箱男のレビュー・感想・評価
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What is this!
27年前の企画を掘り返して、これですか!私には、正直「なんじゃこりゃ!」です。
レビュー採点をつけるために120分間耐えに耐えましたが、苦痛でした!
誰かがそう書いてるだけかも
あの箱が象徴しているものは、価値観とか偏見とか物差とかパラダイムとか色々に解釈できると思うが、他評者数人がご指摘のようにSNS上の匿名性に安住して垂れ流される独善性,という見方が現代社会にハマるだろう。そういう意味では一旦頓挫して今まで寝かせていたのは「正解」かも。
後半,ノートの記述と現実との区別が曖昧になるあたり,物語の記述法が「誰それがこう言った」みたいな客観的・俯瞰的な観察者目線なのか,登場人物の「わたし」目線なのか,という小説作法談義っぽくなるところが個人的には面白かった。
落ち着きのない浅野忠信はなかなか新鮮だったし,白本彩奈の劇エロまではいかない寸止め感も品があってよかった。
残念ながら万人にお薦めはし難いが訳のわからなさに翻弄されてみるのも一興。
DRUG
強烈なビジュアルに惹かれての鑑賞。原作は未読です。
心の声がメインになるタイプの作品であまり好みではないなとは思いましたが、それ以上に難解さが極まったような作品でこんがらがりながらなんとか観きりました。
変態プレイのシーン、文字で読む分には色々と想像できるのかなと思いましたが、いざ映像化されるとそういう映像にしか見えず、白本さんは特に体を張っていたなという印象だけで終わってしまい、物語の本質が見出せずにもったいないなとは思ってしまいました。
今作の意外な収穫はアクションシーンの良さでした。
箱男がしっかり箱男のままスピーディーでダイナミックなアクションを繰り広げれてくれますし、渋川の兄貴が狂ったように石を飛ばしてくるのも込みで序盤から方向性は思ってたのと違うけどこれは良いぞ!とテンションが上がっていきました。
中盤まではなんとか見れていたんですが、パラレルワールドに突入したのか、原作の難しさが限界突破したのか、セリフやモノローグの物量が半端じゃない事になって頭が追いついていかずで大変でした。
もっと文学の勉強をしとけば…とこういう時思うんですが時すでに遅し…。
ラストシーンでは観客に問いかけるシーンになるんですが、まぁなんとなくこうだろうなと予想が立てれてしまい、全く同じセリフが浮かんでそのままのセリフが吐かれたのでおぅ…ってなりました。
メタ的視点は好きですが、オチがそれかーとはなりました。
原作に興味は持てたので読んでみようとは思いました。
鑑賞日 8/24
鑑賞時間 10:40〜12:55
座席 C-2
20年後に蠍座で回顧してみろ!
安部公房原作。かつての『日劇文化』の跡のシャンテシネマ劇場なので、まあ間違ってはないだろうが、70年代以降のATG作品のような雰囲気。蔵原惟繕や松本俊夫や吉田喜重の難解トリオみたいに、作家性が強すぎて、観客おいてけ堀の『芸術的なのをありがたがれ』というレトロ感。そんな前時代のデジャヴと目眩を覚える作品だった。早い話が、独りよがりでワケのわからないモノ。かつては、安部公房は勅使河原宏の監督作品というイメージだったが、当時から前衛を拗らせていた印象。まったくもって、頭上に?マークを光らせて新宿文化劇場を退出した無数の観客たちの連帯、あの頃へフラッシュバック。何年か前にルイ・マルの「死刑台のエレベーター」を日本でリメイクして、ヤラカシちまったどん底駄作があったが、同じようなイメージだな。
箱の中はパラダイス?
