室町無頼のレビュー・感想・評価
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作り込みが凄いんだけども・・・
室町時代を描くっていうだけで、かなりチャレンジングなことだと思う。
メジャーな戦国時代、江戸時代に比べて圧倒的に資料が少ない。そして、多くの人がこの時代のことを知らない。映画の世界に入り込んでもらえるかというハードルは高そう。
とはいえ、逆に言えば、演出の自由度は高いということで、「史実と違う」とか「リアリティがない」という歴史ファン、時代劇ファンの批判をあまり気にすることなく、いろんなアイデアを詰め込めるという利点もある。
果たして、「室町無頼」はどうだったか・・・
いや、かなりの作り込みでした。歴史好きで、中世の歴史に関する書物も何冊か読んでいるけど、ディストピア感、人命の軽さというこの時代の特徴を見事に映像化している。
「幕府」という政府は形式上あるものの、その統治機構や権力基盤が未成熟であるために、時代が下るにつれてぐだぐだになっていき、無政府状態になっていくこの時代(実質権力は将軍→執権→守護・・・と下り、やがて下剋上の戦国の世となる)の空気が理屈抜きに「画」でわかる。
そして、身分や職業、階層が曖昧なこの時代の特徴を上手く使ったキャラクター設定。
制作陣は相当勉強したんだなということがわかります。
とにかく、命が軽かった時代。地獄絵図のような光景の中を主人公達は飄々と歩いて行く。息絶えそうな人がいても、それは背景に過ぎない。そこには江戸時代の時代劇のような人情味やウェット感は全くない。劇伴がウェスタン調なのも、「乾いた」イメージを出すための演出ではないかと思いました。
才蔵(長尾謙杜)の武者修行シーンは、どこかで観たことあるような(ベストキッドとかジャッキー映画とか)感はするものの、邦画ではあまり観ないので新鮮でした。
この映画の見所は、何と言ってもアクションシーンでしょう。それに尽きる。
大泉洋、堤真一、長尾謙杜、それぞれの動きがカッコよかった。
そして、大勢のエキストラと大がかりなセット・道具仕立てでの殺陣は見応えがありました。カメラがどんどんあっちこっち振られるので、多少目眩がしましたが・・・。
ただ、鑑賞し終わって、何かこう、物足りなさが残りました。この作り込みとアクションは凄いのだけれども、カタルシスもなく、こみ上げる思いもなく・・・。
感情を揺さぶる要素が少ないというか・・・。人物描写の掘り下げ方が少し浅いのか・・・
何か、「グッとくるもの」が無かったのがちょっと残念だったので、評価は3.5にします。
期待しすぎました。時代劇、下手か!
最初のトレーラーを見たときから
大いに期待しており、「十一人の賊軍」は
本作の前菜くらいの気分で鑑賞しました。
かなりレビューの点数が高いのであえて厳しく。
主要キャストや脚本などは悪くないです。
大泉さんも優しさと強さのバランスをうまく演じていたし
難しい立場を演じた堤さんもさすが。
松本さんも元々の美形を前面に出せる役がやっと来て良かった。
電王の頃から美人で、ぜったい売れると思っていましたが
時間かかりましたね 笑。
長尾さんの成長からの爆発的な強さは鳥肌ものでした。
「るろうに剣心」の佐藤健さんを彷彿とさせる殺陣はすごかった。
ですが以下の点が終始気になり、乗りきれませんでした。
最初に気になったのは善悪含めた荒くれ者まわりのメイクや演技
過剰な目張りを入れたりアニメの悪役のような髪型やヒゲにしたり
昨今の時代劇ではあまり見なくなったチープな出で立ち。
演技も悪役そのもののドスを利かせたダミ声だったり
かなり安っぽい作りです。
また、メイン以外に集まってくる主要なメンバーのキャラ立てが弱い。
まったく感情移入できない。いてもいなくてもいい役ばかり。
あと音楽が軽い。
かつての娯楽時代劇でもよく使っていた手法ですが
マカロニ・ウエスタン風の音楽がかなり頻繁に使われています。
その手法も、マカロニ・ウエスタンも好きなのですが本作には合わない。
その他の音楽も軽くポップで
安いテレビドラマで使われるようなものが多かった。
この作品の質を下げる大きな要因です。
人を集めて勝ち目のない戦いをする系としては
「十一人の賊軍」同様
三池版「十三人の刺客」は超えられませんでした。
こちらは十三人のキャラ立てが素晴らしく、皆かっこいい!
