アップグレード どん底女子の幸せ探しのレビュー・感想・評価
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後味は良い
カミラメンデス主演のサクセスストーリー。 ハリウッドで昔からある、アメリカンドリームのテンプレのような作品。 なので中盤のトラブルも、最後のまとまり方も予想できてしまいます。 けど、何だかんだ後味は良いですね。 機内でぼーっと眺めるにはぴったりではありました。
ピンとハネた
上京するたびJREポイントが貯まるのでアップグレードして新幹線のグリーン車に乗ることがあり、車内で知り合いに会ったことがある。 都心と新幹線でつながっている地方住まいの人はお解りいただけると思うが、新幹線ではあんがい見知った地元民に会いやすい。 で、たまさか同僚に会ったとき、わたしはとっさに「アップグレードなんだ」と言ったのだった。 本来そこは「しばらく」とか「奇遇だね」とか言うべきところなのに開口一番「アップグレードなんだ」と弁解した。 そのときの心理を説明すると、労働者であるわたしにはグリーン車が分不相応だという意識と、相手がそう思うかもしれないという自意識過剰が発した「アップグレードなんだ」だった。 むろん相手としてはわたしがアップグレードで乗ってようと、そうでなかろうと、どうでもいいことなので「アップグレードなんだ」の弁解に期待した反応がかえってきたわけではない。 しかし低所得者を自認する身としては自由席一択なのにグリーン車で会ったことで弁解したい気持ちがはたらいてしまったのだ。 けっきょくせっかくのグリーン車両も誰にも会いませんようにと願いつつ大きめの席でどっちの肘置きも使わないように小さく身をこごめて座っているのである。 アナ(カミラメンデス)はサザビーズのような競売会社の採用を目指している野心的なインターンで、ロンドン行きの随伴に抜擢された折、いじわるな先輩からいじめに遭っているのを見かねた客席予約係の裁量でファーストクラスにアップグレードされるという僥倖に恵まれる。 ファーストクラスなんてはじめてだし昂奮したアナは思わずJust got upgraded!と叫んだらTold you it wasn't a myth.神話じゃないって言ったでしょとチェックイン客のひとりが言って「都市伝説じゃなかったんだ」と訳された。 JRのアップグレードなんてさして敷居の高いことではない。利用頻度によってはグランクラスにだって手が届くだろう。でも国際線航空機のファーストクラスなんか100万超だし、エコノミーからアップグレードされるなんてきっと都市伝説級で、アナが熱狂したのはむりもなかった。 しかし人生ではじめてファーストクラスに乗ったアナはすっかりいい気分になってしまい、隣り合わせた金持ちのイケメンに、じぶんは画商でばりばりやっているみたいなことを言ってしまう。ほんとはいちばん下っ端で姉夫婦に厄介がられながら同居している崖っぷち女子なんだが。 公共でじぶんが周囲の人から何者かわかってない状況下、たとえば「お客様のなかにお医者さんはいますか?」みたいなシチュエーションがあったら、ただ一瞬の仰望を浴びたいだけという目的で「わたしは医者です」と言ってみたくなる──というのはわからないでもない。 アナも行きずりのたわいのない会話のつもりだったが、その後もウィリアム(Archie Renaux)は恋心と仕事に絡んできて嘘がどんどん大事になっていく。 amazonプライムビデオからの配給。古き良き軽きロマンティックコメディ、まったく疲れなかった。 映画でアップグレードというとリーワネルのやつだが、あっちのは改良でこっちのは向上。座席等級の向上と、アナの人生が上向いていくことを兼ねたタイトルといえる。(なおupgradeとugradedで一文字違う。) どっちの意味にしても一般にアップグレードとは良くなることを言うが、世の中にはアップグレードしたことを弁解したくなる妙な心理もあるという話。 ところで日本語のピンハネとは人に渡すはずの金品の一部を先にとることをいうがカミラメンデスの眉毛についてもしっくりくる言葉で、稜線の長さ、角度と濃さと太さと、ピーンと撥ねた感じ。いつもながらすごい眉毛だった。 りっぱな眉毛をさずけた両親はブラジル人で、出自の談話として── 『ブラジルに行くと、アメリカ人のように感じるし、アメリカでは、自分をブラジル人たらしめている特徴にいつも気づかされる。』という述懐がwikiにあった。 ラテンだけど白人キャラクターのように置かれる、なにげに独自ポジションを持っている女優だと思う。 imdb6.1、RottenTomatoes78%と69%。
丸じゃなくて白鳥
プラダを着た悪魔を思い出させる感じだが、あれよりもっと頑張ってなくてご都合主義。姉の所に居候しているのに態度はでかいし、普通に嘘ついていても開き直り、なんなんだなのだ。何故皆が力を貸すのかそこまで魅力的ではなかった。ただしストーリー的にいただけないだけで俳優さんは魅力的だったし、マリサトメイはいい歳をとっているなぁと思った次第。
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