安部公房の原作小説の映画化作品でした。難解な作品と言う噂でしたが、その噂通り「うーん」と唸ってしまうお話でした💦だって箱の中から世の中を眺める”箱男”がいて、彼がそれを止められないだけでなく、他にもその”箱男”の地位を狙っている奴がいるというんだから、まあ一筋縄では理解できません。
でも自分が箱の中から世の中を眺めたらどうだろうと想像してみると、それはそれで面白いかも知れないと感じたところ。面倒な仕事だの義理だの責任だのから解放され、かと言って生物的な死を受け入れる勇気もないし、人里離れた場所で仙人のように暮らす胆力もない。そうなると隔離されつつも、1枚段ボールの向こう側には人がいる”箱男”的暮らしも、概念的には有りかなと思ったところでした。
また、文字通り単館系作品でありながら、主演の永瀬正敏をはじめ、浅野忠信や佐藤浩市と言った有名どころが出演しており、彼らの怪しげな上にも怪しげな役柄を演じた演技も中々良かった。さらには謎の女・葉子を演じた白本彩奈の妖艶ぶりも絶品でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
石井そうご( 漢字が出ない) 改名したんだ?
27年前にクランクイン直前に企画が飛んでからの、今更ながらの復活を遂げて見事公開にこぎつけた本作。今年が安倍工房生誕100周年という事でいいタイミングだったんでしょう。
安倍工房は読んだ事はないが、ポスターの箱男のビジュアルが、ぼっちちゃんの完熟マンゴーみたいで気になり鑑賞。
永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩一と無駄に豪華なキャストなのにあんまり宣伝されてないよね?
まぁ、路上で段ボールを被って覗き穴から、女性のふくらはぎをガン見して、ふくらはぎの絵を写生している変態の映画ですとは宣伝できないわな?
段ボールにこだわりのある永瀬正敏と浅野忠信は段ボールを被ったまま階段で決闘したり、段ボールを被ったまま全力疾走したりと無駄に体力使いすぎw
これに看護婦のヒロイン白本彩奈が絡んでくるのだが、脱ぎっぷりのいい事ったらありゃしない。
今どき風俗でしかお目にかかれない昔のセクシーなナース服を着てくれるし、浣腸までしてくれるぞ?お好きな人には堪らないですな( おい)
映画comでは白本さんの写真が出てこないけど、例えるなら
「壇蜜からシリコンバックと下ネタを抜いた」
ような、小股の切れ上がった妙にそそる美人さんです。「カメラを止めるな」 にも出演しているとの事。
段ボールを被ったまま、いきなり禅問答が始まったりして、ついていける人がいるのか心配になります。
俺が見た回は計6人ってとこでした。大丈夫かぁ?
見どころは段ボールを被ったままのスタントシーンです。
こんな馬鹿馬鹿しい設定の映画を心の底から楽しめる層ってどれくらい居るのか分からないね?
友達と話していて
「 浅野忠信と永瀬正敏が段ボールを頭から被ってガチで喧嘩するのー!面白ったー!」
と言われても、友達も困るわなぁ。俺はとても面白いと思ったけど。
実写版プーさんに満点つけている人の言う事ってマイノリティだけどな。
話しのネタにはならないけど、シネフィルだったら通ぶれるのでお勧め。これも狂い咲きサンダーロードみたいにカルト映画になるネ!
