「むしろ「かえる」の縦横無尽な殺陣に惚れた!」室町無頼 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
むしろ「かえる」の縦横無尽な殺陣に惚れた!
大泉洋さんの力が抜けた飄々とした立ち居振る舞いは、時代劇こそ生きるもんだと、以前、主演の「駆込み女と駆出し男」を鑑賞した際に強く思いました。
駆け込み女の際は、彼の口上というか長台詞がもう既に板についていてめちゃめちゃ格好良くて・・・また時代劇で主演やってくれないかな、と思ってたところの「室町無頼」で剣豪役じゃないですか!待ちきれずIMAX先行上映で鑑賞した次第です。
ただ、今回目を引いたのは大泉洋さん演じる蓮田兵衛よりも、彼に拾われた弟子の「かえる」を演じた長尾謙杜さんの一本気で感情が突き刺さる様な強い演技と、六尺棒を使った縦横無尽な殺陣でした。たぶん、師匠よりも殺陣は上手いと思います(笑)。有名なアイドルってことらしい(知らないです。すみません)けど、良い意味でアイドルっぽくなく突き抜けていて見せ場が十分でした。
主人公蓮田兵衛は無頼かつ、弱きを助け強きを挫くという人物で、大泉洋さんにぴったりの魅力的な役どころでした。今回大泉洋さんは殺陣やアクションは初めてとのことですが、剣豪っぽい雰囲気はかなりでていて良かったと思います。
ただ兵衛はクライマックスの殺陣においては、トリックスターみたいなイメージが先行して演出的にも剣豪の重厚感がやや表現できてなかった様な気がします。実際、太刀筋も軽くて斬れずに防具に阻まれたシーンがあったような。そういう設定なのかもしれませんが、主人公の魅せ方、重さの表現にもう少し改善の余地があったのではないでしょうか。
そんな乱戦の中、まってましたの登場感、圧倒的達人感を演出し、間違いなく師匠を上回ったのが、弟子のかえるの殺陣でした。正直、ワイヤーアクション?はちょっと違和感ありましたが、満身創痍で全力疾走し、挫かれても何度でも立ち上がる若者の清く尊い姿には真面目に感涙してしまいましたよ。
最後も無頼の意志が脈々と繋がれる感じで、素晴らしかったと思います。
ぜひご鑑賞を!