オーメン ザ・ファースト

劇場公開日:2024年4月5日

解説・あらすじ

「悪魔の子」ダミアンに翻弄される人々の恐怖を描き世界的ヒットを記録した1976年公開の名作ホラー「オーメン」の前日譚で、ダミアン誕生にまつわる秘密を明かしたホラー映画。

アメリカ人のマーガレットは新たな人生を歩むべくイタリア・ローマの教会で奉仕生活を始めるが、不可解な連続死に巻き込まれてしまう。やがて彼女は、恐怖で人々を支配するため悪の化身を生み出そうとする教会の恐ろしい陰謀を知る。全てを明らかにしようとするマーガレットだったが、さらなる戦慄の真実が彼女を待ち受けていた。

テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のネル・タイガー・フリーが主人公マーガレットを演じ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのビル・ナイ、「蜘蛛女のキス」のソニア・ブラガ、「ウィッチ」のラルフ・アイネソンが共演。本作が長編デビュー作となるアルカシャ・スティーブンソン監督がメガホンをとった。

2024年製作/118分/PG12/アメリカ
原題または英題:The First Omen
配給:ディズニー
劇場公開日:2024年4月5日

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映画レビュー

3.0 デビルマン(レディー)

2024年4月9日
Androidアプリから投稿

さあ、「エクソシスト」に続くお祭りだよ。

こないだの「エクソシスト 信じる者」は、娘が突如帰ってこなくなり、帰ってきたら、反抗期だったという、親からするととても怖い映画だったが、無印「エクソシスト」もまあ、そんな話ではある。

さて無印「オーメン」は「この子、うちの子?誰の子?」という疑心暗鬼からの、マジの「親殺し」の超大物だった、という怖い映画だ。「エクソシスト」は近所の子(つまりわが子)の恐怖にとどまるのに対し、「オーメン」はあくまでも「世界」が舞台であり、宗教、政治、病、戦争、世相の恐怖の象徴でもある。

どっちが怖い、ということではないが、「リメイク」あるいは、「作りやすい、つなげやすい」という意味では「オーメン」のほうが軍配が上がる。(ユニバーサルはなんで大金はたいて、「エクソシスト」のほうをとったんだろうか。)

ちなみに、無印はもちろん大好きだが、「2ダミアン」も青春葛藤ものとして素晴らしく、ゴールドスミスの劇伴も実はこっちのほうが好きだ。「最後の闘争」は問答無用で駄作だが、ファースト・キルは素晴らしい。「最後の闘争」だけは、全く不思議な作品で、これこそ悪魔の力で金儲けしたつけが回ったのか、関係者が呪われたとしか思えない。

ということで、「4」とまたとないタイミングで公開されたくせに(故に?)超駄作の「666」は論外で、今回は前日譚だ。山犬からダミアン君が生まれるはずだ。山犬の交尾を見せられるのか、山犬のオマタを見せられるのか、股間ではなく、期待は膨らむ。

「オーメン ザ・ファースト」




「ローズマリーの赤ちゃん」に似ている、とか、そんなん当たり前で、無印を見てれば、「ダミアン」があっち側の手によって生み出されたのは明白で、ポイントは「適正な母親」はどういった存在か、になる。ただし、その点は説明不足の、描写過多で、「サスペリア」などの「昔のオカルト」のちょいといいとこいただくことで、「それっぽい感」だけになっているのが若干目立つ。

しかし女性監督がよく得意とされる、生理的に気持ち悪い描写もちゃんとあり、映像も音楽も頑張ってる感はあり、俯瞰とアップの撮影もよい。「業火」も効果的。主人公の「眼」が印象的。

割と伏線がはっており、夜遊びのところも、ああ、修道院に縛られた女性の解放だとか、かったるいなと思ってたら、あの展開。寝起きのアイシャドウ、シーツの寝汗?の跡は拘束、窒息プレイによるものだとわかると結構面白い。一夜のオトコがおあずけかつ横取りされて半べそだった。かわいそうに。

いわゆる「オーメン」といえば、の「ピタゴラスイッチ」なショックシーンはほとんどないのだが、ちょい出のチャールズ・ダンスのあの頭は、ブレナン神父の「直撃」ではなく「かすっている」のはまだ「プリンス」が生まれていないからだな。本領発揮は次回作だ。

全体の流れは当たり前だが、「ローグワン」と一緒で、「悪のプリンス」ダースベイダー登場と同様、「プリンス」が生まれたときに、「アヴェ・サタニ」が流れるのは、爆笑もの。

