Cloud クラウドのレビュー・感想・評価
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怖かった〜、けど、なんかもう一回見たい気もする。ハマってしまった。
菅田さん、奥平くん、岡山さんの3人がキャスティングされてる時点で私得でしかなくて。予告見て怖そうと思いつつもかなり楽しみにしてた。
いやー、ひたすらに怖がってみてた。スリラー系はもともと得意じゃなくて、怖いとこは目を細めたり片耳塞いだりしつつ見てた。だから見終わってすぐはなんか疲労感もありとにかく怖かったっていう印象しかなかったんだけど、、時差がすこしあって、やっぱり面白かったかもってハマってる自分がいて。公式のSNSの投稿を遡って見てたり、パンフレット見たくなって翌週に何の迷いもなく買いに行ったり。まんまとハマってた。(パンフレットすごくおしゃれな作りなのでおすすめ)
前半の方が“ひとの怖さ”がありゾクゾクが強くて、後半の方が純粋なアクション。
みんな普通に壊れてる感じがちょっと面白くもあり、怖い理由でもある。
佐野くん良かったな。後半は彼に釘付けだった。いったい何者やったんや君は、みたいな。その答え合わせがないのもいい。ハマった理由はかなり佐野にある気がする。
あと、やっぱりお気に入りは三宅。あの退場シーンすごいこだわり演出って知ったうえでもう一回見たいな。
私の周りに忍び寄るネット社会
映画『Cloud』非正規あるいは、正社員の世界とは違う階層で生きる人々の物語。格差社会の生み出したものなのだろうか、超氷河期世代からの弊害が生んだ労働者とその後の雇用形態のいびつさが浮かび上がる。この映画は、今の時代の異形な部分を感じさせる
格差社会の負け組の生き方
こんな言い方良くないんだけど。
主人公は、非正規職と思われるクリーニング工場に努め三年。
副業にせどり転売。
ネットでは、さかんに副業として宣伝してます。
メルカリやネットオークション。
店を持たずに売れる環境があります。
朝はやく電気店の広告商品目指し店に並ぶ。
郊外の大きな古着屋をまわり、たくさんの商品から少しでも転売で稼げそうな商品を買い漁る。
こんな稼げる商品をゲットしました、そんな動画がYoutubeに溢れてます。
または、100円仕入れでメルカリ転売で高収入。
そんな謳い文句で、ノウハウを教えるからまず入会金。
そんな怪しい商売まであるぐらい。
副業、副収入ブーム。
本業で、思ったように稼げないからでしょうか。
あるいは、低収入の非正規職。
映画はそんな底辺労働者が主人公。
全共闘世代の監督なのかな。
1955年生まれ現在69歳の黒澤清監督。
学生運動華やかなりし頃は、まだ中学生かな。
となると学生運動の終焉。
そんな時期に青春時代を過ごされた方かな。
あの時代の空気は、高度成長期。
人々が、豊かになってきて、さらにこの豊かさが続くと思われた時代。
そんな時代は、転売屋なんていなかった。
いやいたのかもしれないけど、今みたいに普通の主婦がなんてとてもとても。
やはり、ネットの出現でしょうか。
家にいながら副収入。
Youtubeに顔出しで、主婦が登場して宣伝。
危ない、危ない実名顔出しほど危ないものはない。
実名ではないにしろ、すぐ特定されてしまう。
ネット社会の問題点を上手く料理している。
転売で儲けた主人公は、会社をやめ群馬県の寂しい村で家屋を買い転売を続ける。
かつて買い叩いた恨みを買い、窮地に追い込まれる。
物語的には、ご都合主義的なところを感じつつも、素材提供に過ぎないと感じる。
闇バイト、ネットカフェ難民、非正規職、そして転売屋。
今どきのネット事情を網羅している。
さながら、群馬県の山中で銃を発泡するあたりは、連合赤軍事件と重ねてしまう。
群馬県の山中の荒涼とした風景が、映画のトーンと微妙に合う。
おおよそ景気の良かった時代には考えられなかった転売屋。
そしてそれを取り巻く社会とインターネット。
あらゆる今という素材を提供している。
あとは、鑑賞者の判断にということなんだろうな。
少なくとも、私には、人の裏をかくに近い商売は、いかがなものかなという感想が残った。
黒澤清監督の境地とみるかそれとも
星4をつけたのは本作は人を選ぶ点が非常に多くあると感じながらも、この作品ならではの光る部分について推したいと考えたためです。
