「時代考証がどうだとかは置いておいて」室町無頼 フクメンさんの映画レビュー(感想・評価)
時代考証がどうだとかは置いておいて
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荒んだ時代という事を表現するのには割と成功してるかなという感じの作品。皆なんとなく薄汚れてて、いつぞやの大河ドラマと同じように、画面全体がなんとなく暗い。飢えからそこかしこに無気力に佇む人々や、あるいは打ち捨てられた遺骸、骸骨が路傍に放置されている。
『寛正の土一揆』というものの史実がどんな出来事かほぼ調べていないが、権力者に搾取される平民下民が、稀代のリーダーを得て立ち上がり、一矢報いるという王道作品。なお一揆は基本的に成功するものの、権力者にたてついたので当然に兵衛(大泉洋)は死にます。
もう一人の主役である長尾謙杜は鍛え上げられた棒術などを駆使し、無事生き残ります。
権力者(幕府)側は多数出てくるのだが、実質物語に絡むのは北村一輝(名和好臣)のみ。それも扱いがかなり雑。足利義政は居ないと不自然だからと配置されただけの感じ。
色々なところに『ん?』と思うようなポイントは出てくるのだが、蓮田兵衛というキャラクターを楽しんで見られれば、それだけでも良いかなという感じ。でも闇夜に松明を掲げて、大軍が京の都に攻め込むシーンはかなりの迫力あり。
個人的には蔵人役の芹澤興人がめちゃくちゃ奮闘してて良かった。『きさらぎ駅』で見た時は『なんか変な役者がいるな…』と思ったもんだけど。
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