「年数本ある「観なければよかった作品」」ザ・タワー ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
年数本ある「観なければよかった作品」
いきなり外界と閉ざされたところから始まるのは潔い。
普通なら、日常描写と人物紹介があって、ちょっとしたユーモラスだったりほっこりしたりいい話的なエピソードがサクサクあって、観客にちょこっと感情移入させておいて、何ならこの先外と連絡取れないことに対する伏線があって、もしかしたら予兆とかあって、そして、ある時、「可笑しいぞ?」となる。
もしくは、そういう回想シーンや、最近はやりの時制を行ったり来たりして描く。
そして、住民が協力し合いながら時にちょっと衝突したりしながら、生き抜きながら、謎に立ち向かう、となるが、それではありきたりと思ったか?
住民たちは、文字通り階層で人種分けされてグループ化。
組織間の分断・対立が生まれ、スラム街と化すタワマン。
いらん事故による弟の死とか、人形に針刺して呪うとか、まさにカオス。
状況悪化の大喜利状態になる。
これが見せたかった、作りたかったポイントだろうとは思うが、観ていて面白くはない。
矢継ぎ早で脈略も無いから、話に乗れない。
薄暗い室内で画面も単調だから、眠くなる。
ていうか、その前に、水道が立たれているから水が足らないだろ。
食料も、少ない動物(や人間)を交配させたって足らないだろ。
7年間も!!!
でも、ときどき停電する以外は電気が来ている?謎設定。
7年も!水は?水は?水は?
食料が、動物や人としても、7年持つわけがない。
年数本ある「観なければよかった作品」。
他に「観なくても良かった作品」もありますが。
何で観なくてはいけないのだろうとか。
こういうの(後味悪くても、ただ怖ければいい)が好きな人はおすすめですが、自分のような、お金払って時間使って気分は良くなくて、何のために観たのだろうと疑問を抱くことがたまにある人にはお勧めしません。
別に無理して観る必要もないし。
最後に、さらに、普通なら・・・予定調和と言われても・・・
ラスト間際まで超カオスになり、思いっきり嫌な奴が悪のリーダーになって勝ち誇っていたあと、突然朝が来て日常に戻る。
異常だった日々が突然終わり、善意を捨てなかった主人公グループが解放され報われる、という展開が良かった。