「作り手に刺さるんだろうと思われる映画」ルックバック KNG-UDNKさんの映画レビュー(感想・評価)
作り手に刺さるんだろうと思われる映画
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上映時間が約1時間の作品。タイパのご時世に習って興行的には上場らしい。
作品としても良い映画だなと思う。この作品に関しては、主役のふたりが填まっていると感じた。そういう作りを意図した作品のようなので、これは監督の目論見がうまくいった例なのだろうと思う。
作品としてはほぼ原作をそのまま踏襲しているので、原作を読んでいる人間としては、話に注目するよりも絵作りに注目するような見方になってしまう。逆にこの作品、原作のマンガを読んでいないで観たときに、すんなり腹落ちするのかなというのは少し気になるところ。途中に挟まれる、藤野と京本が出会わなかったらのIFのシーンとかは、初見だとちょっと戸惑う人もいるかもしれない。原作のマンガでもこのシーンはどういう意図なのか、というところは明確にはなっていなかったように思うし。
感想のタイトルの通り、この作品は、創作的な仕事に就いている人にこそ刺さる映画なのではないかと思う。どんな仕事にもそれなりにクリエイティブな側面はあると思うが、芸術や娯楽などの、生活や、現代社会を成り立たせるのに必要なものではないけれど、それに触れることで心を豊かにする、楽しくするような、そういうものを作っている仕事に就いている人たちには、「わかる!」と感じるような内容の映画なのだろうなと思う。
そういう事を感じさせるという意味で、監督の試みは十分に成功している映画なのではないだろうか。
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