「大河の一滴」劇場版 再会長江 HAL-9000さんの映画レビュー(感想・評価)
大河の一滴
断筆宣言をした五木寛之最後の作品に「大河の一滴」と言うのがありましたね。人は一人一人が大河を流れる一滴であると言うアレです。長江の源流の一滴一滴を観ながら、そんな事を連想してました。
急速なインターネットの普及で、今はかつて人類が経験した事がないほどの変化にさらされていると感じます。それは長江の奥地にあっても変わりがありません。その結果、僅か10年でその土地で根付いていた文化は均一化し、特色は色褪せ始めています。しかもこれは終わりでは無く過渡期の渦中にあり、今現在も変化の過程の中にあると言うのが、具体的に何をして良いのか分からないまま、何となくソワソワとさせます。一体その先に何が待っているんでしょうか?きっとこの監督も同じような心持ちで、「今」を切り取りたのかなと思います。
長江を軸に広がる人との繋がり、水は上流から下流に向かって流れるが、変化は下流から上流へ。
どれ程の人が「ここを離れたくない」と言える場所を持っているのか。それがちょっと羨ましかった。
凄く心に訴えかけられる映画でした。観てよかったです。
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