「蟷螂の斧」室町無頼 カミムラさんの映画レビュー(感想・評価)
蟷螂の斧
推しが多数出演していた為鑑賞。
現実で増税やらなんやら話題になってる時にこの映画が上映されるって偶然なのかね?
室町時代が舞台なんだけど、疫病と飢饉による地獄みたいな様子をリアルに描写してて良かったし、キャストの演技、アクションもレベルが高かった。ストーリーも分かりやすく、かなり見易い時代劇って感じ。
ストーリーや展開は全体的に上手くまとめてあるが、もう少し大泉洋と堤真一の過去に触れて欲しかったかな。才蔵の修行と成長に時間をかけてたのは良かったと思う。
キャストについては
兵衛役の大泉洋は演技はいつも通りの感じで特筆する事はないけど、意外にアクションが上手くて驚きでした。
才蔵役の長尾兼杜は演技は大根でしたがアクションが凄く良かったです。修行の際や一揆中の無双アクション等かなり見応えがありました。今後の活躍に期待したい。
骨皮道賢役の堤真一、全てが良い。
そしてこの映画で一番印象に残ったのは伝助役の水澤紳吾。やっぱこの人演技がめっちゃ上手い。何でも出来る名脇役。
アクションや演出については個人的に評価低め。各々のレベルの高いアクションをしてるのに見せ方があんまり上手くない。特に一揆中の乱戦がいまいち。何て言うかアクションシーンの配分が微妙。劇場版のHigh&Lowくらいアクションの配分が微妙。
メインの大泉洋や堤真一、長尾兼杜はしっかり時間をかけてるけども、その他の扱いが雑なんだよね。
お供の3人は阿見201ばかり目立ってんのは正直微妙。そりゃあ金棒持った巨漢が暴れれば画面映えするけども、多様し過ぎ感ある。
前野朋哉も終盤で目を潰される等苦戦してたけど、もう少しその戦闘シーンを出しても良かったと思う。
遠藤雄弥は一揆中のアクションがほとんどなかったように思える。堤真一に腕をぶった切られてるのしか印象に残ってない。もっと居合アクションが見たかった。
武田梨奈は女同士の戦いで出番があったものの、シーン短かめアクション抑えめでめっちゃもったいなく感じたな。
刀鍛冶の小吉役の般若はせっかく助太刀に来たの切られるシーンばかりピックアップされてかわいそう。
堤真一側にも猛者はいたけど、正直ほぼ印象に残ってないんだよね。
伏士のお千役の吉本実憂は武田梨奈との対決等の見せ場はあったが正直あまり印象に残らなかったな。かなり動ける女優さんなんだろうけど。
前野朋哉と戦って彼の目を潰した釵を持ってる人って伏士頭の彦次郎だっけ?孫八だっけ?どっちも印象が薄すぎてあんまり覚えてない。釵持ってた人いたなーくらいの印象。
そして一番の不満。丞威の扱いよ。
この作品の中で1位2位を争うレベルのアクションの達人で鎖鎌っていう映える武器使ってんのに戦闘シーンはごちゃごちゃして非常に見辛く、やられるシーンもめっちゃ雑。超不満。出来ることなら遠藤雄弥との居合vs鎖鎌が見たかったな。
それと少し気になったのがBGM。最後の一騎討ちの際の穏やかなBGMはいいとして、一揆で盛り上がってる際のBGMが場面に不釣り合いな程穏やかで唐突かつ微妙に感じました。
そういえばラストのシーン、芳王子が一緒に遊びませんかって声をかけてたあの汚い子供。多分才蔵と旅に出るんだろうなって思ったんだけど、才蔵とその子のやり取りで締めくくればかつての兵衛と才蔵に重なった綺麗な終わり方になったのになとか思いました。
いや、そんなに丁寧に説明しなくても理解しろよってやつ?