「どこで人に恨まれてるかわからない」Cloud クラウド ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)
どこで人に恨まれてるかわからない
今週はいろいろ見たい作品が公開する中とりあえず先ずはこの作品ってことで鑑賞!
「死に際がなんか良い」
まず三宅を演じる岡山天音さんの頭を撃たれた時の頭の反動感がなんかすごかった…!
撃たれて…バタリ…とかって感じじゃない感じ。
窪田正孝演じる村岡も隙を突かれて銃を奪われてからの情けない慌て感も良かった。
「彼女の秋子が1番嫌」
古川琴音さん演じる彼女の秋子。
どの行動もなんか全部嫌だったわ…
新しい家来て窓ガラス割られてからの「もうこんな生活いや!」みたいなまだ数日しか経ってなさそうだし、そのセリフを言うには早すぎるだろ。
吉井が監禁されてからも「結構ピンチ感じ?」
みたいな確認いらないだろ!
なんかホント全部嫌だった。
そしてそう思えてるってことは、あの人物像の演技としては満点だったんだろうな。素晴らしい演技でした。
「佐野くんが有能すぎる」
人のパソコン勝手に覗いちゃう以外は、有能なアルバイト(一応社員扱い?)の佐野くん。
有能っぷりを発揮し過ぎそうになったところクビになるわけだけど…
結果、命の恩人となる有能な人物。
ただ堅気じゃねぇんだよなぁ…
クビにされてるし、吉井の事恨んでても良さそうなのに…めっちゃ良いやつ。
いや、良いやつではないのかもしれないけど、本作で一番何考えてるのかわからない怖さを持っていた存在だと思う。
きっと吉井は今後の人生で佐野くんを裏切るような事はしないだろう…でも何がきっかけで彼に恨まれるかもわからない怖さはずっと付きまとうんだろうなぁ…
「総括」
強いて言えば、いや強いて言わなくても全員何考えてんねん!って感じの怖さ。
はじめの工場?超音波健康機みたいなところのおっちゃんは恨むのわかるけど、それ以外は大体なんでそうなんのよ!って感じ故に怖い。
窪田正孝演じる村岡もちょっと一瞬だけ上下関係逆転して少し小馬鹿にする態度取られただけなのに…
何より転売で失敗してる奴の恨みとかホント知ったこっちゃないし…
どんなタイミングでどのくらい人に恨まれてるかなんてわからない怖さ、そしてそう言うの含め何を考えているかわからない人の怖さがズンズン積もるような作品でした。
佐野くんだって今は味方だけど、そもそもなんで味方なのかわからないのに有能過ぎて一番怖い。
アングルとかホラーのような恐怖感のある緊張感から、後半は気がつけば銃撃戦でやるかやられるかのハラハラの緊張感になってる作品でした。
ラストは嫌ぁな雲空でしたね。
見たい作品は多いけど見れてなかった黒澤清作品だけど、本作が初めて鑑賞した作品になりました。他の作品も益々見たくなりました!