覗くことと覗かれること
学生時代に安部公房読んでたら知的でかっこいいんじゃないの(実際、不思議な架空のお話、寓話って好きなんで)、そう思って結構いろいろと読みました。世界的にも評価されてたから、文学的価値もあるし。"箱男"も読んだ筈。でも全然覚えていない。
箱の中の世界と外の世界。覗くことと覗かれること。視点を変えると逆にもなるのかな。そして箱を被ることによる匿名性。この匿名性には大きな問題がある。吊し上げに暴露。平気で憶測で語る。嘘もある。
安部公房が今生きてたらどんな小説を書くのか。そんなことを考えながら観てました。原作との違いはどうなのか。違うものが見えてくるのか。もう一回原作を読んでみようかなと思います。
コミカルと偏執
内面にある歪み、頭でっかちになりながら外界をシニカルな気持ちで覗き、自身を「ホンモノ」になろうとする(外界の人とは違う存在)で、外界の人たちを「ニセモノ」あるいは「覗かれる側」の人と捉えて自己正当化して閉じていく偏執っぽさと性的嗜好のスケベ感は、観にきてる人の内面をエグりにきていて切れ味が鋭い。
けれど、映像はシュールな感じで始終メタルギアソリッドのスネークの潜入っぽさを彷彿とさせているし、箱男同士が戦ってるシーンは、大乱闘スマッシュブラザーズを彷彿とさている。
あと、「重要なことなので、何回も言っておく。」と脳内ナレーションをするくらいに同一フレーズを盛り込んでくるのもコミカル。
音楽は不安と危機を煽ってくるような緊張感が漂う激しめなので、映像とアンビバレントでおもしろい。
ドナルド・キーンが亡くなったから実現したのかも
安部公房の本は昔初版本を集めたりして読んでいたが、ほとんどブックオフに売ってしまった。しまったなぁ。
内容はほとんど覚えていません。1973年発刊の箱男の映画化。27年前に頓挫したが、今回やっと完成させたとのこと。
確か、安部公房は東大医学部を卒業しているが、国家試験も受けていない。著作には戯曲も多い。
箱男、ニセ医者、軍医、ワッペン男をイケオジたちが演じる。
みんなちょっと年取っちゃって、侘しいカンジ。ガード下の年取ったレゲエのおじいさんの映画かと勘違いされそう。
安部公房の医者に対する歪んだ自我、覗き見や盗撮願望、匿名による自由への憧れと創作者としてのアイデンティティなどの葛藤がないまぜになった実存主義的な前衛作品の映画化。
1973年と2024年。50年の時間の流れ、戦中派の作者の作品であることを考えると、余計にしんどい。
覗き部屋とかSM倶楽部的な風俗自体がもう古いし。
凡人が理解できるような映画作品では石井監督としてはめっちゃ恥ずかしいよねぇ。
ドナルド・キーンに飛んだ勘違い映画だなどと酷評されたら生きていけない。
などと思うと、なかなかやりにくい題材だなぁと思いました😎
浅野忠信がニセ医者役で、佐藤浩市が本当の軍医。
逆じゃないと思ったけど、正解。
渋川清彦はこういう役似合うよねぇ。
新人の美人さんの起用はグッジョブでした👍
冒頭の永瀬正敏の顔のメイク。
カブキロックスしてましたね。
21時45分から23時55分のレイト・ショー。ビール飲んでから観たけど、寝なかった自分を自分で褒めてアゲタイ。
言わんとすることは解るが
永瀬正敏が好きで観たが、観る者の感性を試させられてる用に感じた。
箱男を通して現代の人間関係、社会のあり方を揶揄してるのだろうけど、難しかった。
おそらく5回くらい観てやっと理解出来るか否かだろう。
ある意味喜劇?
箱を被ったオッサンが、ヒョコヒョコ動いたり、
キレッキレにケンカしたりする様は、とても滑稽で、
ある意味コメディとして楽しもうとしている自分がいました。
だって、やっぱり、良く解んないんだもん!
そういう作品だとは思っていましたが…
安部公房さんの原作は未読だし、
とりあえず、現実社会では、
みんな見えない箱に入ってるよなー、
とは思うけど…。
そーいうこと???
なんとなく厨二病の様だなーとも思ったもので、
だから、もっと若いキャストで観たかったかも…。
でも、永瀬さんで演ることに意味があったんですものね…。
合う合わないは別にして、
流石の貫禄のみなさんなので、
お芝居を観るという部分では満足でした。
佐藤浩市さんは、最近ものすごーく良いです!
