「神と悪魔の戦い」【推しの子】 The Final Act 宗像先生さんの映画レビュー(感想・評価)
神と悪魔の戦い
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推しの子、全コンテンツクリア勢で
先程実写版を観ての感想を書いてみる。
推しの子という物語を、善と悪の戦いという観点から見て観た。
本編でのラストでのアクアとカミキヒカルの対峙は、ルビーを挟んでの神につかわされた再誕(イエスも復活する。)したアクアと邪悪な悪魔と化したカミキヒカル。その正邪の戦いであったのかと。
関係する人々を滅ぼしていくカミキヒカルは「オーメン」のダミアンをイメージさせる邪悪の象徴であるし、またダークサイドに堕ちた父と戦う兄妹は「スターウォーズ」の親子の戦いを想像させる。
善と悪、神と悪魔、ダークサイドとライトサイド。
そして、アクア=ゴローは大切なルビー=紗理奈の未来を悪魔から守るべく、その身を悪魔とともに自己犠牲によって退場していく。それは、私にとって神への殉教に写った。
そう、「エクソシスト」のラスト、悪魔に魅入られた少女を救うべく悪魔にその身を乗っ取らせて我が身を急階段へと投身したカラス神父の尊い姿と重なった。
「推しの子」とは善と悪、神(原作にはツクヨミがいる。)と悪魔が人の世で人の身を借り、二世代に渡り戦った壮絶な物語では無いか、と私は夢想する。
アクアのラストの退場は、神の勝利というビターなハッピーエンドでもあるのではないか、と思うのである。
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