「正直者」かくしごと AMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
正直者
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こちらのレビューを見ていると、「あんのこと」も観ている方が多いのですね。私もその口です。実は鑑賞リストになかったのに、同じような語感の題名で気になったので誘われました。
タイトルはひらがなですが、「隠し事」の意味がメインながら、子供を毒親からかくまい「隠し子と」過ごす日々や、重要なターニングポイントをもたらす主人公の仕事は「書く仕事」と、幾つもの意味がオーバーラップした上手いタイトルですね。他にも何か意味が隠されているのかな。(「隔 死子と」とかはこじつけすぎか)
言葉遊びはさておき、構成としては面白いが、少し味付けが不自然すぎたかも。ミステリとしては良いのかな。ラストの印象が強くて、オチに持って行かれるのもあるが、杏の驚きと喜びの混ざった表情が秀逸でした。
それは非常に良かったのだけど、結果として、それまで積み上げてきた、認知症の父親のポジションがよくわからなくなったので、ちょっとモヤモヤ。主人公が人里離れた家に滞在するための道具みたい。終盤、当初の予定通り介護施設に入ったようですが、それで何を言いたいのか。ひとりだけ隠し事がないってことですかね。だとしたらもう少しクローズアップしても良かったような。
杏もさることながら、奥田瑛二が良い感じだったので、余計に気になりました。安藤政信は、DV親のこんな役がなんかハマりますね。
とはいえ、前情報一切無くて楽しめたのは確かなので、鑑賞の価値ありの一品です。
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