箱男のレビュー・感想・評価
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私は好きですが、レビューはちょっと逃げ腰です。
サービスデイのTOHOシネマズシャンテ、不安定な天気ですが平日午前中のわりには客入りも多めです。ただ、詳しくは見ていませんが評価は割れているようですね。解る気はしますが、私は結構楽しめました。ちなみに私、石井監督の作品は『逆噴射家族』『蜜のあわれ』しか観られていなかったので、直前に『高校大パニック』他、観られるもの6作品を配信で観てからの鑑賞です。なお、安部公房作品は未読。原作映画も本作が初めてになります。
さて、いきなり関係ないところから入りますが、私、映画『インターステラー』に登場するロボット「TARS(ターズ)」と「CASE(ケイス)」が大好きなのですが、本作のトレーラーで「箱男」観たときの印象はまず「可愛いw」。フォルムがこれ以上なく武骨で、ただ動いているだけでも微笑ましいのに、案外機敏で果敢に格闘する様子で本編で観るのを楽しみにしておりました。そして、本日実際観て気づいたのは、走ったり戦ったりしている最中の「オジサンの息遣い」や「悪態つく」様子。(私好みの)見た目とのギャップで更に萌えますw
本作、何といっても豪華な俳優たちが皆さん素晴らしい。メインキャストの男性3名は端的に言って三人三様に狂っています。ただ、それは究極までいった最終形だからこそ特殊に見えますが、本を正せば(主に男性の)誰しもが内包する狂気とも感じ、話が進むにつれてそれぞれのキャラクターに一層の興味が湧きます。原作も是非読んでみたい。
まずは“わたし”(永瀬)。自分なりの理論をあたかも哲学のようにして捏ねくり回して拗らせるキャラであり、その存在感はまさに「ミスター箱男」。物語を難解にする根源でありつつも、常にバランスを取ろうとするところなどは案外一番「まとも」かもしれません。そしてまた、疑問や迷いを「書く」ことで昇華させるところなどは作家的で、原作者・安部公房に通じるものがあるのかもと思えます。更に、役名が“わたし”である意味についても観終わって感慨深く感じます。永瀬さんの一見ミステリアスと思わせ、実はピュアな感じが“わたし”というキャラクターに違和感どころか共感?と思わせてくれる説得力を感じます。
次に“軍医”(佐藤)。シーンはけして多くないのに、常に印象に残って気にならざるを得ないキャラクター。勿論、登場からすでに怪しいのですが、観ていて判る「小出しに狂っている感じを出す」ことでより一層ヤバい奴に見えて、言わずもがな流石の浩市さん。歳を取られて癖のある役が増えてきましたが、連太郎さんにも引けを取らず欠かせない役者さんです。素晴らしい。
そして“ニセ医者”(浅野)、私が一番お気に入りのキャラクター。特に中盤はほぼ独壇場で、ずっと笑わせてくれます。「似非」にも拘らず本人は至って真面目且つゆるぎない正義感で、箱男に立ち向い物語を展開させます。浅野さんは北野監督の『首』でも黒田官兵衛を可笑しく演じていたのが記憶に新しいですが、ハリウッドでも活躍する知名度で、海外でも評価される邦画の普及に欠かせない役者さん。本作も是非、ベルリンだけでなく他の映画祭や映画賞でもフックアップされてほしい。
さらに、この3名の男に絡んでキーとなる役“葉子(aka葉ちゃんw)”(白本)が秀逸。私、白本彩奈さんを本作で初めて存じ上げたのですが、何といっても表情が良いですね。低温な雰囲気で男を翻弄しつつ、情けなかったり奇怪だったりする彼らを、憐れんでも決して蔑まない。まさに「親父殺しの鏡」として大きく機能しています。早速、映画.comでCheck-inし、今後の活躍に期待したいと思います。
と言うことで、作品の内容について触れず役者評価に終始しました。荒れ気味の評価もあって正直ちょっと逃げてますが、作品に好き嫌いは避けられないことですし、特に本作は結構特殊な映画です。その点を踏まえ、鑑賞するかは自己責任でどうぞ。とは言え、やはり観るなら映画館ですかね。全般、暗いシーンが多いためTVでは所々見にくいのではないかと思います。参考まで。
難解な原作ゆえに推薦はしません
この監督でしかも永瀬正敏さんの主人公で1997年の安部公房の生前の製作推挙も貰って、製作出来なかった作品を時を越えてって何よ!
しかも浅野忠信と佐藤浩市まで出演だって、今現在最高の男優3人!
