水深ゼロメートルからのレビュー・感想・評価
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水面 -1.0。プールの底で交わされる女子高校生4人と元女子高校生の教師によるアンニュイな会話劇です。
舞台劇の映画化と聞いて、まず頭に浮かんだのが
「アルプススタンドのはしのほう」でした。
そしてこの作品の監督が「カラオケ行こ!」の監督
と知り、さらに興味が涌いて鑑賞しました。
鑑賞スタート。
登場する主な人物は4人。
ココロ =2年生。補修対象者A(阿波踊りでオトコ踊りを踊るらしいが…)
ミク =2年生。補修対象者B(女たるもの自分を可愛く見せなければ…)
チヅル =2年生。補修に無関係(水泳部部員。エース。次の部長?)
ユイ =3年生。補修に無関係(水泳部元部長。泳ぎが速かった訳では…)
話のかみ合わない4人の女子高生。 会話がバラバラ。
上から目線で物を言う女性体育教師。 危うくパワハラ。
舞台は掃除をするため水の無いプール。砂でザラザラ。
交わされるのは会話にならない会話劇。あらあら…。
水深ゼロメートルから伝わってくるのは不協和音。
…うーん。延々とこれが続くのか…。
…うーん。キツイかも。
…うーん。もう少し頑張ろう…。
終了。
脚本なのかシナリオなのか。
前半の展開が冗長気味に感じられてしまったのも
もう少しどうにかならなかったのか というのが
本音です。…うーん。
美術館に名画を見に行ったら、展示されていたのは
ラフデッサンでした という感じ。
#「カラオケ行こ」の監督の作品 とのことだったのですが
# 制作にどの程度関わったのだろうか? と思ってしまいました。
# もしかして、高校生の主体性を尊重してあえて口を挟まなかった
# …とかなのでしょうか? (うーん)
久しぶりに「…あと何分?」と時計を何度も見る作品に
出会ってしまいました。
◇
元々が舞台劇らしいです。舞台なら、プールサイドでの演技に
臨場感が出せたかな? という気がします。
それを実際のプールでの演技にした為、引き気味の構図が続いて
しまったのかもしれません。
4人の女子高生それぞれ、「実はこういう人です」という「背景」
がラスト近くに分かってくるのですが、そこからストーリーを膨ら
ませたら面白くなりそうだった気が…。
そんな風にも思えてなりません。
ちょっと残念な作品でした。・_・;;;;;;
◇最後に
鑑賞前に「アルプススタンドのはしの方」のような作品かと
思ってこの作品を観たのですが、違いました。 ・-・; ハイ
勝手に期待した上で ” 違うじゃん ” と言うのは筋違いなワケ
ですが、「水の無いプールから何かが始まる」と言ったところ
をもっと観たかったなぁ と思った次第です。
◇おまけ
水泳の授業の補修でプール掃除。
1時間程度かと思ったのですが、プールの底に溜まった砂を
箒と塵取りでキレイにするのって、2人で1時間程度で終わる
ものなのでしょうか…。
しかも「とりあえずそこまで」と女性教師は言っていた気が…。
どこまで掃除させるつもりだったんでしょうね。なんというか、
補修授業というより罰当番やってます みたいな感じでした。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
等身大のリアルな高校生の日常
高校生にとって今後の考え方や生き方を左右する様な人生の転機となる出来事って、けして大きな事件とかじゃなくて、こういう同級生との会話だったりするんだろうな
生理で体育のプールを欠席した補習授業の代わりに二人に課せられたプールの砂の掃除から始まった物語は、些細な日常会話から始まった
リアルな演劇部の高校生が描いた戯曲がベースの基本ワンシチュエーションの会話劇
それぞれが抱える日常の悩み
ありふれた会話からこぼれた本心が相手の心にリンクして、最後の雨と共に洗い流されて昇華されていくようなラスト
何も解決してる訳ではないけど、それが私達の過ごすリアルな日常だよね
砂の溜まったプールは消して綺麗になる事はないのに、つかの間の雨が洗い流す心の澱のようなもの
それを感じる事のできる人にとってはとても素晴らしい映画だと思います
誰もやってないことには誰もやらなかった理由がある
2024年映画館鑑賞35作品目
5月12日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット(ポップコーン&ドリンク付き)1400円
2019年に開催された四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞受賞した徳島市立高等学校の舞台演劇の映画化
監督は『リンダリンダリンダ』『マイ・バック・ページ』『苦役列車』『ぼくのおじさん』『ハード・コア』『1秒先の彼』『カラオケ行こ!』の山下敦弘
脚本は舞台版の原作者の中田夢花
舞台はほぼ水のないプール
夏なのに水がないプール
隣の野球部の練習で砂が舞いプールの底は砂にまみれていた
