「実写という選択肢で描かれた“その後”に触れて」【推しの子】 The Final Act shinさんの映画レビュー(感想・評価)
実写という選択肢で描かれた“その後”に触れて
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あらすじ:
アイドル・アイの死をきっかけに、生まれ変わった双子の兄妹アクアとルビーは、それぞれの理由で芸能界に足を踏み入れる。
母の死の真相を追うアクアと、夢を追いかけるルビー。
アニメでは描かれていなかった、ふたりのその後と物語の結末までを描いた実写映画版。
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感想:
アニメは最後まで見ていたけれど、あの物語がどんな結末を迎えるのかはまだ知らなかった。今回の映画では、その先が“実写”というかたちで描かれていて、「こういうふうに展開されて、ラストはこんな感じなのか」と、静かに驚くような感覚があった。
限られた上映時間のなかで、どうあの複雑なストーリーを描くのか気になっていたけれど、走馬灯のように挿し込まれるカットや、場面の重ね方で時間を飛び越えていく演出が、思った以上にしっくりきていた。詰め込みすぎて苦しくなる感じもなく、必要な感情や背景がふわっと浮かんでくるような構成だった。
実写映画に対しては正直それほど期待していなかったけれど、思っていたよりずっと丁寧に作られていて、演技もその熱量にちゃんと応えていた。テンポもよくて、途中で気持ちが途切れることなく、最後まで自然に見続けられた。
アニメ以上の展開がこのタイミングで、しかもこの形で提示されるとは思っていなくて、そこに戸惑いもあったけれど、見終えてみれば、それも含めて良かったと思える。自分のなかで、“推しの子”という物語にひとつの区切りがついたような、そんな感触が今も残っている。
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