「海に落ちたシェイクスピア」恋するプリテンダー かなり悪いオヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
海に落ちたシェイクスピア
ハリウッドにとうとう下ネタコメディが帰ってきた。2000年前後に沢山作られたロマコメは結構際どい下ネタ満載で、それはそれはお下劣で江頭2:50がかわいく見えるほど。それがどうだろう、オバマ“リベラル”大統領の登場によりこの手の映画はすっかり姿を消し、代わりにその座についたのは“LGBTQ”という今まで誰も見向きもしなかったキワモノジャンル。あのデップーとてその波には逆らえず、ノンケなのかゲイなのか、はたまた両刀使い?なのか、ハッキリしないキャラにすっかり落ち着いてしまったのである。
映画冒頭、自慢の巨乳をブルンブルン揺らしながら、主人公のシドニー・スウィーニーちゃんが「オシッコしたいからトイレを貸して」とカフェの店員に尋ねると「あの列に並んで何か買わないとダメ」とのつれない返事。すでに列に並んでいたグレン・パウエルが気転をきかせてスウィーニーちゃんにトイレの鍵を渡してやると、なんとピチピチジーンズのお股を🚰の水でおもいっきり濡らしてしまうのだ。困ったスウィーニーちゃんは....
最高の?出会いを経験した翌朝最悪の別れを経験した2人は、なんとレズビアンカップルの同じ結婚式へお呼ばれされ、同じ✈️に乗ってはるばるシドニーへ。機内でのアイ・マスクプレー?はまさにお約束といってもよく、あんなプリケツに馬乗りされて目を覚まさない方がどうかしているのだ。2人の諍いが大事な結婚式をぶち壊しかねないと心配した周囲は、スウィーニーちゃん演じるビーとグレン・パウエル演じるベンを(シェイクスピアよろしく)くっつけようと画策するのだが...
ビーとベンが周囲を安心させるためにとった疑似まさぐり合いプレーは、本作のクライマックスといってもよく、こんなお下劣なシーンを撮るためにわざわざグレン・パウエルがムキムキのボディに仕上げたのかと思うと、悲しくて涙が出てくるのである。が、久々の下ネタ連発に酔いしれることができるのも映画前半までで、2人の関係がマジになってくるに従って、映画のボルテージは下降線⤵️をたどっていく。折角入学したボストン大ロースクールを中退し人生に迷いまくっていたビーが虚ろな目でこんな台詞を発するのだ。「何が本当なのがわからない」と。
ベンのことを本気で好きになったのか、それともそのふりをしているだけなのか。このビー、ベンに出会う以前からどうも人間不信のメンヘラ気味で、一人になりたくなる時間が時々ほしくなるらしいのである。映画『タイタニック』で望まない結婚相手を押し付けられたケイト・ウィンスレッドのように。そのごっこの後ビーが本当に海に落ちてしまい、「誰にも気づかれずに、私はこのまま死んでしまうのね」とビーが一人黄昏ていたその時...安心ソングにはぜひセリーヌ・ディオンを使って欲しかったところだけど、OKが出なかったのかなぁ。
※因みにあの“手形”もタイタニックオマージュやね🖐️