ビニールハウスのレビュー・感想・評価
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救いようのない不幸。良作
いやー、、まぁ内容が暗いの救いようがないの。
前半は主人公の良い人さが存分に表現されてるだけに、中盤以降の畳み掛ける不幸に圧倒されますね。設定に無理がある分、もはや笑えるレベルに感じる人もいるのでは苦笑。
シリアスさ、際立つ緊張感は良作の一本。レビューが思いの外高くないのは、内容が暗すぎるからだと思います。
不幸を観てみたい人にはオススメ!の一本です。
笑いで昇華しない
物語のけん引力は今年屈指。しかし介護や認知症などの描写については一考を要する一作
セリーヌ・ソン監督は長編映画初監督作品である『パスト ライブス』でいきなりアカデミー賞作品賞、脚本賞の有力候補に名を連ね、イ・ソルヒ監督も本作が初の監督、脚本作品です。今年は才気煥発な若手監督のための年なのかも。
ソルヒ監督の語り口は鋭利かつ周到で、冒頭からあっという間にムンジョン(キム・ソヒョン)と彼女の周辺で起きる状況に目を奪われ、そのまま結末になだれ込みます。体感で一時間ほどに感じたあたりで、もう一波乱起きるのかな、と思ったらそのままエンドクレジット。幕切れの切れ味も鋭く、ちょっと唖然としたほどでした。ソルヒ監督は間違いなく、卓越したストーリーテラーですね。
本作では、『パラサイト』(2019)にも通じる、社会格差と貧困、介護の問題など、現代の韓国における深刻な社会問題を取り入れています。その一方、見方によっては、こうした直視すべき現実を、物語を盛り上げるための要素として「道具化」しているようにも見えます。あまりにも語り方が巧みであるが故に、技巧的な側面が際立ってしまっているとも言えます。監督のインタビューでの発言を読むと、監督にそのような意図はないことは明らかなのですが、このあたり、作品が省略した要素を行間を読み取っていきたいところ。
『パラサイト』は、たとえそれが幻想であったとしても一縷の希望をつなぐような結末でしたが、本作に関しては正直言って救いを見出すことが非常に困難です…。すごい作品を観た、という感触は得ても、そこに爽快感や楽しさは伴わないかもしれない、という点については鑑賞前に留意しておいた方がいいかも。
救いがない・・・
認知症患者が2名登場しますが、結果的に2人とも悲惨な最後を迎えて、関わった介助者も不幸になりましたね。
認知症や重度の要介護者を題材にした映画はなるべく見るようにしていますが、ハッピーエンドで終わる映画はほぼないですね。
「最強の2人」のようなお金持ちの介護をして財産を譲り受ける話や、少年の障害者が徐々に心を開いていくお話はありますが、一般的なお年寄りの認知症患者と関わって、幸せになる話は作り話でも見たことがない。
日本も徐々に「プラン75」のような世界になって行かざるを得ないのかも・・・と不安に思いますね。
少なくともこの映画のような結末だと「プラン75」のように安楽死させる世界の方がマシに思えます。
社会問題を通して人の幸せを問うた作品
ビニールハウスの存在
主人公はなぜ自傷行為をしてしまうのか、息子はなんで少年院にいてるのか、とか旦那さんの最後などなど、想像におまかせストーリーでした。つまらないことはないのですが。
いっそお金目当ての事件を軸にしたほうがスッキリしてたかも。貧困や介護の絡ませかたもなんだか無理矢理感を感じてしまった。あとおじさん=先生?がよくわからず。
優しい旦那さんの最期が辛かったのと主人公はなんだかんだ働き者だったので星3つです。
ブラックホール
脇甘すぎるサスペンス風
映画の宣伝コピー、「半地下はまだマシ」?
いえいえ、比べちゃだめですね。
本作の脇の甘さと予定調和なサスペンス風に
びっくりでした。
なにもかも・・・
「そうなるようにお前がしてるんじゃん!」
って突っ込みたくて突っ込みたくて
仕方がなくなりました。
書いたらネタバレになっちゃうので
何も書けませんが、最善を尽くしたはずが
最悪に・・・とか、歯車がなぜかくるって
かみ合わなくてこの結果に・・・だったら
切ない気持ちにもなりますが、すべてに
おいて中途半端な主人公に歯がゆさだけが
残り続け、やることなすことの脇の甘さと
ストーリーの「嘘だろ?」感が、私の心を
このサスペンスもどき作品から離して
いくのです・・・。
ラスト、その終わらせ方がかっこいいと
おもってんのかねぇ?
無理やりの結末じゃん!
てか、何日経過してるんだよー。
裏目
たしかに半地下のほうがマシかも
ビニールハウスが出てくる韓国映画(しかもそれが燃える)というとバーニングを連想してしまうが、こっちは自傷癖、認知症、盲目、知的障害、非行少年…とネガティブ材料をいろいろ集めて展開していくサスペンスで、劇伴ほぼなしの緊迫感に満ちた100分間はかなり楽しめた。
しんどい要素を詰め込んだ酷い話なのだが、それらのネタの使い方がうまくて伏線回収も丁寧。小倉智昭似の盲目の旦那に悪事がバレそうになるところでは、張り詰めた場面にも関わらず(逆にそれゆえに)爆笑したくなるシーンにもなっていたりで、ホントに気が抜けない(笑)。
主人公役のキム・ソヒョンは序盤の不幸で枯れた感じから、話が進むにつれて美人になっていくように見えたけど、気のせいだろうか(まあ元から美熟女なんで…)。
清々しささえ感じるBAD ENDING
半地下のがマシってことはないと思うけど…
生き延びるためのサスペンス: 負の連鎖のジェットコースター
負の連鎖がじわじわ広がって物語が展開するサスペンス、ビニールハウスの世界へようこそ。
ここでは、貧困や孤独、介護といった、現代の韓国社会が直面する切実な問題に焦点を当てています。
主人公ムンジョンのようにビニールハウスで生活を余儀なくされる人々の物語を通じて、社会問題に深く切り込みつつ映画というエンターテイメントに落とし込まれた物語をおっていく。
盲目の老人テガンと、重い認知症を患う彼の妻ファオクの介護士として働く彼女の姿は、重苦しい現実を突きつけます。
この映画は、負の連鎖がどのようにして広がっていくのか、その過程をじわじわと描き出しています。社会派映画好きからホラー映画愛好者まで、誰もがこのサスペンスに夢中になるでしょう。終始、息をのむ展開に「あー!」と叫びながらも、目を離せません。
映画の終わりに向けて連なる出来事が次々と引き金を引き、それは止まることはなく
駆け巡ります。映画を観終わってしばらく頭から離れないかも
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