アリランラプソディ

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アリランラプソディ

解説

神奈川県川崎市に生きる在日1世のハルモニ(韓国語でおばあさんの意)たちの姿を記録したドキュメンタリー。

戦争に翻弄され、生きる場所を求めて何度も海を渡り、ようやくたどり着いた川崎でささやかに暮らすハルモニたち。故郷・朝鮮半島への思いも貧困と差別の記憶も心の底に封印してきたが、老いてようやく文字を学び、歴史を知り、静かに力強く生きている。

「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」などのドキュメンタリー作品で国内外から高く評価される在日2世の金聖雄監督が、2004年の監督デビュー作「花はんめ」の未公開シーンや戦中戦後の資料映像などを織り交ぜながら、想像を絶するほどの苦労をチャーミングな笑顔で語るハルモニたちの姿を映し出す。

2023年製作/125分/日本
配給:Kimoon Film
劇場公開日:2024年2月17日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
陣内直行
撮影
池田俊已
渡辺勝重
菊池純一
世良隆浩
石倉隆二
田辺司
録音
吉田茂一
現場録音
池田泰明
渡辺丈彦
編集
金聖雄
康宇政
音楽
横内丙午
語り
金聖雄
制作
庄野嘉純
スチール
村田次郎
大八木宏武
ドローン
橋本吉剛
製作デスク
若宮まさこ
ポスター撮影
達川清
プリントメディアデザイン
加藤さよ子
プリントメディア
松井一恵
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フォトギャラリー

映画レビュー

沢山涙を流した人ほどよく笑う

2025年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 在日コリアンが日本で一番多い大阪で僕は生まれ育ったので、コリアンの人々と触れ合う機会は少なからずあり、我が家ではキムチが毎晩の食卓に上っていました。しかし、神奈川県川崎市にも多くの在日コリアンの人々が暮らしているという事を知ったのはほんの数年前のことです。本作は、朝鮮半島から日本に渡って来て川崎で暮らす1世の特にハルモニ(おばちゃん)達の来歴と日常を描いたドキュメンタリーです。「勝手に日本に来たんだから、気に入らなければ日本から出て行け」などという言辞が現在でも平気で行き交うこの国でハルモニたちが如何に苦しめられそれに耐えて来たのかが明るさを失わずに語られます。

 こんな安易な常套句で語るべきではないのでしょうが、「沢山涙を流した人ほどよく笑う」との言葉を思い出したほどハルモニたちの笑顔とエネルギーが溢れ出ています。おばあちゃんになってもよく喋る、よく笑う。みんなで数十年ぶりの水着を買いに行くシーンは、もはやカオスな世界で抱腹絶倒なのに胸が熱くなってしまいました。

 会場には、歳を取ってからあらためて字を習い始めたハルモニらのメッセージも掲示されていました。そうか、字も書けないままこの日本で生きて来たんだという事実に驚くと共に、今からでも勉強したいという思いに深く感じ入りました。

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La Strada

4.0ひたすら尊い

2024年2月29日
PCから投稿

在日1世のハルモニたちを映したドキュメンタリー。ハルモニたちはみんな個性が強くて魅力的だが、彼女たちが〝いい話〟を語るわけではないし、〝ドラマ〟が起きるわけでもない。映画はハルモニたちが沖縄のオバーと交流し、識字学級で字を学び、安保法制反対のデモに出掛ける姿を丹念に映していく。

自分とあまりに境遇や経験が違うので容易に感情移入もできない。しかし、ふとした瞬間に感情が揺さぶられ、今、自分は本当に尊い人間の姿を見ているという思いが胸を衝く。経験の違い、性別の違い、世代の違い、民族の違い、そうした違いを乗り越えて胸に迫る瞬間がある。

植民地時代の日本人の非道な行いが話題になり、ハルモニが怒りを爆発させる場面もあった。そうした場面は日本人として身の縮む思いだったが、映画全体としては、それ以上に感謝の念が湧いてきた。なぜ「感謝」なのかはわからなかった。

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taro