ありふれた教室のレビュー・感想・評価
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Duh
「ミッシング」「胸騒ぎ」と気分が落ち込んでしまう最悪で最高な映画を観続けたあとにもういっちょヘビーな作品を見るドMかな?ってくらい自分を追い込んでしまっています。
学校関係では昔一悶着(教師と自分の揉め事で)あったので、そういう面でも注目していた作品です。
最近まーじであらすじをサクッとしか読まずに映画を観るので、今作も生徒の問題の対処で1人の教師が学校や親御さんと揉める作品だと思っていましたが…ちょっと違うベクトルの作品でした。
学校の先生たちが生徒を尋問しているシーンから始まり、そこから胸がゾワゾワするのに、生徒のための行動が人と人との関係に亀裂が入っていくリアルがこれでもかと描かれていて口角上がらずで観ていました。
主人公のノヴァク自身も違和感を暴きたくてとはいえ、盗撮行為はちと踏み込みすぎてるなと思ったら案の定それが悪い方向に…。
実際にはお金を盗まれていますし、行動の一つ一つははしっかりしているのに、どこか隙があって詰めも甘いとどうしても噛み合わず噛み合わずの連続で、その行動はアカン…と何度震えたことか。
オスカーの母親のクーンがまぁいわゆるモンスターペアレントってやつで、話し合いを全くしようとしない姿勢がいかんなと思いました。
ちゃんと話し合って釈明すればここまでの大ごとにはならず、普段通りの学校生活が送れていたはずなのに…と一手の読み間違いでここまでになるとは…まぁ誰も思わんわなとは思いました。
今作に出てくる子供たちもまぁ生意気なもんで、教育上うまいことコントロールできなかったんだろうなというのはありますが、基本的に歯向かってくる子が多いと先生も大変だよなと思うシーンが多くありました。
自分の通ってた学校もなーんか騒がないとやってらんない奴が授業を止めていたので、それの始まりがこの子たちくらいの年齢だよなー、悪意を持ってやってるよなーとノヴァク頑張れと観ていました。
でもオスカーの暴力行為は擁護しなくてもよかったのでは…あれは厳しくいってやる方が良かったのになぁ。
あと学校新聞を作っている子たちは将来の突撃系ジャーナリストになりそうでかなり怖かった。
先生たちには更なる問題があるのも特徴的で、煽り散らかす先生もいれば、都合よく言語を変える先生もいるし、多数派に属して自分の意見を安全地帯から言う先生もいたりして、校長自体も物事に荒波を立てたくないのか無難な対応しかしないから保護者たちに火がついてしまっているのに無視を決め込んでいたりと、これは中々に胸糞でした。そりゃその背中を見てたら子供らも捻くれるよと。
最悪に最悪を畳み掛けての終盤はもう崩壊しっぱなしでしたが、ノヴァクが子供たちに叫ばせてるタイミングで自分も叫ぶシーンは少しだけ、ほんのちょっとだけスカッとしました。そこだけは救いがあったと思います。
ちょっとした小話で、昔教師と揉めた問題は今でも教師側に問題があったなと思っています。
その教師は血の気が短いなんてもんじゃないレベルですぐブチギレてしまう教師で、ちょっとした物音(シャーペンを落とすとか)でも詰め寄ってくるタイプで、令和にこんな教師おるんや…と衝撃を受けっぱなしでしたが、自分がクラスをまとめる立場にいたのもあってか、やけに目をつけられていて、騒ぐ他のクラスメイトの次くらいには代表として怒られていたんじゃないかなと思います。
多分機嫌が悪いんだろうなって日には見ただけでブチギレられるという意味の分からない目に遭ったので、流石にこちらも我慢が効かなくなってきたので、ボイスレコーダーを持って行って、案の定理不尽な理由で絞られたので、そのボイスレコーダーを教育委員会に持っていって、特に音沙汰がないなーと思っていたら次の学年の時に退職という扱いでどこかへ行きました。
約2年キツい思いをした身としては、逃げられたようでどこか釈然しないところもありましたが、他の学年の子や同級生たちが辛い思いをせずに済んだんだなと思うとどこか晴れやかになりました。
今作には共感するところがとても多く、それ故に映画としてよりかは道徳のなんたらの学びになってしまったのが痛かったです。
今の社会の縮図みたいな作品で、色々と考えさせられてしまった。
この作品をフィクションとして楽しみたかった。学校でやっぱり不思議な空間なんだと再確認。卒業したからにはキラキラした学校を見たいっすね(強欲)
鑑賞日 5/21
鑑賞時間 16:30〜18:15
座席 D-2
不寛容方式ついてググった方が、この状況に陥るジレンマを理解しやすいと思う
