「単純明快な時代劇アクション!ただ音楽がハマらなかった。」室町無頼 ペンさんの映画レビュー(感想・評価)
単純明快な時代劇アクション!ただ音楽がハマらなかった。
非常に単純明快なストーリーで
基本的には悪側に感情移入することなく、
主人公サイドが起こす一揆を「やったれ!やったれ!」という思いで見られます。
証文を燃やすべく松明を持って攻め込む一揆勢や
六尺棒を使った才蔵の無双シーンなど、
映画館の大画面で見る
気持ちの良い部分は一通り抑えてあると思います。
ただ個人的には
アクションものとしての要素が強すぎて
ドンパチの間の人間ドラマが少し薄く感じられてしまいました。
大泉洋さんの「蓮田兵衛」と
堤真一さんの「骨皮道賢」の道を違えた友人同士の絡みはとても良く
FIXの絵の会話だけで映画が成り立つくらいには
緊張感や迫力があったので
この2人のドラマをもっと見たかったなと思いました。
涙腺のハイライトは
河原で兵衛を介錯する道賢のシーンだと思うので
もっと感情を高ぶらせて欲しかった・・!
あと細かいことですが、
そのシーンで
道賢が兵衛の刀を投げて効果音が無かったのが気になりました。(聞こえなかっただけ?)
河原で日本刀と石がぶつかってるんだから、少なからず音は出るだろうと。
もうひとついえば個人的には音楽が刺さらなかったです。
室町時代の飢饉という重いテーマだから
緩衝材としての軽めの音楽だったのかもしれないですけど、
そもそも主役から脇役まで大体がポップなキャラクターしていて
そこですでに中和されているので、なんかハマってないなと感じました。
ただ全体的にいえば
歴史ものとしてはすごくわかりやすいストーリーなので、
時代劇など抵抗がある方にもおすすめできる作品と思います!
刀の音が無い事に関して、私も気になりましたが、先日の監督のトークショーでこのように話されていました。
「音がないのはわざとで、道賢が納刀するまでは敵同士の仲だったが、後の描写は昔からの友の死を悲しむシーンであり、刀を向け合わない2人だけのシーンだから」
とのことです。