「歯を食いしばり、涙を堪える。」マリウポリの20日間 おひさまマジックさんの映画レビュー(感想・評価)
歯を食いしばり、涙を堪える。
泣くのは私の役目ではないから。
そしてより、多くの人々が見るべき映像。
リアリズムしかない、この映像から伝わる犠牲者たちが強いられた境遇。何と悔しいことか。悔しさが伝わってくるあまり、こちらの心が折れそうになった。
プーチンの戦争。
たった一人の老人のレガシー欲求に、多くの命が犠牲となり、また多くの人々の暮らしが奪われ、全世界が多かれ少なかれ振り回されている。
プーチンの戦争。
3年目。20日間どころか1000日を超えた。
ふざけるな、である。
マリウポリで生き延びた人々は忸怩たる思いのまま、ロシア実権の廃墟のような町で暮らしているのだろう。身寄りを無くした子供たちは遠くロシア国内に連れ去られ。
団地や病院や学校にミサイルや爆弾が落ち、人間もろとも破壊されていく。この映像を見ると、プーチンにとっては街も人々も不要で、マリウポリという街のあった地べたそのものが欲しいだけという事がいかにも明白に伝わり、怒りを超えた感情をおぼえた。
独裁者に報酬を与えてはならない。
なぜなら答えは簡単だ。
明日は台湾。
明後日は日本と考えなければならないからだ。
プーチンの戦争と世界の振る舞い方を見て、逆に勇気づく人間もいるのだ。中東に、アジアに。
この作品は映画ではなく、報道。
今、より多くの人々が見る必要がある。
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