「エスプレッソマシン」Cloud クラウド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
エスプレッソマシン
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黒沢清監督作品は自分好みではないと思っていた。ホラー映画好きの視点からしても初期のホラーは面白くないけど、どことなくエロティック作品は面白かったし、社会風刺や面白い視点の作品は好み。そして、トークイベントを観た時から徐々に好きになった。監督が映画通で、映画の捉え方がどことなくタランティーノに似ていると気づいたからだ。
この作品でもテンバイヤーを批判しているし、遊び感覚で集まった人間関係が崩れていく不条理感がとてもいい。終盤はちょっと冗長気味ではあったけど、金や商品にこだわりを持つ人だけが生き残るという皮肉。掃除屋を手配するとかして闇の組織(松重豊しか登場しない)の不気味さもいい後味。
結局は不器用な人間たちのそれぞれの生き様を見せてくれているが、壊れかかったエスプレッソマシンへの接し方もそれぞれ違っていて面白い。秋子(古川)や吉井(菅田)の対応も面白いが、なんと言っても荒川良々の銃対応。性格の差が出ている。
何だかんだとあったけど、危ない商売をするんだったら監視カメラを設置したり、パソコンのパスワードをちゃんとしとけ!って言いたい。犯人側もスマホは叩き壊すとかすればよかったのに、杜撰なんですよね。ま、遊び感覚で集まった人たちだから・・・
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