「不安と恐怖がすさまじい」Cloud クラウド ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
不安と恐怖がすさまじい
クリックして本文を読む
・主人公の吉井が冒頭から3000円で買って20万で転売っていう、あくどい転売をしているところから猛烈にひきこまれた。そして終始、不安と恐怖が続くすさまじい映画だった。ただ冒頭の会社にはどういうコネで買いに行ったのかが気になった。ほぼネットで買って売ってを繰り返しているようだったし。
・吉井の最初のアパートの暮らしが転売ができて静かに安心している様子が妙にリアルに感じられた。当人も真っ当じゃない、こんなこと未来がないけど、これしかないという虚しさが凄かった。
・キャラクター全員が心に闇を抱えている感じが隠しきれてない雰囲気が凄く良かった。誰とも友達になりたくないと思った。
・クリーニング店から帰宅途中に道路上にはられたピアノ線?は滝本の仕業だったのだろうか。
・吉井の転売の卑劣だけど在庫があるだけまだ真面目なような気がした。無在庫転売よりもっていう意味で。とはいえ、フィギュアの様子とか見ると許しがたい。
・望まない管理職への打診?から退職して転売一本っていう吉井の希望を見出した世界が救いのない感じがとても良かった。運送会社も警察とつながってる感じとか、リズムよく閉塞感が増していって凄いなぁと思った。
・卑劣な吉井、転売屋をぶっ殺そうっていう事で集まった烏合の衆のリアリティが凄かった。全然、統率が取れてないけど何となくやっちゃおう感というか。
・移住先で雇った佐野君があんなに活躍をして驚いた。
・最後、どうなるんだろうと思ったら助かった先も曇天の未来っていう予感に満ちたシーンが強く印象に残って、ラストまでずっと不安と恐怖が続いていて凄かった。
コメントする