「推しにて」【推しの子】 The Final Act ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
推しにて
衝撃の導入から始まった原作、しかしどんどん大変な方向へいってしまい荒れてしまった終盤。
改めて1つの作品を完結させる難しさを感じさせられました。
そしてまさかの実写化。
流石にヤバいだろ…と思っていましたが意外や意外、原作のエピソードをうまいこと抽出しつつ、それでいて実写に対するアプローチだったりがとてもしっかりしていて楽しめました。
ただこの尺で行くなら残りもドラマでやれば良かったのでは…?という気持ちを抱えつつも劇場IN。
特典はメンゴ先生の書き下ろしチケット風カードでした。
なんか尺の使い方がハチャメチャだな〜と思いました。
前半はドラマを簡単にまとめたものと産婦人科時代の吾郎を交えながら描くのですが、現代パートはドラマでしっかりみたのになぜまた流すんだろうと疑問に思いましたし、原作やアニメやドラマに触れてない人用だとは思うのですが、ドラマやりまっせと言ってる作品なのでそもそもの間口が狭いですし、大方の人は予習してると思うのでこの配慮は正直邪魔かなーと思いました。
このドラマで3〜40分消費してしまったがために、アイの実子である事を明かしてからの映画制作のエピソードがどうしても駆け足になってしまい、取捨選択の上手かったドラマからは一変、ツギハギだらけのガタガタな構成になってしまったのが残念でした。
映画作りの過程でのカミキヒカルの行動だったり、アクアとルビィの対立だったりも取ってつけた感が否めず、原作をそのままそのままやってしまっているのが映画では裏目に出てしまったかなと思いました。
原作の終わり方もあってか結末周辺をどう改変してくるのかというところに期待していたのですが、無難になぞって安易な終わり方に持っていくという刺激の無い分かりやすいものになってしまっていました。
カミキヒカルも登場シーンがそこまで多くないせいか異常なんなけど表面的なだけだからキャラクターへの深掘りができてなかったのも惜しかったです。
モノローグで全部説明するってのはまぁしゃーなしと思っていたんですが、死んだはずのアクアが全部語るのは違和感しかなくて、遺言的なものを残すならまだしも自分の遺体が見つからなかったという事を自分で言うもんですからどの次元の話なんだ?とこんがらがりました。
B小町のライブシーンは素晴らしかったです。
しっかりとライブらしい迫力のある映像になっていましたし、お三方とも振り付けや立ち位置もバッチリこなしていてお見事〜ってなりました。
鑑賞日 12/23
鑑賞時間 15:40〜18:05
座席 E-13