「現代に通じる鬱積と閉塞感」室町無頼 naichinさんの映画レビュー(感想・評価)
現代に通じる鬱積と閉塞感
「SRサイタマノラッパー」の
入江悠監督作品
一人のアウトローが民衆を率いて体制に立ち向かう、アクション映画。
権力が支配する逼迫した世界、その閉塞感は何処か現在と通じるものがある。だからこそ、現代を生きる我々も心が打たれる。今を生きる僕らに、立ち上がれ!と訴えかけているかの様です。
原作は文庫2冊。一気に読んでしまう面白さだった。特に土地勘のある京都を舞台にしている為、その状況が想像出来るのも良かった。この緻密な小説をどう映画の枠にまとめるんだろう?と思った。
すると、細部を削ぎ落とし、一本道の話にする事で、映画として濃度を上げる事に成功していた。
同じ入江悠監督で、エピソードを加える事で濃度を増した「22年目の告白」とは真逆の手法で面白い。
その上、原作にない、映画的ダイナミズムも付け加えている。
約2時間15分、ずっと目を離せない作品になっている。
面白い。一人でも多くの人に観て欲しい。そして、こういう映画にお客が入って欲しい、と、そう思う。
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