当然「七人の侍」は別格ですけどね。
言いたいことは全部レビューに書かれているとおり
惜しい
キャラクターのデザイン、衣装は凄く良い
音楽は、ちょっと統一性がなく場面ではあってるがチグハグな印象。
ストーリーは小難しい話かと思いきやそうでもなく、
兵衛と道賢の関係や人柄、
真の主役でもある才蔵の成長部分など
わかりやすく、流れ繋がりもきちんと描かれていて、
要所要所の見せ場も充分なのだが
後半から終演に向けて、プツリ、プツリと場面が途切れる感があったし
『無頼』と書いた紙を貼る描写蛇足に感じた。
無頼な生き方、無頼な世の中…もう少し台詞に無頼を入れ込むか説明があればいいが、
最後でいきなり『無頼』の言葉が出してきても
ちょっと弱いかなぁ、と
道賢(堤真一)の衣装、キャラが個人的には
凄く刺さったし、長尾謙杜くんは台詞は一部聞き取りにくい部分もあれど演技や殺陣は想像以上によかった。
大泉洋は、やっぱり少しふざけたシーンがあってこそ映えるのかな?と、マジメだけの大泉洋を2時間見るのは
ちょっとしんどい😅
長尾謙杜さんのアクションシーンはかなり見応えがありました
新しい時代の時代劇
往来の時代劇チックなBGM
と
新たな時代の撮影手法、アクション
が加わって
往年の時代劇ファン
時代劇を観ていない世代の方々まで
みんなに受け入れられる時代劇だと思います
ストーリーは至極単純
自身の利権しか考えない御上
vs
苦しむ民衆
&
民衆を蜂起させる大泉洋
勧善懲悪
時代劇の王道のストーリーで
安心してみていられました
主演の大泉洋さん
とてもかっこよかった!
カエルさんも成長する姿が
とてもかっこ良く
大泉洋さんにも負けないぐらい
活躍してて主役っぽかったです!
柄本明の脇役に染まり切った熱演も健在
演じきりすぎて
はっきり言って
何言ってるか分かりませんでした(゚∀゚)
昨年公開の『碁盤斬り』『十一人の賊軍』に続き
これからも時代劇から目を離せません!
みんなの好きな東映の結晶
考えろ、己の頭で
力作
主人公の蓮田兵衛は実在の人物らしいが詳細は不明だと言う。
そのため新しい人物像を作りあげているのでどういう行動をとるか読めないという点で最後まで興味深く見ることができた。
室町時代後期、大飢饉と疫病が起きて街中に死体が溢れる。
それも農村部の貧しい地域だけではなく最も栄えているはずの京都市中にである。
この状況に目を向けずのほほんと贅沢三昧している権力者達。
いつの時代も権力者には一般市民は見えてないものだ。(現代も)
ストーリーとしては善悪がはっきりしているので分かりやすい。
まだ鉄砲が伝来していない時代だからこその泥臭い戦闘シーンも見応えがあった。
余談だが民衆が蜂起する姿は革命を思い起こさせるがさすがに武器もろくに持たない民衆主体では証文廃棄のための一揆、打ちこわしがせいぜいのところ。
もしこれに賢明な武将一団が加わってればひょっとしたらこの時代にクーデターが起きて日本の歴史が変わっていたのかなとか、見終わった後に妙な感傷に浸ってしまった。
西部劇にしたかったらしたらいいのに。
原作を夢中になって読んだのは、3年前だったか。その時感じたのは
「スケールの大きな物語やなぁ。価値観がさまざまな人たちも複雑に絡むし…。
こんなのは小説でしか描けないやろな」。
と思っていたら、まさかの映画化。
さらに映画.comの評価も4.1とか、4.3とか、高い。
(1/19 16時には3.9に下がってたw)
本日、U-NEXTのポイントを活用してIMAXで朝から見てきました。
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良かったのは、森からたいまつを持った一揆勢がでてくるシーンと柄本明の怪演w。
映像のトーンも自分好み。あとVFXもさすが白組。
みてて辛かったのは、シナリオと演出。
原作に縛られ過ぎじゃない?と感じ、ストーリーが窮屈に感じた。
以下、悪口。
最初に西部劇調の音楽。
「おっ、この線で行くのか」…と思ったらそうでもなく。
というか、最後の方に映画として主人公の周りに個性的な人物を置きたいのなら、
「荒野の七人」をやればいいのに、
原作を活かそうとするもんだから、中途半端。
(小説を読んだ自分は登場する人たちの関係がわかるけど、
初見の人はあのシナリオでわかったのか?といらぬ心配をしてみてた)
全体的にバランスが悪い。特に演出がくどい。
また、背景に流れる音楽(西部劇調以外)が邪魔する。
(音楽が映像と不協和音を起こしているような…)
小説の素材は良いのだから、もったいないわー。
突き詰めれば「昔、蓮田兵衛という面白い人物がいた」ということなのに。
監督は門に貼り付けた文字=あの時代の「無頼」という生き方をクローズアップしたかったんじゃないのかなぁ。
監督は脚本も兼ねてたんだから主題を絞り込んでもっと自由に組み立てたらよかったのに…
と思いました。
期待はずれ
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