ややニュアンス的な表現にはなってしまいますが、
「映画の"らしさ"を荒唐無稽に描き出すことによって"映画"を取り出す」
のような体感が残りました。
近年、稀有といって良いほどのコテコテの演出、台本、あらまし、20年昔で止まっているデジタルリテラシー。
そんな印象をこれでもかと受けるのが本作です。
この一方で浮上する視点が、「この映画そのものが映画本体」という見え方です。
この映画は観客に、ディズニーランドであるとも枯山水であるとも言わせることを許さない、針のような絶妙な存在に挑戦しているようにも感じられます。
個人的にはMナイトシャマランやデヴィッドリンチ監督作品などを好む方に本作をお勧めできるのではないかと感じました。
ここは地獄の入り口かぁ⁉️
人の弱みにつけ込み、人を騙し、楽をして金儲けする輩への天誅&天罰ムービー⁉️菅田将暉扮する転売屋の生態を描く前半と、被害者たちに拉致られ、殺されそうになる後半‼️ただイマイチ被害者たちの心情が響いてこない‼️冒頭で40万円の電子機器を3千円で買い叩かれた男も、それだったら売るなよと思うし、荒川良々もなんで奥さんと子供を惨殺したのか⁉️窪田正孝は同じ転売屋のくせになぜ主人公憎んでいるのか⁉️古川琴音はただ金が欲しいだけ⁉️まるでベイビーわるきゅーれなアシスタントの男のバックは⁉️多分それぞれの背景は複雑で、主人公を恨んでるんでしょうけど、劇中で何の説明もないので、ラストの銃撃戦もサバイバルゲームの域を出ていない‼️ひょっとしたら黒沢清監督は、そんな事情なんかお構いなしに犯罪や殺人が行われる現代の不条理な世の中を描きたかったのか⁉️それはそれで恐ろしい映画ですけど‼️ラスト、被害者たちを皆殺しにし、アシスタントの男ともに後戻りできない世界へ足を踏み入れた主人公のセリフ「ここは地獄の入り口かぁ」と闇に浮かぶ菅田将暉の白い眼が戦慄‼️
サバゲー
佐野くん…いったいなに?
菅田将暉が演じる平凡な青年・和也が、憎悪に満ちた集団狂気に巻き込まれていくサスペンススリラーです。劇中、和也は転売ヤーとして働いていますが、個人的にその仕事に対して「自分にはできないけど、なかなかおもしろい仕事だな」と思いながら観ていました。
物語の中で、奥平大兼が演じる佐野という謎めいた青年が登場します。彼の存在は、最後まで曖昧で、和也を助けるのか、それとも別の目的があるのかがはっきりしません。このキャラクターは、作品全体にさらなる不安感と緊張感をもたらし、観客の気持ちを掻き乱します。佐野は、和也の混乱をさらに深める要因となり、結局のところ「彼は一体何者なのか?」という問いが残ったまま物語は幕を閉じます。
『クラウド』は、終始謎が多く、特に佐野くんの正体に関しては最後まで解明されません。まさに「佐野くんは何だったんだろう?」という問いを抱えたままの映画です。
映画自体の評価は★3ですが、俳優陣の演技力に+0.5です。
すべてのショットに快楽がある。上映時間ずっと怖い楽しい痺れる、エンタメ快作
黒沢清がVシネを撮っていたころの雰囲気を持つ、エンタメ作。私は黒沢作品では哀川翔主演の「復讐 運命の訪問者」が最も好きだが、本作はそれに並ぶくらいに好き。
何気なく始まるファーストショットから、いつものクロスプロセスのラストショットまで、すべてのショットに快楽がある。上映時間ずっと怖い楽しい痺れる、エンタメ快作。
前半は転売ヤーの日常に迫るサスペンス、後半は長いガンアクションと、メリハリのついたジャンル映画のお手本のような構成がよい。
前半は得意のサスペンスショットに溢れ、否が応でも気分が盛り上がる。バイクのヘルメットをかぶった後頭部のショット、バスの中で誰か後ろいるショット、逆行で真っ黒になった人物、とにかく怖くて面白いショットの目白押し。窪田正孝のイヤな先輩の演技が素晴らしい。
後半はリアルなガンアクション。銃弾一発一発が重い。廃工場内での銃声の残響はどこまでも続く。
並んで疾走する菅田将暉と奥平大兼、撃たれてバウンドする岡山天音、猟銃を肩にかけノシノシ歩く荒川良々、Chimeに続いて突拍子もないお喋りの吉岡睦雄、最期に本性をあらわにする古川琴音、どの役者も本当に印象に残る素晴らしい演技と演出。
もう一回観に行こう。
地に足のついた小悪党が、バス内での異様なショットを経て迷い込む異界...