ゾワゾワしました。
現代にマッチした安部公房作品の見事さ
ダンボール箱という、力づくで剥がされればひとたまりもないものを被って、匿名性が保証されたと勝手に気を大きくして、小さな窓から覗いた世間を嘲笑う主人公の「わたし」
安部公房の50年前の作品が、現代のスマホ全盛時代のメタファーとして、これほど機能しようとは…という思いだった。
50年前は、多分カメラの普及を念頭においた作品だったのではないかと思われるが、今作では「日記が重要」というセリフ通り、周りをシャットアウトした中から生まれ出た言葉を、勢いのまま書き連ねる「SNS」等のネット状況が、明確に意識されていることは間違いない。
象徴的だったのは、劇中で繰り返される「箱男を意識するものは、箱男になる」という言葉。
自分はこれを聞いて、Xなどで掃いて捨てるほど目にする「執拗に特定の個人に粘着するアカウント」の存在を思った。
冒頭で描かれていた通り、そこに存在していても気に留めなかったり、ないものとして扱ったりというのは、必ずしもその対応の全てを肯定できるものでもないが、社会に生きる態度としては、概ね健全(個人として明らかに闇を抱えていないという意味で)と言えるだろう。
また箱男も、そっと閉じたダンボール箱の世界の中で、小さな窓を通して見たものを、自分の中で処理しているだけなら特に問題は起きない。
だが、箱男の存在が気になり、執拗に攻撃を与えるワッペン乞食のようや存在や、わたし、軍医、偽医者たちのようにスルーできなくなってしまう者たちが現れた途端に、当人たちの間で問題が表面化してくる。
いずれにしろ、そのような者たちの未熟さがこれでもかと描かれているのが、本作ということなのだろう。
そうした、色々と言葉を弄しながらも、結局のところは社会と折り合いが付けられず、欲望的にも幼なさが見え隠れする主人公たちに対し、葉子のなんと軽やかで力強いことか。
男たちより一歩も二歩も抜きん出ている葉子が発する、原作にも出てくる「夏だからじゃない?」というセリフの身も蓋もなさに思わず笑ってしまったが、いよいよ蛹から成虫へと変化するかと思われた箱男が、ヤドカリのように箱を巨大化させただけだったことを察して、静かに立ち去るところもクールだった。
ラストシーンの仕掛けには、ちょっと驚かされたが、最後のセリフはややダメ押し感を感じてしまったので、マイナス0.5。
アート作品のような美術のすばらしさと、光のコントラストや構図の美しさにも惹かれた。
(撮影監督は「PLAN75」や「あんのこと」の浦田さんとのことで納得)
この映画の世界観をもとに、原作をもう一度ゆっくり読み直してみようと思う。
1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫...
1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫してしまった幻の企画が、27年の時を経て実現に至った。27年前の企画でも主演予定だった永瀬正敏が“わたし”を演じ、“わたし”をつけ狙って箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者役で浅野忠信、箱男を完全犯罪に利用しようともくろむ軍医役で佐藤浩市、“わたし”を誘惑する謎の女・葉子役で白本彩奈が共演。
む、ムズい・・・
遠い記憶で─・・・原作を読んで、安部公房という作家に嵌まったわけなんですが、その熱も冷え冷えになってしまっている今、この奇怪で難解な映画を見ても、全くその記憶が思い出されない。こんなにまで観念的だったかどうか─、棚の奥にある文庫を今一度むさぼり返してみます。
映画とは関係ないけれど、最近「百年の孤独」文庫版が話題になっていたガルシア・マルケスを知ったのも安部公房の本からでした。
さて本題の映画の方ですけど、映画館は結構な混みよう、しかもおっさんだらけ、まぁ雰囲気はそれに見合うだけのムラムラ感はありました。昭和チックなところも大いに感じたので、なんかロマンな違う作品を見に来ちゃったような・・・白本彩奈が真面目にいや不純な眼差しでもってしても最高でした。
なんかよく分からないながらも、不思議な絡みやバトルが結構面白かったです。でも、作品のコンセプトなんでしょうけど、映像全般が暗すぎるし色彩が乏しい印象でした。その分、音楽などは派手だった印象でしたが、個人的にはしっくり来なかった感じです。
原作を知る知らないにかかわらず、とにかく難解な映画であることは間違いないので、覚悟して観賞するべきかと─
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街で段ボール箱に入り世界を覗き、妄想をノートに記述する「箱男」の話。
タイトルは知っていたものの内容は知らずに観賞したけれど、あれ?世界を覗いているのは最初だけ?世界を覗くことじゃなく、箱に入っている自分に浸ることが悦になってます?
