劇場公開日 2025年1月17日

「生き様のかっこよさ」室町無頼 HKさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0生き様のかっこよさ

2025年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

物語の構成に、
闘って強い仲間を増やしていく、
癖のある老師匠に若者が鍛えられて成長する、
虐げられた弱い立場の人間が逆襲する、
といったエンターテイメントの型がたくさん埋め込まれていて、
緊張の緩むことなく、どんどん気持ちが高められていきます。

そしてクライマックスの一揆シーンでは
才蔵(長尾さん)の空間を自在に使った現代的なアクション満載のかっこいい殺陣もありつつ、
なにより群衆の底力と、興奮、熱狂、悲愴など様々な感情のうねりが
リアリティのある迫力ある画面で表現されていて圧巻。

精一杯に己の生を楽しみ、全うして次世代に引き継ぐ、
常に潔く、簡単に動じることのない兵衛(大泉さん)、骨皮(堤さん)ら浪人達の生き様がかっこいい。

全体を通してフィルムの質感、色彩感のあるような画像も
乾燥した空気、土の多い殺伐とした背景にマッチしていますし、
衣装、セットの汚しにも惚れ惚れ。
往年の昭和時代劇風な音楽も面白く感じました。

文句なし。ほんとうに映画館で観れてよかった。

HK