原作は当時難解ですから話は知っていても読破は出来なかった作品。原作に結構沿った内容になってそうです。
観ていても眠そうになってしまうほどでも途中効果音で奇抜な音を作り出して前半は持ち応える。
後半は謎の女葉子の白本彩奈さんの美しさで目が冴える。
話は難解です。無理して観なくても楽しい映画を観ていて良いですね。
ずっと何言ってるのかわからない
デキの悪い戦隊ものを見たような…
たぶん、そうだろう。期待値はハナから低かった。見終わって、「やっぱり」の感である。
安部公房の小説は、代表作であり、世界文学と目される「砂の女」をはじめ何冊か読んでいる。40年以上前、高校~大学生のころだ。
本作の原作も…たぶん読んだはず。だが、内容は覚えていない。
したがって、この映画が原作小説とどこが同じでどこが違うのか、まったくわからない。
僕の中では、「箱男」がおり、…それが徘徊する、街の中を―というイメージだけだ。
それについて、理解する必要はなく、箱男を除いた世間の人間は、無視しておけばよい話なのだ。
この映画も、わざわざ見に行くほどのものではない。無視しておけ。
箱男VS箱男のバトルが何シーンかある。
それが、本レビューのタイトルに書いたとおりなのである。
「スーパー戦隊シリーズ」の東映のスタッフが入っているのか?
原作そのものが、物語的なものを拒否している(らしい)のだし、映画もそうであったほうがよかったんじゃないか。
箱男である段ボール箱にも工夫がない。
どれも一緒じゃないか。
多様性の時代だ。男が女が、老人が子供が、LGBTが一律に同じ形、大きさの段ボール「箱」に入っていなくてよいのだ。
「箱」をすべて同じ外見(最終盤に出てくる)にした段階で、この監督の限界がはっきりしているのだ。
東京都心のミニシアター風シネコンで日曜午後に鑑賞。7-8割の入りだったろうか。観客の空気からは共感も感動もなかった印象。
安部公房の作品を映画に…
意外にかわいい箱男
白本彩奈さんが綺麗です
なんとなく言いたいことはわかるけど…長い(笑)
お前がそう思うんならそうなんだろう
お前ん中ではな
人と話してて、まるで自分の意見のように話してるけど、よくよく聞くとテレビの受け売りだったり。
自分の意志で生きてるつもりでも、実は誰かの思惑で生かされているのかもしれない。
そういう社会風刺なのかな…と。
まあどう取るかは人それぞれ…という感じ。
とにかく白本彩奈さんの裸体の美しさ…。
見てなかったアマゾンズをみてみようと思います。
誰かがそう書いてるだけかも
あの箱が象徴しているものは、価値観とか偏見とか物差とかパラダイムとか色々に解釈できると思うが、他評者数人がご指摘のようにSNS上の匿名性に安住して垂れ流される独善性,という見方が現代社会にハマるだろう。そういう意味では一旦頓挫して今まで寝かせていたのは「正解」かも。
後半,ノートの記述と現実との区別が曖昧になるあたり,物語の記述法が「誰それがこう言った」みたいな客観的・俯瞰的な観察者目線なのか,登場人物の「わたし」目線なのか,という小説作法談義っぽくなるところが個人的には面白かった。
落ち着きのない浅野忠信はなかなか新鮮だったし,白本彩奈の劇エロまではいかない寸止め感も品があってよかった。
残念ながら万人にお薦めはし難いが訳のわからなさに翻弄されてみるのも一興。
DRUG
強烈なビジュアルに惹かれての鑑賞。原作は未読です。
心の声がメインになるタイプの作品であまり好みではないなとは思いましたが、それ以上に難解さが極まったような作品でこんがらがりながらなんとか観きりました。
変態プレイのシーン、文字で読む分には色々と想像できるのかなと思いましたが、いざ映像化されるとそういう映像にしか見えず、白本さんは特に体を張っていたなという印象だけで終わってしまい、物語の本質が見出せずにもったいないなとは思ってしまいました。
今作の意外な収穫はアクションシーンの良さでした。
箱男がしっかり箱男のままスピーディーでダイナミックなアクションを繰り広げれてくれますし、渋川の兄貴が狂ったように石を飛ばしてくるのも込みで序盤から方向性は思ってたのと違うけどこれは良いぞ!とテンションが上がっていきました。
中盤まではなんとか見れていたんですが、パラレルワールドに突入したのか、原作の難しさが限界突破したのか、セリフやモノローグの物量が半端じゃない事になって頭が追いついていかずで大変でした。
もっと文学の勉強をしとけば…とこういう時思うんですが時すでに遅し…。
ラストシーンでは観客に問いかけるシーンになるんですが、まぁなんとなくこうだろうなと予想が立てれてしまい、全く同じセリフが浮かんでそのままのセリフが吐かれたのでおぅ…ってなりました。
メタ的視点は好きですが、オチがそれかーとはなりました。
原作に興味は持てたので読んでみようとは思いました。
鑑賞日 8/24
鑑賞時間 10:40〜12:55
座席 C-2
20年後に蠍座で回顧してみろ!
