「静かな幻想の国、日本。心穏やかに流れる時間が素晴らしい。」不思議の国のシドニ ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
静かな幻想の国、日本。心穏やかに流れる時間が素晴らしい。
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日本の出版社に招かれて来日したフランス人作家シドニが、心の傷を癒し、新たな一歩を踏み出そうとする。
映画では最初、何度もお辞儀を繰り返す日本人が登場したり、まさにステレオタイプの日本。
しかし、これ以降の日本静かな幻想の国として描かれるため、これは監督自身の経験から得た印象を、故意に誇張したのだとわかる。
本当に人がほとんどいない、コロナ禍の日本の観光地が、静かで美しい。
付きそう日本人編集者とただ二人だけで過ごす、静かで心穏やかに流れる時間が素晴らしい。
イザベル・ユペールが繊細に演じるシドニは、とても可愛らしい。
対する伊原剛志は最初は無口で無表情だったが、シドニの穏やかな日々を過ごすうち、やがて心が癒されていき、最後にふと見せる穏やかな微笑がいい。
ほとんど全編フランス語でしゃべっているのが凄い。
彼は英語はすでに堪能で、4カ月特訓の後、コロナ禍で撮影中断。
再開時にさらに4カ月特訓したという。
夫の霊を演じるアウグスト・ディールのどこかコミカルで、しかし、どこかものさびしい存在も印象的だった。
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