「フランス人はやっぱりイヌが好き」ザ・タワー ばとーさんの映画レビュー(感想・評価)
フランス人はやっぱりイヌが好き
突如、アパート全体が「虚無」の暗黒に覆われて外部へのアクセスができなくなった住民たちのシチュエーションスリラー。小松左京の「首都喪失」の首都側のおはなしみたいなものか。SFでたまに見る設定。
生き残りのため住民一同協力するかと思いきや、フロアごと、人種毎のセクトに分かれて対立抗争状態になる。死体はすべて虚無が呑み込んでくれるしね。
舞台はアパート内だけだし、こんな胸糞状況延々見せられるんでまあ暗い暗い。
アパート丸々1棟のエゴむき出しサバイバルものとしては本年1月公開の韓国映画「コンクリート・ユートピア」のほうが秀悦かな。
携帯もTVも圏外となるが、なぜか電気と水は供給され続けている。どう考えてもアパート内食料リソースだけでそう長く生き延びられるとは思えんが、住民たち、なぜか5年も生存しつづける。(押井守のビューティフル・ドリーマーですか?)
エンディングはヨーロッパ映画らしい投げっぱなしジャーマンな素っ気ない終わり方だがこれはこれでよし。
フランス人はイヌ好きで有名だけど、極限状況だと別の意味のイヌ好きになってた。イヌ・ネコ好きのかたは観ないほうがいいよ。
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