「劇場版は原作より良いまとめ方かも!?」【推しの子】 The Final Act おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場版は原作より良いまとめ方かも!?
原作漫画は最終回まで読了しましたし、アニメも二期までの全話視聴済みですが、皆さんもご存じの通り、原作漫画の終盤の評判が非常に悪い作品です。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない中途半端な展開で、良く言えば二次創作が好きな人に「オチはお好きなようにアレンジして下さい」と、材料を提供した感じです。
ドラマ版、劇場版の製作が決まった時にキャストのキービジュアルが公開されましたが、その時も「なんかコスプレっぽいよね」というのが世間の反応でしたが、始まってみればなかなかどうして、キャストが原作を読み込んで一生懸命役になりきっている熱量が伝わってきました。特に有馬かな役の原菜乃華、MEMちょ役のあの、斉藤壱護役の吉田鋼太郎、五反田泰志役の金子ノブアキにはプロの勢いを感じました。カミキヒカル役の二宮和也は、旧ジャニーズ時代から公私共に悪い印象が強い人物なので、悪の黒幕にはピッタリの配役でした。
原作では結構のボリュームで語られていた「今日は甘口で」「東京ブレイド」の部分はバッサリ割愛されていて正解だと感じました。この辺りを挿入していたら尺が足りなくなってきて、キル・ビル以上に前後編で300分オーバーの作品になってしまったかも知れないですね。
追伸=最後はカミキヒカルと共に入水したアクアの遺体が見つからなかったという筋書きになっていましたが、もし自分が原作から手直しして脚本を書いたとしたら、アクアだけに復讐はさせずに自分も加担すると言っていた黒川あかねにカミキヒカルの始末をやらせたでしょうね。原作ではアクアがあかねの動向を把握するためにGPS付きのキーホルダーを持たせていた表現がありましたが、逆にあかねがアクアの動向を把握してピンチを救う事も出来た訳ですからね。