「黒い糸で固く結ばれ、地獄のドライブが始まる」Cloud クラウド 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
黒い糸で固く結ばれ、地獄のドライブが始まる
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誰かの言いなりにならず
社会の組織に組み込まれず
転売で自分の力だけで稼いで
彼女と生活していきたい
ただそれだけだったのに
吉井は地獄へと導かれてしまった
もう帰ってこられない
自分の生活や利益のために
人の人生や喜びを転売で奪い続ける
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佐野というアルバイトの少年
「困ったときはいつでも呼んでください」
「ずっとあなたのアシスタントです」
親身になってくれているようだが
実際のところ黒い組織の会長のせがれ
(だと思いながら観ていました)
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人々から色々なものを奪ってきた吉井に
「殺し合いゲーム」という報酬がやってきた
吉井が嫌いな奴らが、吉井の命を狙う
「みなさん本気ですか?」
と、佐野がけしかけて仕組んだんだろう
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吉井に銃を持たせ、窮地の状況に追い込む
そして、佐野自らが危険な状態に身を晒す
“佐野が助けに来てくれた”
そう思っている吉井は佐野を狙う奴を
黒いソレで撃ったのだ
「吉井さんすごいですよ…命拾いしました」
黒い組織の当たり前の日常や
人を殺すことで救える命があることを
実践を踏まえて佐野は吉井に
植え付けているかのようだった
吉井の何かがぷつんと切れた
あっという間に射撃が当然の行為になった
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「吉井さんは稼ぐことだけ考えてください」
「その他のことは全部こっちがやるので」
さあ、地獄のドライブのはじまりだ
転売で得たカネが漆黒に染まる
そんな日常が涎を垂らして彼を待っている
この世界から抜け出したいと告げたら最期
吉井の命はあっけなく終わるのだろう
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楽して稼ぐ方法なんてあり得ない
あり得たとしてもずっとは続かない
うまい話とあると聞かされて
地獄に連れて行かれてしまうことは
誰だって可能性としてあり得る
自分だけが良い思いをしようとして
人から搾取したり傷つけたりしたら
その分だけきっちり還されるように
この世は出来ている
真っ当に生きていれば保たれる
人を大切にすれば保たれる
自分の人生も、自分の幸せも
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すぐ近くで地獄のドアの入り口が
影を落としているんだな…と
深く考えれば考えるほど
ゾッとさせられるような作品でした
人がバンバン死んでいきますし
主人公も闇堕ちするので
観た後はかなり凹みます
ご留意ください
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