「舞台は興味をそそられるが…」室町無頼 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台は興味をそそられるが…
室町時代、しかも応仁の乱の前というこれまであまり取り上げられなかった年代を舞台にしていることに、まず興味をそそられる。
冒頭から、疫病と飢饉によって積み上がった死体の山と人々の汚れ姿がリアルで、作り手たちの気合いの入り方がわかる。虐げられた庶民が無策な権力者たちに立ち向かうという本筋も、入江悠監督の持ち味である反骨心と親和性が高い。
しかし、娯楽映画の枠組みを意識し過ぎたせいか、アクションシーンと本筋のドラマシーンとのバランスの悪さはどうしたものか。才蔵の特訓シーンは絵的に面白いが、あれだけの尺を取るなら、兵衛の過去とか道賢との因縁とか、サラッとでも描いてほしかったところ。
兵衛がなぜあのような行動をとったのか、肝心の部分を端折ってしまって、演じる大泉洋のキャラクターに頼った感じ。堤真一は存在感と重みがあった。長尾謙杜が実質主役のようで頑張っていたが、ちょっと声の軽さが気になった。あと、音楽はマカロニウエスタンを意識し過ぎ。
これまでの歴史の空白を埋めるような意欲作だし、現代に重ね合わせる視点を提示しようとしていることもわかる。これからも今作のような新しい時代劇づくりのチャレンジが続くことを期待。
はじめまして、みかずきです
共感ありがとうございます。
折角、時代劇では、あまり取り上げない室町時代の
知られざる英傑・蓮田兵衛を主人公したわけですから
彼にフォーカスして深掘りすれば、もっと切れ味の良い作品になったと思います。
今後も知られざる英傑の発掘は続けて欲しいです。
時代劇の未来のために。
ー以上ー
はじめまして、みかずきです
『これまでの歴史の空白を埋めるような意欲作だし、現代に重ね合わせる視点を提示しようとしていることもわかる。これからも今作のような新しい時代劇づくりのチャレンジが続くことを期待。』
同感です。いままで取り上げてこなかった時代を開拓して、知られざる英傑を発掘して欲しいです。時代劇の未来のために。
ー以上ー