「【やや難解ですが、スパイを演じたトニー・レオンとワン・イーボーのビシッと決めたネクタイとスーツ姿、ドレスを纏って任務を果たす美しい女性スパイの姿を含めて、美術と壮絶なアクションに観惚れる作品です。】」無名 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【やや難解ですが、スパイを演じたトニー・レオンとワン・イーボーのビシッと決めたネクタイとスーツ姿、ドレスを纏って任務を果たす美しい女性スパイの姿を含めて、美術と壮絶なアクションに観惚れる作品です。】
ー 今作を鑑賞するに当たっては、上海事変から第二次世界大戦終戦までの日中関係の知識はあった方がより良いと思います。ー
■第二次世界大戦改選前後の中国で、共産党、国民党、日本軍のスパイ達が繰り広げるスパイ戦を描く、脳内フル回転で観る映画です。
中華民国政治保衛部のフー(トニー・レオン)、部下のイエ(ワン・イーボー)を主に、共産党、国民党、日本軍のスパイ達の三つ巴の攻防や転向するシーンなど、見応えがあります。
但し、中国映画ですので、心理戦の中で国民党蒋介石政権批判が織り交ぜられていますし、如何に中国共産党が日本を不屈の根性で打ち負かしたかと言うラストに繋がっています。
分かりにくい理由としては映画タイトル通り、登場する人物の多くの固有名詞が出て来ない点です。
ですが、そこを脳内で補いつつ、もしくは補えなくとも、スパイのトニー・レオンとワン・イーボーのビシッと決めたネクタイとスーツ姿、ドレスを纏って任務を果たす美しい女性スパイの姿含め、1940年代のモノクロ写真でしか見た事のない上海の街を再現した美術と壮絶なアクションに観惚れる作品です。
■私が思う一番のアクションシーンの見所は、フィアンセであるファン(但し、彼女は共産党のスパイでもあり、ファンとの関係も微妙ですが。)を殺されたイエが同僚のワンを疑い、更に上司であるフーとの壮烈な肉弾戦のシーンです。
ー トニー・レオンとワン・イーボー、スタントなしで演じたと資料に在りますが、凄い迫力です。-
<何度も書いて、恐縮ですが今作は難解です。けれども、観賞中に飽きる事はありません。大スクリーンの中で繰り広げられるスパイ戦に引き込まれます。
今作は、客電が上がった後に
”やや難解だったけれども、面白かったなあ。本格的な映画を観たなあ。”
と言う思いが残る作品だと思います。>