ところが、ここで新展開。ちょっとびっくり。

多くは語らないが、「あの存在」は「悪魔の力を身につけた、正義のヒーロー」ということになるんだろう。

もはや「ホラー」でも「サスペンス」でもなくなるが、無印3部作が最後すっころげた顛末を本宮ひろ志的な展開にするのであれば、それはそれで無印本来のあり方になるのではないか、とひそかに期待している。

しかしグレゴリー・ペックの写真を出してしまったがために、どうすんだろ。次回作。

追記

あ、そうそう、山犬のアレは見られませんでした。いろんな意味で。

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しんざん

3.5 Satanic Mickey Crawling from the Womb

2024年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

The amount of Catholic-themed horror films churning out of the movie factories is pretty laughable at this point, but The First Omen is refreshingly better than any in quite a while. A few notches cooler than The Omen remake of 2006, this prequel satisfies as a period film. The demonic special effects get the high-budget Disney treatment, offering technology's most frightening images of The Beast.

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Dan Knighton

3.0 ネル・タイガー・フリーの前衛ダンス風パフォーマンスは必見

2024年4月30日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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村山章

4.5 現代社会への風刺

2025年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1976年公開の名作ホラー「オーメン」
1973年にあの名作「エクソシスト」が世界中の話題をさらった。
このオーメンは、それに匹敵した。
心霊という当時誰もが信じる世界に現れた「エクソシスト」は、憑依されることを想像する恐怖があった。
またこの「オーメン」は、「悪魔」という実態によって、キリスト教徒たちの深層にある悪魔という恐怖を描き出した。
どちらもその恐ろしさが斬新で、リアルだった。
神が全能であるように、悪魔もまた人間から見れば全能だ。
人が考えていることはすぐ読まれ、先手を打つように始末されていく。
そしてこの「オーメン ザ・ファースト」の設定は非常にリアリティがあって面白かった。
そもそも反旗リスとなる悪魔を誘致することで、失いつつある権力 教会の力を取り戻そうとするのは、愚かな人間がしそうなことで、その動機も非常によくできていた。
当然最初の作品と2回目の作品のあらすじを踏襲している。
同時に、物語の中で悪魔の力のようなもので死ぬ人々の様子も非常によく似ていた。
大統領の息子を入れ替えるという作戦
昨今の世界情勢を鑑みてもありそうなことだ。
さて、
ホラー故に、その怖さをどのように仕掛けるか?
そこが肝であり、非常によく考えたポイントだろう。
極力脅かしのような手法は使わずに、視聴者の心理に訴えかける恐怖として描いているのも秀逸だった。
どんでん返しの型は単純な狼男の型で、「犯人は私自身だった」というもの。
処分の対象でしかなくなったマーガレットと娘をあえて生かすことで、その後の奥行きが生まれる。
同時に、カルリータ・スキアータが14号まで作られたことは、教会がいったい何をしてきたのかを物語る。
その、ヒトゲノムとジャッカルのゲノムが入った「モノ」
当然人間か否かという問題があるが、穏やかに暮らしたいというのは、人も動物も同じだ。
マーガレットと娘、そしてカルリータ
実際にこんな人がいるのではないかと思ってしまう。
物語は、男であるダミアンに悪魔の意思が宿っているという設定
しかし、
悪魔とは人間の狂気であり、後付けであり、環境や教育によって作られる。
悪魔の証明こそ神の証明とするバージョンのエクソシストがあったが、この二つの存在を示しているのが教会そのもので、神父が話したように、「教会の権力」のために「神の声」という身勝手極まりない論法で人々を恐怖で縛り付けているのが教会だ。
教会を作り、初代教皇となったのがペテロ
裏切者がユダ
このように「設定」されているが、少し前に発見された「ユダの福音書」には、真逆のことが書かれている。
神は、たぶんいる。
しかし神は第三者的存在などではなく、私たち一人一人の中にいる。
それを悪魔とか地獄という言葉で人々を陥れ、神から与えられてみな共通に持っている「力」を、教会に差し出してしまったことで、人々は「力」を失い、教会に言いなりにしかならないようになった。
そんな風にして起きた「魔女狩り」 そして「免罪符」
ローレンス卿がマーガレットに「神は君の功績を讃えている」のようなことを言った時。彼女は「自分の声しか聞こえない」と言ってローレンス卿を刺した。
このシーンこそが、嘘で塗り固められたキリスト教会に対する決別だったように思う。
彼らのしてきた歴史は、戦争による皆殺しと略奪と侵略だった。
しかし、
本当に彼らがしてきたのは、個々人の心に対する殺戮であり、略奪であり、侵略だった。
この作品は、ホラーというモチーフを使い、この真実を描いている。
ブレナン神父は何とかして彼女たちを救いたいと思っているが、それさえもOKしなかったマーガレットこそ、新しい時代の先駆者なのかもしれない。

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R41

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