「映画は本作の予告編でした。見事すぎる。」沈黙の艦隊 シーズン1 東京湾大海戦 九段等持さんの映画レビュー(感想・評価)
映画は本作の予告編でした。見事すぎる。
原作読破勢。
実写も映画館で見て「悪くないけどなぁ…」という感じで、次回を期待してました。
まさか配信で大幅補完+続編が来るとは思いもよらず。
内容はそう、まさに沈黙の艦隊ワールド!
会話が増えているだけでなく、間もじっくりとっているため海江田の行動を考察する時間的な余裕があり、作品に深みをもたらしてくれます。
個人的には速水副長役の水川あさみが見事。
原作時点でもどこか女性的な役回りのキャラでしたが、現代の海自に置き換える意味でも、非常に意味のある配役だったと思います。
また、海江田役の大沢たかおも、8話ラストでは最早海江田にしか見えないくらいのシンクロ率。
かわぐち先生が称賛したのも納得できます。
それでも端折られているシーンや、追加されているオリジナル要素はあるものの、劇場版では微妙だったシーンやセリフを含め、通してみればこれはこれで…と納得できました。
特に、追加要素だった深町のトラウマをきちんと回収したのも、よく考えられているなと感心しました。
アメリカ本国パートの奥行き感のなさと、特に護衛艦隊の若干チープなCG、さらに日本の政治家とその秘書官に権限と能力がありすぎる(これは原作も同じ)点はやや気になり、また余裕を表現する演出でしょうけど、みんなちょっとコーヒー飲み過ぎじゃないかと思いますが(笑)、ファン必見の作品に仕上がっています。
その意味では映画は壮大な予告編でしたね。
(お布施という意味でアリ)
作品最終盤の舞台である国連本部に加え、ロンドンのロイズまで聖地巡礼しちゃうくらいのファンですが、このあとも保険やマスメディアのあり方など、どんどん深くなる作品世界をAmazonがどう表現するのか、楽しみでなりません。
最後のニューヨーク編までしっかり描き切ってくれる日を引き続き楽しみにしたいと思います。