最初だけしていた隈取もどきもなんだそれ?
もっと哲学的な話しなのかと思っていたけれど、女に浮かれ金に浮かれ、ただの煩悩まみれ…からの能書きで、ただのシュールなコントじゃない?しかも安〜いラストのセリフ。
現代劇ならネットや隠しカメラで覗いていたほうがよっぽど理解出来るし、かと言って原作当時を題材にしたら風刺にならないし難しいのはわかるけれど。
振り切っていて何度か苦笑はしたけれど、いずれにしてもこの境地は全然理解できないし、面白さもまるでわからなかった。
理解出来ない事を楽しむ作品
永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩市という
超有名俳優を起用し
シネコンでは上映出来ない難解かつ変態な作品。
監督は「狂い咲きサンダーロード」で狂い咲いて
独特の世界観が評価されたがマニアック過ぎて
一般人には届きにくい石井岳龍監督。
「パンク侍、斬られて候」で東映が頭抱えちゃったけど
私含め映画バカには大絶賛(^_^;)
そんな愛すべき監督の新作。
えっとー、
何人の人が理解出来ただろう??
私は八割くらい?でも嫌じゃないんですよ。
理解出来ない事を楽しむ作品なんです。
だってこのサイケデリック&アヴァンギャルドな世界に
没入してた120分は本当に心地よい。
わからない箇所ありつつ
映画としてたのしかったのは
やはり、役者陣のバカ演技っぷりだろう。
特に浅野忠信さんの狂気ぶりは楽しかったー!
マニアにしかお勧め出来んが
楽しい変態ナイトを過ごしました。
あ、箱男の動きを観た時に
仮面ライダーエグゼイドのレベル1を思い出したのは
私だけではないはず(^_^;)
◇箱男を意識するものは箱男になる
安部公房 (1924- 1993) 生誕100年の記念すべき年であるようです。日本を代表する作家の一人、読書する嗜みとして私もいくつか読んだことがあります。超現実主義的(シュール)な作品の設定、実験的な構成、都市生活者の孤独を内省的に語る手法、個人を突き詰めた外側にある人間社会への問題提起。
とにかく、一読して素直に「面白かったー」「楽しかったー」「悲しかったー」と感情に訴えかけてくる作風ではなく、そもそも「人間存在とは何か」「小説って何か」などと再考してしまうような問題提起型の作風です。
そんな思念的な安部公房の世界観を映像化して表現する困難は予め想定されるものです。きっと、根暗で一人よがりでオタクでアングラな映像になるだろうなぁ、と思いながら鑑賞しました。
日本を代表するクセが強めの男優陣と先鋭的な監督が、良い意味で想像を裏切る形の作品に仕上げてきました。暗くなりがちな世界観にコミカルな風味やちょいエロを挟み込んで凌いでいきます。役者同士の掛け合いにもアドリブ的なドタバタ要素が垣間見えて、ベテラン俳優が敢えて素人っぽく演じているようなおかしさも感じました。
安部公房の時代に描かれた都市生活者の孤独と他者との関係、といったテーマが、現在のネット社会では、さらに個人の存在感も人間関係も希薄になって、それぞれが他人事のような感覚で生きているのかもしれません。多層現実が同時進行するネット社会の中で、段ボール箱を身に纏った泥臭い虚構世界に、自分の身体性や生暖かい人間の姿を思い出すひと時を過ごしました。
苦手と思ったけど
118本目。
原作、読んだことない。
あの年代の、あの人達で、あんな映画を撮ったのかなあ位に思ってる訳で。
どんな展開、俺苦手っぽいのが続いていくし、彼女は明らかにそれの為とは思ってしまう。
でも、明らかなそれが、そっちとは思わなかった辺りから、面白くなってきたし、そういう掘り下げするんだなと。
でも正直、分かったのか、分からんのかと言った所だけど、面白いかったらいいじゃないかと。
その辺の解説はプロに任せときゃいい。
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