ろくでなしな世界
皆さんおっしゃるように何のカタルシスもない作品で見終わってげんなりします。
モラルも倫理も捨て去った人間ばかりです。
でもモラルって、人間社会がなるべくみんな幸せに回るために必要なもので、
その中で幸せなんか自分には巡ってこないと見切りをつけた者は、
守る気なんかさらさらなくなるのでしょう。
そんな人間が増えつつある現状をそのままさらけ出しているような作品です。
強い動機があるのは手塩をかけて開発した機械をかすめ取られた倒産工場主くらいで、
あとはすべて後先考えもせず暴力をふるうようになった奴らばかりです。
唯一動機が分からないのは、菅田将暉が雇ったアルバイトの青年の奥平大兼で、
彼がなぜ助けに来るのかさっぱりわかりません。
推測するに、地方のやくざの御曹司で東京の組に修行に行って帰ってきていた、
というような存在かと思いますが、彼にも身勝手な理屈を語らせたら、
もっと情けない世界が徹底してよかったのではと思います。
彼が作品の肝だったのに、と思いました。
奥平君の演技はなかなかの存在感でした。
しかし井の頭五郎さんは拳銃まで扱うんですね。
あの後、駅前で腹が減ったことに気づいて、店を探したとか。
メジャーになれない理由がよく分かる
転売屋が色々なところで嫌われ、恨みを買って・・・という前半の設定は面白いが、それだけ。
後半、脈絡なく延々とドンパチが始まり、派手に血が流れてバタバタ人が死んで、それでドラマが成立すると考えてるなら、あまりにも稚拙。
この監督がメジャーになれない理由がよく分かる作品でした。
Vシネ
黒沢清監督最新作。転売ヤーの菅田将暉が自業自得とは言えとんでもない目に遭うサスペンス・ホラー。日常に潜み口を開ける非日常。前半と後半でガラリと雰囲気が変わり後半はVシネ時代の黒沢清を観ているかの様な寂寥感と虚無感。まさかあの人がカメオ出演するとは!
不安と恐怖がすさまじい
・主人公の吉井が冒頭から3000円で買って20万で転売っていう、あくどい転売をしているところから猛烈にひきこまれた。そして終始、不安と恐怖が続くすさまじい映画だった。ただ冒頭の会社にはどういうコネで買いに行ったのかが気になった。ほぼネットで買って売ってを繰り返しているようだったし。
・吉井の最初のアパートの暮らしが転売ができて静かに安心している様子が妙にリアルに感じられた。当人も真っ当じゃない、こんなこと未来がないけど、これしかないという虚しさが凄かった。
・キャラクター全員が心に闇を抱えている感じが隠しきれてない雰囲気が凄く良かった。誰とも友達になりたくないと思った。
・クリーニング店から帰宅途中に道路上にはられたピアノ線?は滝本の仕業だったのだろうか。
・吉井の転売の卑劣だけど在庫があるだけまだ真面目なような気がした。無在庫転売よりもっていう意味で。とはいえ、フィギュアの様子とか見ると許しがたい。
・望まない管理職への打診?から退職して転売一本っていう吉井の希望を見出した世界が救いのない感じがとても良かった。運送会社も警察とつながってる感じとか、リズムよく閉塞感が増していって凄いなぁと思った。
・卑劣な吉井、転売屋をぶっ殺そうっていう事で集まった烏合の衆のリアリティが凄かった。全然、統率が取れてないけど何となくやっちゃおう感というか。
・移住先で雇った佐野君があんなに活躍をして驚いた。
・最後、どうなるんだろうと思ったら助かった先も曇天の未来っていう予感に満ちたシーンが強く印象に残って、ラストまでずっと不安と恐怖が続いていて凄かった。
現代の世相を鋭く抉る
衝撃のゲージツ作品か!?w
残念ながら私にはさっぱり理解できなかったが。
そもそも菅田演じる吉井は命を狙われるほどの悪なのか?
