室町無頼のレビュー・感想・評価
全355件中、341~355件目を表示
ふたりの成長物語
IMAX先行上映にて鑑賞しました 才蔵の棒術が素晴らしかったです。...
無頼とはいかに
IMAX先行上映にて観劇
今作の主人公、蓮田兵衛。歴史書には京都土一揆を主導した土豪とだけあるらしい。室町幕府将軍足利家の邸宅、花の御所まで迫ったとされるこの一揆をまとめた人物なだけのことはあって、何気ない行動の一つひとつが後の事件へと繋がってゆく綿密さを持ちつつ、その言動は気負うところがなく大胆。無頼というよりはいかにも時代劇ヒーロー然とした立ち振る舞いなのだが、重税と飢饉に流行病といった残酷な世情のなかでも笑いと人情を織り交ぜたストーリーは好きだった。
いかんせん、黒沢映画の影響を色濃く受けたと思われる作風なため最近のヒット作(例えばキングダム)のようにイマドキでは無く、悪くいえば古くさい演出であることは否めないが、立ち回りのシチュエーションが多彩でみているこちらを飽きさせることは無く、刀や槍による戦闘場面の連続でもワクワクドキドキが途切れなかった。
是非とも劇場で観ることをお勧めしたい作品でした。
コアな歴史とドラマチックな人間模様
あまり知られていない史実を、様々な人間模様を交えて、分かりやすく描いていた気がします。
豊富なロケーション、趣向を凝らした色んなカメラワーク、細かく散りばめられた人間ドラマ、かなり雑多だったと思いますが、うまい具合にまとめられていた印象です。
個人的には、後半、色んな事柄がずっと引きずった感じでちょっと見づらいし“無頼”という重要な部分には邪魔かなぁ・・・なんて思ってしまいました。
映画の時代劇というものは、日本の映画史と同じだけの歴史があるわけで、どうしても数多ある傑作と比較せざるを得ないのですが、そういった面では、やや見劣りしてしまう作品かなぁという、個人的な感想です。
内容の面白さにしても、映像などの質に関しても、それなり─という印象でした。
色んな要素満載の痛快時代劇
1月17日公開と銘打っている本作ですが、1月10日から結構大々的に先行上映といういことで、早速観に行って来ました。
言うまでもなく”時代劇”を基調にした作品でしたが、色々な要素を感じさせる仕上がりになっていて、そこが面白い作品でした。具体的には、時代劇としては「用心棒」に代表される黒澤明監督作品が土台になっていると感じられました。ただ世界観としては「マッドマックス」っぽい世紀末的で無法で非道な時代を背景とした放蕩な権力者と圧迫される庶民のコントラストを描いており、それでいて一瞬で勝負がつく斬り合いはガンマン同士の早打ち合戦であり、また強風が吹きまくる風景や、時折流れるちょっと軽い感じの音楽には西部劇(というかマカロニウエスタン的と言った方がいいかも知れないけど)の味がしました。さらに、主役・蓮田兵衛(大泉洋)の一番弟子・才蔵(長尾謙杜)が船着き場で修行するシーンは、手漕ぎボートで修行する「ベスト・キッド」を想起しました。
このような理由から、従来の時代劇っぽい要素も多分に含みながら、新しい時代劇像を構築しようという制作者の意図が垣間見られ、その実験は一定の成功を収めていたように思えました。
俳優陣も、主役・蓮田兵衛を演じた大泉洋は、相変わらず安定の演技を見せてくれましたが、ライバルである骨皮道賢を演じた堤真一や、悪役を引き受けた北村一輝が非常に光っていました。惜しむらくは、大泉洋と堤真一の殺陣のシーンが意外にあっけなく、もう少しじっくりと見せて貰いたかったかなと感じたところです。北村一輝は、ちょっと頭がイカれた役をやらせるとピカ一で、本作でも絶品の嫌らしさを見せた上で最後はキチンと蓮田兵衛に成敗されており、期待通りの活躍でした。
また、才蔵を演じた長尾謙杜は、個人的に初見でしたが、アクションの動きもよく、今後のさらなる躍進が期待出来そうです。
以上、本作で感心した点でしたが、逆にちょっと物足りなかったと感じたのはストーリーでした。2時間15分とやや長めの作品でしたが、話を色々と詰め込んだためかそれぞれのパートが短くまとめられており、譬えるなら大河ドラマの総集編を観ている感じでした。ストーリーが淀みなく進み、飽きが来ない創りになっているものの、どんどん次の展開に行ってしまうため深く脳裏に刻まれるような仕上がりにはなっていませんでした。まあこの辺りはトレードオフの関係にもあるので、バランス的にはちょうど良かったのかも知れませんが。
そんな訳で、本作の評価は★4.2とします。
壮大な物語と映像
時代劇の夜明け‼️❓歴史の再来‼️❓
この映画を才蔵の成長物語と観れば、最高の作品だろう、大泉洋は引き立て役だ、それほどなにわ男子の彼の変質する演技が素晴らしい、アクションも凄いが、辿々しい姿から凛々しい姿になるまで、まるでその歴史の人物がいるかのようだ、そして松本若菜の演技も素晴らしい、遊女でありながら凛とした佇まい、最後の再会も素晴らしい。
映像的には、時代劇最高ではないか、ただ、マカロニウェスタンのような音楽が台無しにする、音響がまともなら最高作品なのに、残念。
史実として、人や事象はあるのだろう、ある程度の演出は違和感があるが、迫力が半端ない、時代劇の夜明けが近い、良い映画を観て感動した🥲ありがとうございました😭みんなも是非。
現代に通じる鬱積と閉塞感
「SRサイタマノラッパー」の
入江悠監督作品
一人のアウトローが民衆を率いて体制に立ち向かう、アクション映画。
権力が支配する逼迫した世界、その閉塞感は何処か現在と通じるものがある。だからこそ、現代を生きる我々も心が打たれる。今を生きる僕らに、立ち上がれ!と訴えかけているかの様です。
原作は文庫2冊。一気に読んでしまう面白さだった。特に土地勘のある京都を舞台にしている為、その状況が想像出来るのも良かった。この緻密な小説をどう映画の枠にまとめるんだろう?と思った。
すると、細部を削ぎ落とし、一本道の話にする事で、映画として濃度を上げる事に成功していた。
同じ入江悠監督で、エピソードを加える事で濃度を増した「22年目の告白」とは真逆の手法で面白い。
その上、原作にない、映画的ダイナミズムも付け加えている。
約2時間15分、ずっと目を離せない作品になっている。
面白い。一人でも多くの人に観て欲しい。そして、こういう映画にお客が入って欲しい、と、そう思う。
全355件中、341~355件目を表示