「映画ではなく演劇」Cloud クラウド ほくほくさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ではなく演劇
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これは映画というより演劇なので、リアリティというものは無いに等しい。なので肌に合わない人には全く合わないだろうし、私もその一人である。
それでもタイトルから意味を自分なりに考えてみるとまず、心にモヤモヤと雲がかかって生きている人たちの話なのは間違いない。
人と距離を取って生きている主人公(菅田将暉)とその彼女。未だにSSDにもなりきれないHDDようなスタンドアローンな2人。それでもネットオークションを使い転売ヤーとしてお金持ちになる事を夢見ている。
一方で同じく曇りがかって生きているが、主人公や世の中への不満をインターネット(クラウド)上で共有していた人達が、徒党を組んで主人公とバトルを展開する。
ってことなのではないかと想像できた。でないと「HDDさえあればばやり直せる」的な描写が度々出てくる意味が説明できない。リアルなら、今時HDDのデータが無くなったら一巻の終わりなんてことには基本的にならないわけだし。監督がITの知識がかなり古いのならば説明はつくけれど‥‥
主人公側に仲間が現れるが、スタンドアローンの象徴的な集団であるのが、ヤクザということなのだろうか。
主人公の彼女が一度出て行き、クレジットカードを奪う為に帰って来るのだが、なぜか外用の棚を漁っている。他にも急に知らない登場人物やライフルが出てきたり、オークションサイトを立ち上げるとか、めちゃくちゃな事を挙げたらキリがない。
一番残念だったのは、窓ガラスが割れるところ。私が映画で一番嫌いなのは音で観客を脅かすこと。
演劇好きなら楽しめるのかもしれないが、長いダラダラとした銃撃戦の何が面白いのか、改めて考えてみてもやっぱり分からない。
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