安部公房原作。かつての『日劇文化』の跡のシャンテシネマ劇場なので、まあ間違ってはないだろうが、70年代以降のATG作品のような雰囲気。蔵原惟繕や松本俊夫や吉田喜重の難解トリオみたいに、作家性が強すぎて、観客おいてけ堀の『芸術的なのをありがたがれ』というレトロ感。そんな前時代のデジャヴと目眩を覚える作品だった。早い話が、独りよがりでワケのわからないモノ。かつては、安部公房は勅使河原宏の監督作品というイメージだったが、当時から前衛を拗らせていた印象。まったくもって、頭上に?マークを光らせて新宿文化劇場を退出した無数の観客たちの連帯、あの頃へフラッシュバック。何年か前にルイ・マルの「死刑台のエレベーター」を日本でリメイクして、ヤラカシちまったどん底駄作があったが、同じようなイメージだな。
箱の中はパラダイス?
安部公房の原作小説の映画化作品でした。難解な作品と言う噂でしたが、その噂通り「うーん」と唸ってしまうお話でした💦だって箱の中から世の中を眺める”箱男”がいて、彼がそれを止められないだけでなく、他にもその”箱男”の地位を狙っている奴がいるというんだから、まあ一筋縄では理解できません。
でも自分が箱の中から世の中を眺めたらどうだろうと想像してみると、それはそれで面白いかも知れないと感じたところ。面倒な仕事だの義理だの責任だのから解放され、かと言って生物的な死を受け入れる勇気もないし、人里離れた場所で仙人のように暮らす胆力もない。そうなると隔離されつつも、1枚段ボールの向こう側には人がいる”箱男”的暮らしも、概念的には有りかなと思ったところでした。
また、文字通り単館系作品でありながら、主演の永瀬正敏をはじめ、浅野忠信や佐藤浩市と言った有名どころが出演しており、彼らの怪しげな上にも怪しげな役柄を演じた演技も中々良かった。さらには謎の女・葉子を演じた白本彩奈の妖艶ぶりも絶品でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
石井そうご( 漢字が出ない) 改名したんだ?
27年前にクランクイン直前に企画が飛んでからの、今更ながらの復活を遂げて見事公開にこぎつけた本作。今年が安倍工房生誕100周年という事でいいタイミングだったんでしょう。
安倍工房は読んだ事はないが、ポスターの箱男のビジュアルが、ぼっちちゃんの完熟マンゴーみたいで気になり鑑賞。
永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩一と無駄に豪華なキャストなのにあんまり宣伝されてないよね?
まぁ、路上で段ボールを被って覗き穴から、女性のふくらはぎをガン見して、ふくらはぎの絵を写生している変態の映画ですとは宣伝できないわな?
段ボールにこだわりのある永瀬正敏と浅野忠信は段ボールを被ったまま階段で決闘したり、段ボールを被ったまま全力疾走したりと無駄に体力使いすぎw
これに看護婦のヒロイン白本彩奈が絡んでくるのだが、脱ぎっぷりのいい事ったらありゃしない。
今どき風俗でしかお目にかかれない昔のセクシーなナース服を着てくれるし、浣腸までしてくれるぞ?お好きな人には堪らないですな( おい)
映画comでは白本さんの写真が出てこないけど、例えるなら
「壇蜜からシリコンバックと下ネタを抜いた」
ような、小股の切れ上がった妙にそそる美人さんです。「カメラを止めるな」 にも出演しているとの事。
段ボールを被ったまま、いきなり禅問答が始まったりして、ついていける人がいるのか心配になります。
俺が見た回は計6人ってとこでした。大丈夫かぁ?
見どころは段ボールを被ったままのスタントシーンです。
こんな馬鹿馬鹿しい設定の映画を心の底から楽しめる層ってどれくらい居るのか分からないね?
友達と話していて
「 浅野忠信と永瀬正敏が段ボールを頭から被ってガチで喧嘩するのー!面白ったー!」
と言われても、友達も困るわなぁ。俺はとても面白いと思ったけど。
実写版プーさんに満点つけている人の言う事ってマイノリティだけどな。
話しのネタにはならないけど、シネフィルだったら通ぶれるのでお勧め。これも狂い咲きサンダーロードみたいにカルト映画になるネ!
覗くことと覗かれること
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