2024.5.23 字幕 アップリンク京都
2022年のドイツ映画(99分、G)
ある事件をきっかけに崩壊する小学校を描いたヒューマンホラー
監督はイルケル・チャタク
脚本はヨハネス・ドゥンガー&イルケル・チャタク
原題の『Das Lehrerzimmer』は「職員室(先生の部屋)」という意味
物語の舞台はドイツのハンブルク
そこにある小学校では、職員室にて盗難事件が多発していた
新しく入った清掃業者などが疑惑に上るものの決定的なものは出てこない
赴任して数ヶ月のカーラ・ノヴァク(レオニー・ベルシュ)は、子どもたちにも嫌疑が及んでいる状況を鑑みて、自身のパソコンを監視カメラ代わりにして、自分のモノが盗まれないかを隠し撮りすることになった
案の定、財布からお金が盗まれていて、カーラはカメラ映像を確認することになった
そこには縞模様の白いブラウスの人物が映っていて、彼女は事務員のクーン(エーファ・レーバウ)を犯人だと考える
ことを荒立てたくなくて個人的に話し合いをしようとするものの、クーンは取り合うこともなく否定する
そこでカーラがベーナ校長(アンネ=カトリン・グミッヒ)に映像を見せると、校長も同じような嫌疑を持った
だが、教頭のドゥデク(ラファエル・シュタホビアク)は「盗撮自体が人格権の侵害だ」と言い、行為そのものは看過し難いものだと結論づけられた
物語はそこで終わらず、クーンの息子オスカー(レオナルド・ステニッチ)はいじめられるようになり、どこからか「クーンが窃盗犯である」と断定される噂が流れてしまう
そして、生徒と保護者の間でもその話題が尽きることなく広がり続けてしまう
さらに、保護者への説明会に乱入したクーンは、カーラを名指しして「この女は憶測で犯人扱いする」と断罪するのである
映画は、正義感に駆られたカーラの勇足がとんでもない展開に発展する様子を描いていく
どこでも起こりそうな問題であるものの、その後の展開に関しては、国によって違うように思えた
この小学校では、「不寛容方式(Zero Tolerance)」によって処罰が決められていて、これは「権限者によって裁量が変更されることを禁ずる」というもので、それによって「問題は切り分けられる」という傾向がある
事前に決められた罰則を必ず科さねばならないというものがあり、たとえカーラの行動が原因でオスカーが暴れても、オスカーは「暴れたことによる罰則」を科されるという意味になる
この方針はカーラと学校の行動をさらに行き場のないものにしていくのだが、その都度「不寛容方式」であることを確認する場面があった
この方式が前提としてあるので、カーラの盗撮には罰則が科せられ、それとは関係なく、オスカーの行動も処罰される
いわば、罪の起因を無視して行動を罰するという状況になっていて、それで良いのかどうかというところがあるように思えた
この方式を採用しているという前提が、その後の対処を縛ることになり、また今回のケースではエスカレートする要因になっているので、一連を切り分けるべきかどうか、というのは議論の対象になり得るのではないだろうか
いずれにせよ、かなりストレスフルな内容で、不寛容方式の採択の有無に関わらず、同じような展開になってしまう部分は多いように思う
ラストは不寛容方式の典型的な結末になっているが、この処罰に至る背景において、オスカーに非があるかはなんとも言えないところがもどかしい
真犯人が誰かというのは放置されたまま終わるのだが、あの映像で犯行を断定する迂闊さが最大の原因であると思う
また、学校の対応がいろんなものに配慮し過ぎて渋滞している部分もあるので、早々に公的な裁きを介入させた方が良かったようにも思う
警察などへの被害届を出したのかどうかはわからないが、個人が盗撮をして犯罪を断定しても、第三者を介しない状況で話をするのも無茶ことだと言えるのではないだろうか
サスペンススリラーじゃなくて社会派映画だった
移民問題を抱えるドイツの教育現場の現状って、かなりややこしそう。主人公のノヴァク先生もポーランド人だし。
発端は学校内で起こった小銭の盗難事件、どうしても移民の子が犯人じゃないかと疑われてしまう。ある先生たちは無記名による犯人探しをしようとして、反対派の先生たちとギクシャクしてしまうし、職員室内で起こったこそ泥を捕まえようと、ノヴァク先生が自分のPCの録画機能を使ったことが、より反対派と賛成派(生徒をも巻き込んで)の対立を煽ってしまう。日本の西川口あたりだったらどういう風に話が進んでいくかなと思った。
結局真犯人はわからず仕舞いだったのが、モヤモヤしてしまった。
すごかった
