「まぁ好みによりますよね」室町無頼 LukeRacewalkerさんの映画レビュー(感想・評価)
まぁ好みによりますよね
好みによります。
で、私の好みとしてはNG。
●雑な脚本
●怪しい時代考証
●は?と首を傾げる演出(40年くらい前の香港映画の悪役たちの振る舞い)
●何よりも白ける劇伴
でした。もちろん、それがたまらなく良い、という方々もいらっしゃるでしょうが。
将軍と徳政、幕府武士団と領民の関係、洛中警護団の振る舞いや装束、あるいはその集団としての性格などの時代考証や台詞の言葉遣いに表れる違和感は、原作小説そのものが違和感に満ちているのかどうか、読んでいないのでわかりませんけれど。
あらかじめ釘を差しますが、フィクションの時代小説だからと言って何をやっても良い、現代映像クリエイターのインスピレーションで変えまくっても良い、ということにはなりませんからね。まぁ『陰陽師』くらい振り切った時代SFファンタジーです、というのなら別ですが、一応史実に登場する一揆を主導した武家、というからには、歴史に対して最低限のリスペクトはあるべきでしょう。
特に白けた劇伴は「映像を引き立てる」役割を放棄していて、監督の好みなのかPのわがままなのか、映像とはまったく不釣り合いなアコースティックギターのフォーク・ロック調が流れたり、え? これ、チープなマカロニ・ウェスタンへのオマージュ?としか思えない調べが流れたり。
そこそこ良い役者が揃っているだけに、映画全体として役者の無駄遣いもいいところです。
ただし、大泉洋、堤真一はもちろん、才蔵役の長尾謙杜の殺陣は、アイデアも身体所作も見事。
もう一つ、松本若菜のきらめきは救いだなぁ
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