「アイドルグループ「B小町」のセンター、未成年のアイ(齋藤飛鳥)が妊...」【推しの子】 The Final Act りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
アイドルグループ「B小町」のセンター、未成年のアイ(齋藤飛鳥)が妊...
アイドルグループ「B小町」のセンター、未成年のアイ(齋藤飛鳥)が妊娠、秘密裏に出産すべく地方の病院に入院した。
主治医の雨宮吾郎(成田凌)は、研修医時代に担当した患者の少女がアイ推しだったことから、少女が亡くなったあと、アイ激推しになっていた。
出産当日、吾郎は院内に不審者を発見。
追いかけたが捕縛できず、逆に刺されて絶命してしまう。
吾郎の魂は、アイが出産した双子のひとり、アクアに転生してしまう・・・
というところからはじまる物語。
ここまで書いたあらすじは事前情報で知っていた。
正直、メチャメチャな設定だなぁと思っていたし、まぁ、そんな感じ。
ですが、吾郎が殺されるまでは、意外と映画的リアリティがある。
360度アイドル然とした齋藤飛鳥の演技、成田凌のすっとぼけた雰囲気、それらがいい。
成田凌と齋藤飛鳥のコンビネーションが、アイドル映画の虚構に妙にリアリティを与えてい、意外と引き込まれる。
さて、成長したアイの双子、アクア(櫻井海音)とルビー(齊藤なぎさ)。
ふたりは芸能界で生きていた。
アクアは俳優、ルビーは新生B小町のアイドルとして。
アクアには大きな目論見があった。
幼い頃、自身の目の前で殺されたアイの復讐、真犯人のあぶり出し。
それは、アクアとルビーの父親探しでもある。
アイ殺害事件を映画化し、真犯人であるトップアイドル・トップ俳優の父親を糾弾しようというのである・・・
と展開する物語は、フィクションをフィクションでラッピングした二重構造。
そして、真犯人をトップアイドルの二宮和也が演じるという多層構造。
(若い頃を演じているのは是枝監督作品『怪物』の若き演技派、黒川想矢)
メタフィクション的な面白さ。
フィクションの屋上屋を重ねつつ、リアルとの接点は、二宮和也以外にもある。
完成した映画の披露試写会の会場「丸の内TOEI」である。
本作の製作・配給は東映。
まぁ、製作費を安く上げるための施策なのだろうが、2階席もある東映旗艦館。
2025年に取り壊しなので、最後の勇姿っぽい。
劇中映画『15年の嘘』の看板の掲げられたショットは、同館へのレクイエムかもしれない。
同館で鑑賞すると、二重に感慨深かったかも。
シネコンで鑑賞したのですが、もう一足のばせばよかったかも・・・
レビューちょっと脱線しましたが、原作漫画もドラマもアニメ未見の身でも面白く観れました。
転生バナシはなくてもいいんじゃない?とも思ったけどね。