「ドラマ性を廃して、メンタルヘルスの闇を淡々と綴った作品」レクイエム sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ性を廃して、メンタルヘルスの闇を淡々と綴った作品
科学(医療)にも宗教にも限界があり、家族や恋人・友人さえも救うことができない。よるべなき不安の増幅に、ずっと居心地の悪さを感じた。ただ悪魔祓いは出てくるがホラーではない。
実話に基づいた内容でもあってか、ドラマチックな掘り下げを極力廃していて、観る側は感情移入のしどころが見出しにくい。
暗い画質に70年代のドイツの田舎町の閉塞的な雰囲気はよく出ていた。
そしてサンドラ・ヒュラーが若い!(28歳の映画デビュー作)。彼女の圧倒的な存在感と入魂の演技から目が離せない。
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talismanさんのコメント
2025年10月5日
ザンドラは観客に媚びないというか観客を誘惑しない。その代わり観客に考える自由を与えてくれる。別の言葉で言えば、だから感情移入のしどころが見いだしにくいのかな、と思います

