デビルズ・バスのレビュー・感想・評価
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恐ろしく祝祭的な雰囲気のエンディング
何で観ちゃったのかな、と後悔の気持ちを感じるほど暗くて怖い映画でした。ホラーとかスプラッター系ではないけれど。
18世紀のオーストリアの田舎の閉鎖的な村での生活と主人公が極限状態に追い込まれていく過程が、淡々と描かれていました。
物語的に全く救いはないまま、恐ろしく祝祭的な雰囲気でエンディングが閉じていく。
しっかりと描き込まれたきちんとした映画だと思うけれど、観終わった時に気分はかなり落ち込みました。
信仰の恐ろしさ
ものすごく好みの作品でした。
舞台は18世紀半ば、オーストリア北部の小さな村。
「デビルズ・バス」=「悪魔の風呂」
当時の鬱病は悪魔憑きという扱い。
女性が赤子を滝から投げ落とした後、告解。
首をはねられ指が切断後、タイトルに入る。
この冒頭からものすごく引き込まれました。
宗教の支配と村人たちの異常な信仰心…。
「代理自殺」という闇深さを描いています。
ガール・ウィズ・ニードルの事件と同様に
こちらの事件も深掘りしたくなりました。
また、女性の生きづらさに深く共感。
因みに、ニワトリ、山羊、 魚は全滅。
動物を愛護する方は発狂するかもしれません。
主人公アグネスの精神崩壊を丁寧に描いていて
陰鬱な世界観と重みに浸りました。
捌いた山羊をキリストの十字架刑として
見立てた描写が素晴らしかったです。
アグネスに同調できると…
予告編でも使われていた滝の上での母子のシーンや動物を愛護する方々が発狂してもおかしくない鶏や山羊のシーンから命を断つ事に容赦ないグロ映画かと思っていたのですが、見当違いも甚だしい結果となりました。
この映画、1人の女性に焦点を当てており、彼女に同調できないと作品そのものが冗長に感じてしまうクセモノ作品でした。
セックスレス、
姑との確執、
重労働、
そうしたひとつひとつが彼女にのしかかり、不安や恐怖、そして絶望へと繋がっていくのですが、映画自体は淡々とした描写が続くだけで中々彼女の内面が描写されません。
説明的な台詞がないのは好感が持てますが、首を切られ放置された遺体や近隣の人の首吊りだけでは伝わるものも伝わらない気がします。
もう少し、彼女の内面の変化を描けていたら評価も変わっていたのではないでしょうか。
ラストではとんでもない展開が待ってます。
人によっては頭に疑問符しかわいてこなくなりそうですが、天国へ行ったとされる死者の指でさえ魔除けやまじないに使っている点を考慮すれば氷解するのではないでしょうか。
ただ、大袈裟でしたよね。
ハーシェル・ゴードン・ルイス監督の「くるくるばー」が一杯出てくる映画が頭をよぎりました。
今も変わらぬ女性のストレスと悲しい結末。
いーよいーよ、こういうの好きだよ。
例によって歴史文献から抽出した歴史物なんだね。田舎の民間伝承、死体の指や首筋の髪、処刑のお祭り騒ぎなんかは実際昔あった事だそうだ。エグいシーン多いけどビビらせるように撮ってない。
2人監督のインタビューでも語り口を法廷劇スリラーか、歴史ホラーか脚本作る時に迷ったがどちらもやめたと書いてあった。
だから淡々としていてテンポが遅く少し観てていらっとしたが、エンドタイトルで女性の子供殺しが中世でいかに多かったか、、それに至る女性の鬱病の原因の数々なんかがテーマになっていることを知り腑に落ちた。デビルズバスはそんな鬱状態の事を言うらしい。
この病んでいく過程は現代でも一緒だよね。昔より逃げる手段が増えただけで、状況的、金銭的に逃げられなかった人は似た様な事件を起こしているわけだ。ま突出した田舎の人口減少もそこから逃げ出す女性が多いことに他ならない。ガールウィズニードルもだが女性は逃げ場少な過ぎだ。
主演の女性はミュージシャンでサントラ担当だったが、候補の主役がスケジュール的に出演出来なくなり、内容気に入った彼女が主役に立候補して決まったと言うながれだそうだ。なんか美人じゃない感じがリアリティあってよい。曲も実に良いのだよ、サントラ欲しい。
デビルズバス(悪魔の風呂)とは鬱病のこと
今は精神病だとわかるけれど、昔は鬱病になったら悪魔に取り憑かれてると思い、悪魔の風呂に入っていると呼んだそうな。んーすごい表現があったもんだ。
しかしあの時代に子供を望まない夫がいるのは意外だな、お金が無いからかな?家も借金して買ってしまったし。それに主人公が死んだ生き物(人間含む)の体の一部を持ってるのは、子宝に恵まれるとかいう御呪いみたいなものなんだろうか。夫が捨てちゃったけど…。
あと、子供を殺すと問答無用で死刑なのね。でも告解して罪を償えは天国行きってか?すごい抜け道だ…。最後みんなに血を配ってどうするんだろう。もうなんか色々理解が追いつかなくて恐ろしい時代だよ…。
ノーリアクション。
18世紀半ばのオーストリア北部、閉鎖的な小さな村に住む男の元へ嫁いだアグネスの話。
古くから伝わる村の伝統と村住人の言動に違和感を感じ生活をすることになるアグネス、…旦那、姑、村住人との生活に馴染めず、実家へ戻りたいと思い始めるが…。(忠実に基づく)
冒頭映像の閉鎖村で行われる“赤ん坊を滝下に投げ落とす”、頭部、指、足指を切断されたイスに座る腐乱死体の意味は?がずっと頭にあり。
観終えれば理解出来たものの、おかしいのは村住人だけでなくアグネスのズレ、…昆虫を口に入れたり、切断された指を持ち帰りキスしたりと。結婚して購入した新居での初夜?!のベッド、妻アグネスを脱がして尻出してはなぜ自己処理?ヴォルフ?で。
姑から子供はまだかと急かされてたアグネス、…それ以前に息子ヴォルフの謎な“息子自己処理”で恐らく“してない”のかなと(笑)
ラストの斬首後の吹き出る血を飲む村住人達の異常さ気持ち悪さを冒頭、序盤から見せてくれた方が、こんな村に嫁いでしまったアグネスで、もっと気持ち悪さを 味わえたのではと思ってしまった個人的に。
とにかく暗い…今の自分の幸運に思いを馳せる
70点ぐらい。史実に基づき…
17〜18世紀のオーストリアで
実際にあった事件をモチーフにした作品
自殺するより人を殺して告解してから死ぬ方がマシ
自殺したら地獄行き
と考えられていた頃の話
冒頭でセベリン・フィアラ監督とヴェロニカ・フランツ監督が挨拶した時に
フランツ監督が白骨死体が散らばっていてあちこち炎が燃えてる地獄絵図のシャツを着ていて
なんかすごいな…と思っていたので似たようなシーンが出てきた時笑いそうになってしまった
女も生き辛い時代だけど、不能男や気弱な男も生き辛い時代だよなと思った
映像がグロ美しくとても楽しめた
ジェシカ・ハウスナー監督のお姉さんのターニャが衣装デザイン
パラダイス三部作(ザイドル監督で脚本がフランツさん、そして二人は今夫婦)が自分には合わなかったので
こういう方向性ならかなり好みだなと思った
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