この程度でもネットで煽動されるとこうなる?
今世間を賑わせているネット強盗団の親玉とかなら制裁されてやむなしだが、
偽物をつかまされた程度では過剰報復の観は否めない。
胸がすく思いもない。
吉井の近しい人間関係も唐突でわからない。
そもそもアシスタント佐田って何者?
彼と比べると吉井の小物感半端ないんだけど?
吉井の下に付く論理性が全く理解できない。
さらに古川演じる彼女の行動も同様。
何か伏線があって私が見逃した?
と今回のレビューは???だらけ。
途中ホラータッチで良さげなところもあったが、
結局はゲージツお決まりの投げっぱなしのラスト。
モヤモヤしか残っていない。
一度やったら、二度も三度も...。
すっごい好き。黒沢清ナンバーワン。
変な映画ではあるけど、これまでの黒沢映画と比べるとアクが少なく、癖も控えめ。若手俳優を筆頭に、日本映画を支えるバイプレイヤーが勢揃いしており、いい意味でも悪い意味でも黒沢清らしさが薄めの、大衆向け映画になっている。
ただ、これまで見てきた「クリーピー」「スパイの妻」「蛇の道」の3本全てハマらなかった自分からしたら、大満足の作品だった。一方で、これまでの黒沢映画が好きなファンからしたら物足りないのかも。結構ポップでエンタメに振り切った作品になっているから、特有の闇はあまり感じられなかった。でも、これがいい。
恐怖が淡々と迫ってくる、緊張で心臓が小さくなるような演出は今回も健在。この演出だけは黒沢映画で変わらず好きなところだし、いつも変えずにやってくれるところ。実はここが好き嫌いわかれる原因でもあって、いつまで自主制作みたいな映画撮ってんだ!と言われるのはここにあると思っている。
黒沢監督はほとんど音楽を使わないし、そこにカメラがあっただけみたいな、突拍子もないリアリティを求める人。でも、これこそ映画だと思うし、私生活に支障をきたしてしまうような気迫こそがこの人の最大の良さだと思っている。それが今回は更に濃く現れていて、おかげでこれまでに無いくらいハマることが出来た。
アウトレイジ的に言えば「全員、狂人」。
豪華キャストのアンサンブル。とにかくみんな狂っていて、シュールな恐怖になんだか笑っちゃう。何やってんだ全くと少し呆れながらも、みんな全力で演技を楽しんでいてずっと見守りたくなる。しかも時間が経過する度に、頭のネジが緩まっていくようにして狂気じみてくるから、2時間ちょっと常に上り坂でとにかく楽しい。「キングスマン」の教会のシーンを想像してもらったら分かりやすい。だけど、そんな中にも人間臭がしっかり残っているから、なんだかんだで全員愛おしく感じちゃうんだよね笑
かなり銃撃戦。後半ずっと銃撃戦。
結構こだわりがあるんだろうけど、舞台が日本となるとリアリティは激減するし、銃を扱うことを納得させるような要素もなく、長すぎることもあって若干退屈した。本作はここで評価が分かれるだろうな。
ただ、奥平大兼が黒澤監督の雰囲気とめちゃくちゃマッチしていたのは意外だった。この映画で一番のハマり役は彼。他のキャストと比較するとセリフ量は少なく、大々的に画面に映るわけでもないんだけど、菅田将暉以上のインパクトですっごい爪痕を残していた。特に後半からはヤバい。あまりにイケてる。
主人公の吉井は銃を手にした時にあたかも初めて罪を犯したような顔をするけど、二度三度と回数を重ねる度に感覚が麻痺していき、罪の意識は徐々に薄くなっていく。まさに、転売ヤーという職業そのものを暗示させる表現。慣れって怖い。当たり前って怖い。一番狂っているのは自分自身だと、まだ彼は気づかない。
周りの評判通り、変な作品だったけど、監督の意図しているようなメッセージは珍しく受け取ることが出来たし、満足度がかなり高かった。ただ、流石に高額買取してくれるからって客のことを見限っては信頼も地の底ですぞ、おもちゃ屋のおっさん...。
こんなに面白い黒沢清映画が!
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