「展開を焦りすぎて、勿体ない」ビーキーパー rexさんの映画レビュー(感想・評価)
展開を焦りすぎて、勿体ない
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導入がサラッとしていて、主役の背景を深掘りするでもなく、展開が早い。むしろ早すぎる。アクションシーンに行きたがりすぎて、ト書きをなぞるだけのような演出。
そして詐欺グループの小物感に、「B級感たっぷりで失敗作か?」とおもっていたら、尻上がりにまあまあ面白くなっていった。
特に何もしないけど、ジェレミー・アイアンズの存在感がいい。大統領役の役者もいい。
成敗する相手がお決まりの権力者そのものではなく、権力者の庇護のもとにいる、手出ししにくい相手というのも一捻りある。
罪を犯す意識の低い、ゲーム感覚で老人をだます若者たち。汗をかいて働いたことのない、何もかも軽い人生を送るその姿が逆にリアル。
CIA、FBI、秘密組織ビーキーパー。法の守護者たちが入り乱れる展開のなか、誰を守り何が正義なのかを問う、痛快な映画だった。
惜しむらくは、割とシリアスに渋い雰囲気で進んでいくのに、敵キャラが悪目立ち。
『スーサイド・スクワット』の監督だから、その辺り制作していく段階でぶれている感じがした。本当はもっとアメコミ風にしたかったのかな?
色々な個所が、編集でバンバンカットされたようにも見える。
この映画、ビーキーパーのオペレーターやセリフ少なめの引退した凄腕ヒットマンなど、ところどころ『ジョン・ウィック』の設定に似ていなくもない。ただ、ジョン・ウィックは個人的な復讐劇なのに対し、世をただす役割という点では、どちらかというと主役は『イコライザー』に近く、それらの後継になるかどうか。
今後の続編に期待したい。
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