「最近見たアニメでは一番絵が美しい」ルックバック ジュリエッタさんの映画レビュー(感想・評価)
最近見たアニメでは一番絵が美しい
映画.comの評価が高かったので見る前にかなり期待していた。
そのせいでもあるのかもうちょっとって感想。
絵に関して言えばクオリティは相当なものだったと思う。
最近のアニメの中では群を抜いて美しいと思った。
とはいえアニメはほとんど見てないからもしかしたらもっとすごいのあるのかもしれんが。
ストーリーが1時間と短く集中しやすいしまとまっていたとは思うのだけど、
前半の青春ストーリーと後半のツルハシによる惨殺、それに続き並行世界とのリンクはちょっと唐突過ぎて違和感この上なかった。
前半の藤野の漫画への思いや周りからの反応、思い上がりや落ち込み、京本の友情の構築は少ない時間にも関わらず美しい映像ですごい説得力があった、そして京本の自立なんかは、でも誰も責められないよね、、と二人の別れに涙していたのに、後半はあまりにも日常から逸脱し過ぎて前半からの流れを無視し過ぎていると思った。
まあ、現実として京アニの事件みたいなこともあるのでありえないとは思わないけど、
あくまでも青春ストーリーの中に出すものではないと感じる。
そのため藤野が漫画を辞めてしまった後の立ち直り、タイトルにもあるシーンが
自然というよりは強引に感動に持っていく感があって多少興醒めしてしまった。
ルックバックの意味に込められたものがあのワンシーンにだけに込められたものがあるのならちょっと弱いかなと思う。藤野が立ち直るシーンに使われるのならば、後ろを見て、私はいつもあなたを応援しているよ的な意味がもっと含まれていて欲しい。いや、もちろんあのはんてんにその意味もあるとは思うのだけど、ルックバックという言葉はあんまり前向きな言葉じゃないからね。。ドントルックバックアップならまだわかるけど。
同じ死ぬにしても藤野が人気が出て自分のスタジオに招待した時に自動車事故に遭って死ぬとかの方が自然かなと思うし。立ち直るのにも京本の部屋を訪れて自分の漫画が揃っているのを見て私を見ていてくれたんだという思いと過去の友情から、京本が前を向けと言っていることを感じ取る方が自然じゃないかと思うけどね。まあ素人の安直な案ですけど。
ちょっと批判的なことも多くかいちゃったけど、良かった分ちょっと不満も大きかったかなという意味合いで。つまんない映画だと批判も何も出ないからね。