Valimo
2007年製作/4分/フィンランド
スタッフ・キャスト
- 監督
- アキ・カウリスマキ
2007年製作/4分/フィンランド
■鋳物工場(Valimo)で働く労働者たちが過ごす昼休み。
皆、サンドイッチなどを食べながら、シネマトグラフの発明者であるリュミエール兄弟の世界初の実写商業映画『工場の出口』を鑑賞している。
◆感想
・超短編映画ながら、アキ・カウリスマキ監督のセンスが冴えわたる作品である。
労働者たちが、笑いもせずにジッと『工場の出口』を観ている表情が、絶妙に可笑しいのである。
”あー、早くキツイ仕事を終えて、家に帰って映画見てえ。”という声が聞こえて来そうな作品である。
<今作は、フィンランドの重労働者の視点で”映画を観たい”という思いを伝える恐るべきテクニックに敬服する作品である。>
鋳物工場で働く労働者たちがお昼(朝ごはん?晩御飯?時計は六時を指してる)の時間になったので昼飯のサンドイッチのようなもの食べながら、活動写真(マルクスブラザーズのポスターがあり、キノというう映画館に入る。愉快だね)を見るというショートフィルム。
私にとって理解できないのはこの時代背景。労働者が昼休みに見ている活動写真にクルーがあると思って調べてみた。フランスのLumière brothersの最初の活動写真、Workers Leaving the Lumière Factory(1895) というのを見ているらしい。ルミアー兄弟という活動映画の父と言われている兄弟の映画であると書いてあった。しかし、これが時代背景になるかどうかわからない。それに、なぜ、この活動映画をカリスマキが使ったのかもわからない。ルミアー兄弟の制作した仕事が終わり工場を出ていく労働者の男女は活気に満ち溢れていて幸せそうだ。でも、カリスマキの作ったショートフィルムには明るさの微塵も見かけられない。鋳物工場でのマンネリ化した労働に幸せの微塵もない労働者を啓蒙したく、ルミアー時代の活気に満ちた動きを見せてるのか。それとも、労働改革を提議しているのかわからない。カリスマキが撮影したフィンランドの社会背景も知らなくては深さがなく、ありきたりのレビューに終わってしまうか,孫引き(引用から引用)の 著作権侵害をしたレビューになってしまう。