われて躍りながら帰るシーンは自分の作品を見てくれる共感者がいると言う喜びを表現して素晴らしいと思った。
そして藤野の京本と繋いだ手が、先を行く藤野と追いつけない京本が手を離してしまうということで、京本が先を行く藤野に追いつく為に山形の美大へ勉強に行くという別々の道を選ぶ手が離れたことの京本の気持ちの描き方は秀逸です。
ルックバックは背景も見て!という意味も新たに込めていると原作漫画の藤本タツキさんのコメントもあり、アニメ監督の押本清高さんの力を感じさせられる傑作です。
追記。もったいないのは統一料金で、若い人に観てもらいたいと思ったのに小学生や中学生、高校生が大人と一緒の料金では避けられると感じた。
リズと青い鳥の漫画家版
おそらく山形県と思われる田舎の小学四年生藤野は学級新聞の四コマ漫画を描いてる中々の自信家でクラスの人気者。そんな時隣のクラスの不登校児童の京本と並べて四コマ漫画を連載することとなる。
そこで藤野の伸びきった鼻がポキリと折られることに。しかし負けず嫌いの藤野はこれをきっかけに真摯に絵に取組むようにになっていく、藤野と京本のバクマンストーリー。これはマンガという物で話が作られてますが、おそらく全てのクリエイターの人達が大なり小なり経験した事ある話じゃないかと思いますね。
キャラのほとんどが藤野と京本だけど2人の小中高の成長がとてもいい。若いながらも漫画家デビューを果たし、読切りを得て連載にまで進む姿はトントン拍子すぎる面もあるが、この作品の魅せたい所はそんなバクマンストーリーじゃない。「日本引きこもり大会決勝」というシュールな四コマ漫画から出会った2人の依存と決別という「リズと青い鳥」のような深い作品です。物語の後半はセリフが少なくなる一方で見せ方と間のとり方で見てるこちらも色々考えさせてくれます。見れば見るほど味のでてくる映画と感じます。
タイトルの「ルックバック」というのは過去を振り返る、思い返すといった意味でそういう想いもあると同時に最後の四コマ漫画そのものでもあるところが秀逸すぎる。そしてそこから繋がるラストは色々な想いがあるまさに「空気を読む」映画でした。
この話のターニングポイントとなる事件は、ホントにあった「あの事件」のオマージュですよね。
「あの事件」は本当に悲しく許せない事件だったので見てて涙が出てきました。
良い物語です
レビュータイトルにあえて「物語」と入れたのは、ともすればテーマ性優先で押し付けがましくなりかねないお話を、しっかり主人公二人の物語として描かれていたところが良かったから。
映画としては短い作品ですが、アニメーションとして、きれいな映像と日常系としてはメリハリのある動きで観ていて満足度も高く、音楽、キャラ、ストーリーとオススメできる良作です。
タイトルはルックバックですが、内容は前を向いて歩いて行くお話に感じられたが解釈ちがいか?この後、原作を読んで確かめたいと思う。
なお、今回思った。自分にとって星5の最後の一つは、たいてい「好き」ポイントなんだな、と。
何故、漫画を描くのか
秀逸! ただ少々人を選ぶ。
秀逸な映画でした。
まず、タイトルが秀逸。
ルックバックという短いタイトルに、「私の背中を見てついてこい!」「行き詰まった時は過去を振り返って初心を思い出せ!」「背景にも刮目せよ!」と、いくつものメッセージが込められている。
映像に関しても秀逸。
綺麗な映像であるがそれだけでは無い。
ただ背中を見せて漫画を描いているだけの単調な場面を、背景の方を徐々に変化させることで時間の経過を示す。
努力という目に見えないものをスケッチブックの量という目に見えるものに変換する。
敢えて似たような画面を使い、差異でメッセージを伝える。
単調なのに単調では無いという矛盾。
音楽も秀逸。
昨今、歌詞でストレートにメッセージを伝える映画が多い中、楽曲で勝負。無音すらメッセージとしている。
シナリオもなかなか。
まあ、どっちかが死ぬんだろうな〜とは予想付きましたが、if展開がなかなかグッときました。
様々なオマージュも散りばめられており、中でも京アニ事件への追悼とアンサーにもなっていると思います。
そして何より、全編を通じて全力で伝えてくる「創作の苦しみと喜び」が胸に来ました。
「テクニック云々より取り敢えずひたすら描け!」「どんなものであれ完成させることが大前提であり、それが出来ない人がほとんど」「創作は苦しくて単調でつまらない作業がほとんどだけど、とにかく続けろ!」「評価されない冬の時代があっても、とにかく続けろ!」「続けられなくなったら、自分がなぜ創作を始めたのか、初心を思い出せ!」「その先に喜びがあるから創作はやめられない」「さあまた、産みの苦しみを続けよう!」
これは、個人的にはどストレートに突き刺さりましたが、
どんな些細な作品でもいいから、一度でも何らか創作を作り上げて、他人の目に晒したことのある人にしか分からないメッセージかもしれません。
その点では人を選ぶ映画かもしれません。
1時間にも満たない短編映画ですが、3時間ダラダラ見せられる映画より、グッと中身の濃い、良い映画でした。
全体としては、非常に秀逸なのですが、少々見る人を選び、万人には勧められないと思うので、星4にしておきます。
絵に命が懸けられる人たち
原作を読んでいたので、早くから感情が先走りして涙があふれっぱなしでした。
アニメの再現性はすごくよかったです。
漫画の連載て、すごく過酷です。現在はタブレットで描くことで多少作業は省略化はできているでしょうが、無から1本の線を生み出して描き連ねていく作業の負担は、手書きの頃からそんなに改善されていません。活字なら口述筆記という手もありますが、漫画は漫画家さんが身を削って描かないと作品にならないのです。
手塚さんも石ノ森さんも、ほんとに寝ないで漫画を描いていたから、60歳でお亡くなりになりました。
そんな過酷な作業をどうして通づけるのか、それは根本的に絵を描いて動かすのが好きなんだ、からだと思います。そんな、漫画家の絵に対する情熱を見事に表現してくれた原作であり、さらにそれに別の命を吹き込んでくれたアニメでした。
動く絵か止まっている絵か、藤野と京本の絵に対する生き方の違いが、二人の道を分けたけれど、二人の絵に対する情熱は尽きることがなかったんでしょう。
一つ残念だったのは、藤野が京本にファンと告げられて別れた後のシーン、あそこはワンカットで動かしてほしかった。藤野の高揚していく心が弾ませる体を一連の動きで見せてほしかった。
それこそが漫画にはできないアニメならではの表現だと思うので。
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