劇場公開日 2025年1月17日

「浅い、というか薄い」室町無頼 keebirdzさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5浅い、というか薄い

2025年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

斬新

大泉洋は昔のTVで時折転げるほど笑わせてもらいその後の探偵ものも悪くなかったのでその「最高にかっこいい」姿を見ても良いかなと思い、一方で予告編からの地雷感で腰が多少引けつつ鑑賞したが、残念ながら後者の勘の方が当たっていた感じ。
なるほど確かに大泉の映りや台詞は格好良く工夫されていて、ご本人の演技努力(まあそれを見るものに感じさせるようだとちょっとイカンかも)もあって時代劇として良いと思ったが、いかんせんその他の登場人物の設定や描写が安直。ストーリー展開も浅いというか、安い。舞台としてシリアスでハードボイルドな筈なのに、見ていてなんか気恥ずかしい。
最新の本作が社会不安と不満渦巻く現代日本を映しているとの好感評も見たが、なら今の日本もそんな悲惨じゃないのかも。少なくとも末世の到来とか弱肉強食の地獄とか言われたらしい室町や戦国時代、いやたった数十年や百何十年前の過酷と混乱の日本よりは‥ 。その意味ではまあ面白い現代的映画かも。

ただ細かい光や動き、場の明暗を描写に生かした撮影や個々の役者さんの演出などはちゃんと「最新の劇場用時代劇」になっていて、取り上げた時代や人物も目新しい。劇場で見ずごめんなさい。
本作が大ヒットしたとは聞いていないが、今後もこういった取り組みの邦画、時代劇の進化深化を見てみたい。大泉サン頑張って。

keebirdz