「これだよ!こういう合戦時代劇を観たかったんだよ!ぼーっと生きてんじゃねーよ!」室町無頼 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
これだよ!こういう合戦時代劇を観たかったんだよ!ぼーっと生きてんじゃねーよ!
なんかね、期待して劇場まで観に行った時代劇がもうひとつばかりだったの。
『首』とか『十一人の賊軍』とか。期待が大きかった分だけ、ちょっとがっかりしちゃったのが本音。
少し前にアマプラで観た『侍タイムスリッパ―』の殺陣が美しかったのは、とても楽しめましたが。
本作では、美しい殺陣に加え、すんげぇ迫力の合戦を大いに楽しむことができました。
一揆の軍勢が地響きを上げて押し寄せてくるところなんて、圧巻の鳥肌物でした。
あのシーンを楽しむだけのためでも、劇場の4DXで観たかったです。←そもそもあったのかなぁ?
そして才蔵(長尾謙杜)の殺陣の美しいこと美しいこと。棒術の特訓で、よれよれの桟橋に立って杭に釘を打ちこむシーンや、木に吊るされて縦横無尽に飛び交う刃を躱す特訓の身のこなしとか、本気で観惚れてしまいました。ジャニタレと思ってナメていました。ごめんなさい。山崎賢人に続く、邦画界の新たなアクションスターの誕生を強く印象づけられました。
大泉洋が主演と知って、実はかなり不安だったんですよ。あの人、いい人に見えすぎて、無頼漢なんて演じきれるのかなぁ…って思ってしまって。そこは武芸百般的な俳優さんですよね。その無頼ぶりを見事に演じ切っていらっしゃって、さすがだと思いました。
あと、印象深かったのがでっかい金棒の人。阿見201で合っていますか?身長から察するに、まず間違いないですよね?
そして、武田梨奈のくの一アクションを堪能できたのも大きな収穫。
さらに言うと、音楽もとてもよかったです。邦画にありがちな「ここで泣いてくださいよー」的な大げさな使われ方がなかったし、ウエスタン風の曲調も大変かっちょよかったです。
そしてラストでの死に場所を得ての兵衛の最期とか、かなり泣けました。才蔵がその遺志を継ぐラストに涙しました。
こういうのこそ劇場で観ておくべきでした。何やってんだか自分…
なんで、こんな素敵な作品を劇場で観ていなかったかなぁ。ぼーっと生きてんじゃねーよ!
今回は珍しく、茶番や寄り道をしないでコンパクトにまとめてみました。