「急ハンドルぅ!!」Cloud クラウド 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
急ハンドルぅ!!
展開の急ハンドルっぷりにビックリ!
だけどジャンプスケアに頼らずあれだけ怖いシーンを作るのは流石の演出力
工場勤務のかたわら、転売ヤーとしての活動もする吉井
投機的な転売で入ってきた600万を手に彼は仕事を辞めてしまう
転売活動に特化した自宅兼倉庫を借り、北関東の湖の畔で恋人と暮らし始める
しかし、その生活はどす黒い暗雲に包まれていくのだった・・・
いささか乱暴なまとめ方ではあるが、登場人物はみんな壊れている。欠けている
仮の人生、仮の目標、仮の成功に支配されて行き当たりばったりの行動に皆が終始する
そんな中で唯一、主人公の感情が爆発するシーンは「彼の中でこれだけは本物だったのか」と伝わってくる名場面だった
終盤(個人的には松重豊さんの出たシーンから)の急ハンドルっぷりには驚かされたが、総じて強く記憶に残った一本だ
デジタル的な「クラウド」でもあり、自分でもハッキリとさせられない感情を含む形の無いものに振り回される人々、そして現実にも充満する濁った空気
思い返すほどに解釈の幅を広げる秀逸なタイトルだと感じた
コメントする