ほぼ武富健治さんの漫画『鈴木先生』だ。学校での盗難事件から様々な問題がからみあう。主人公の先生に味方がいなすぎではないだろうか。少なくともそれ以降盗難事件が発生していなかったら、被害者は味方になるだろう。あの動画の続きは語られないのだけど、他に上着に触れる人がいなかったら確定だ。校長先生が率先してカメラを設置すべきだし、威張っているだけで主人公を突き放すし、さっぱり頼りにならない。保護者会の時ももっとちゃんと話し合って欲しい。
音楽や演出で、やたらと緊張感があって下手なホラー映画よりハラハラする。
期待度◎鑑賞後の満足度☆ 紛れもなく傑作。途中から涙が…これは”ありふれた教室“ではなく“ありふれた世界”の話物。僕たちは何て息苦しい世界に生きているのだろう。映画は安易な答えを示さない。当然だ。
①今年公開された洋画、特にヨーロッパ映画はドキュメンタリーも含めここ数年に無い程傑作・秀作・佳作が多い。年末の自己ベストテン選出に悩みそう。
②本作もベルリン二冠も当たり前の出来。
③おかしいと言えば最初からおかしい。
生徒にクラスメートを売るような事をさせて、その上秘密にするように口止めするなんて。
秘密なんて絶対に漏れるのに。ましてや相手は子供だぞ。
だから問題は生徒ではなく先生なんじゃないんかい?と思ってしまった(原題もそもそも“教室”ではなく「職員室」だし)。
④カーラが謂わば“盗撮”したのも決して良くはないことだが、冒頭の先生達の対応を見ていると、生徒を守りたい気持ちから出た行為だと許してやりたい気持ちにはなる。
ただ、動画に思いもかけぬ人物らしきものが映っていたことから事態は一気に動き出す。
そこからの予測不能なスリリングな展開からは目が離せなくなる。
③
私が対処します
若手女性教師カーラ・ノヴァク( レオニー・ベネシュ )が赴任したばかりの学校で、盗難事件が多発する。同僚に対する不信感と正義感から、カーラは或る行動を起こすが … 。
学校の対応の難しさ、信頼関係が崩れていく様がリアルでした。
保護者に対し物申す事が出来ない事も、教員にとって大変でもあり、辛いところなのではないでしょうか。
日本の中高の学校教員は、部活動の指導や不登校、保健室登校の生徒達の学習サポート業務も有り、保護者対応、学校行事等、授業以外に様々な業務が有るようで、身近に居る若手中学校教員の彼女は、毎朝6時半出勤、帰宅は22時過ぎという過酷な日々を送っており、「 辞めたい。」との言葉を吐きながらも4年目の夏を迎えようとしています。
岸田総理、1日も早く改善して下さい!
映画館での鑑賞
予告で気になったら見てほしい
本作は主人公の教師の些細な事から生徒、親、教師陣まで巻き込む大変な事に発展していくのだが、やる事全てが裏目に出るのであまり見ていて楽しい映画ではありません
ただ起こった事よりも、そこからの人間関係の悪化がリアルで現実にありそうな感じで見ていて不安になる臨場感があります
人としての顔、子供と教師としての顔、教師と教師との顔、色々に誠実だけどそれだけ正解ではないと考えさせられます
子供もよく大人のことを見ているところ、大人の触りたくない話題に鋭いところなどもハラハラしてしまいます
子供は感情で動いてしまい色々行動しますが、大人はやはり理性が働いてそこまでいかないのも違いを感じてとても好きです
本当に最後のシーンで主人公がグチを言っていた同僚に助けを求めて、渋い顔をするけど動いてくれるあたり少し救いがあるなと感じ好きなシーンです
正直にあと数回見なければ本質的なものは自分には見えない来ましますが、今回はこのようなレビューにいたします
子供の気持ちも分かるし大人の気持ちも分かるから良い悪いの話ではない考えさせられるとても良い映画でした
こじれる
ボタンのかけ違いのようにどんどん拗れ、周りを巻き込んで小さな砂埃から台風のようになっていく展開。
中学1年生の設定だと書かれていたが、そうだったんだ〜という印象。
全体的にずいぶん幼く見えたから。
アメリカのように鍵のかかるロッカーはなく、財布も持ち歩いているのか?
よくわからなかったけど。
職員室でパソコンにカメラを仕掛けた理由もよくわからなかった。
職員室でも盗難続き?
今時の教育現場って監視カメラは…ないの?
母親が疑われたオスカーはかわいそうだな。
99パーそうだったかもだけど。
脅し文句からもっと悲惨なことが起きるかと思ってしまったが、意外とそうでもなかった。
舞台はほぼ学校。
やや睡魔にも襲われて…からのラストだったので、え?という感じ。
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