「ルッキズムにとどまらない深みのある作品」顔を捨てた男 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
ルッキズムにとどまらない深みのある作品
ルッキズムを取り上げた作品なのだろうとタカを括っていたが、
それにとどまらないところに心を打たれた。
というのも、
セバスチャン・スタン演じる主人公エドワードは、
その特異な外見から、ひどい扱いを受けてきていて、
自分自身にも自信がない。
そんな彼が治療を受け、新しい顔(本来の顔だろう)を手にいれ
それなりに仕事がうまくいったりモテたりするようるなったが、
エドワードの本質は変わらないのだ。
人と比べる、人を羨む、自分に自信がないのは変わらない。
一方、昔のエドワードの顔に良く似たオズワルドは、
特異な顔にも関わらず、周囲の人たちとのコミュニケーションは抜群だし
自分に自信があり、顔のことをコンプレックスに感じているそぶりがない。
人と比べたりなんかしないし、むしろ人をたてるのだ。
だから人から好かれ、信頼されるのだろうと思う。
この人間的な本質の違いが、彼らの人生が全く異なる結果を生んでいる。
まさに人としての本質を抉り出すように描いていて、
私は心を打たれたし、自分自身も外見にコンプレックスを持ったり
他人と自分を比べたりせず、自分の人生を楽しもうとあらためて思った。
パンフレットも購入。
じっくり本作の余韻に浸ろうと思う。
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