それを体育の補習で掃除をさせられるハメになった高校生女子2名
水泳部の部長なのにインターハイに行かずイメージトレーニングをしているおかしな女子
3人に遅れて登場した水泳部元部長
水泳部2人も掃除に加わる
主な出演者は女性のみ
男は後ろ姿で顔が見えない
夏の水のないプールで雑談する女子高生たち
映画作品としては画期的なシチュエーションだが広く一般民衆を楽しませるにはとんがりすぎていた
『らきすた』とか『けいおん』が楽しめる人ならもしかしたら楽しめるかもしれない
三次元にも興味があればの話だが
阿波踊りには詳しくないので男踊りと女踊りがあるとは知らなかった
たしかに言われてみればその通り
三田村邦彦が踊っていたのは男踊りの方だった
87分
いつのまにか終わりを迎えた
そこで終わりかよ
それでいいのか
とりあえず清田みくりのこれからに期待して星0.5プラスで2.5
配役
体育の補習で山本先生の指導によりプール掃除をさせられる阿波踊りで男踊りを踊る水着を着たくないココロに濱尾咲綺
親友のココロ共々体育の補習で山本先生の指導によりプールの掃除をさせられる濃いメイクをしているミクに仲吉玲亜
ココロの同級生でキャスター付き事務用椅子をプールの底に持ち込み水泳のイメージトレーニングをしている変人の水泳部部長の奥田チヅルに清田みくり
ココロの先輩で元水泳部部長のユイに花岡すみれ
野球部マネージャーのリンカに三浦理奈
体育教師の山本にさとうほなみ
女子高生の口を借りたジェンダー論
舞台劇っぽい映画だなと思ったら、何と徳島市立高校の演劇部の生徒が原作を創った舞台劇の映画化作品でした。
野球部のグラウンドから飛んできた砂まみれの空っぽのプールを、女子高生たちが掃除しながら悩みをぶつけ合うお話ということで、青春ど真ん中のお話でした。ただ単なる青春群像劇に止まらず、野球部のエース(勿論男子)に水泳で負けてしまった女子水泳部の部長の挫折であったり、子供の頃から阿波踊りの男踊りを踊ってきたものの、高校生になって恥ずかしくなって来た生徒の微妙な心情であったり、周囲に可愛がられることを目的に、熱心に化粧をする生徒の屈折した心理だったりと、彼女たちの悩みは”女”であることに起因したものでした。そういう意味では、思春期の悩みに絡めつつも、彼女たちの口を借りて”女性”全般、そして”性差=ジェンダー”というものを考えさせる話になっていて、非常に興味深かったです。
映像的に面白かったのは、野球部のグラウンドから飛んできたらしい砂を掃除するものの、一向に片付かなかったこと。まあ彼女たちがあまり真面目に掃除していなかったこともあるのですが、何となく賽の河原で石ころを積み上げても、鬼に壊されてしまう光景を連想しました。つまりは、彼女たちの悩みは中々簡単には解決しないんではないかと思わせられました。
そしてそんな砂の上を泳ぐ真似をしてみたり、阿波踊りの練習をしてみたり、はたまた本音を言い合って喧嘩してみたりと、この辺りは青春ドラマそのもので、微笑ましかったです。
最終的に、本音をぶつけ合い、先生を含めて相手の心の内を知り、そして自らの心の整理をつけ、前に一歩進んだところでエンディング。正直それほど期待していた訳ではないだけに、意外に面白い一作でした。
難を言えば、時間の概念が緩すぎて、テンポが感じられなかったこと。また、夏日の炎天下でプール掃除をしているのに、彼女たちがあまり暑がっておらず、全く汗をかいておらず、そのため臨場感があまりなかったように思われました。また、砂の上を泳ぐ真似をするのに、制服が全然汚れなかったのもあれって感じでした。まあ話の本論とは関係ないと言えばないことなので、無視しても良いと言えば良いのですが・・・
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
まぁ、青春ならではの悩み?
のんびり夏休みの青春群像劇かなと思いきや、後半からジェンダーやアイデンティティの問題が会話に入ったり、真面目とお調子ものと不真面目と外野というそれぞれの立ち位置もコントラストが良かったし、出演してる俳優さんたちで見聞きした人はいなかったけど、それもあいまってフレッシュな感じを受けた。
強いて言えば、もうちょい、映像として、それぞれの人となりが浮き彫りになるような撮り方や心象風景などを入れるのがあってもいいのかもとは思ったけど、まぁこれはこれで満足
全く合わず
きついこと書いてます。関係者が読んだら気を悪くするかもしれませんが失礼します。
色んな理由が挙げられるが、一言で言って合わなかった。冒頭の踊りの所作は美しく期待させるものの、近くにいる友人に声を掛ける水泳部女子の発声がでかすぎるところから始まり、掃除を一向に始めようとしないヤツ、それを注意もしないヤツ、掃除の効率も明らかに悪い。テーマの一つはジェンダーだし生理のきつさとか解らないおっさんで恐縮ですが、配役の心境や背景とは関係ないレベルですでに我慢ならんのでした。さっき掃いたところが次のカットでまた砂があるような制作側の問題も気になった。生理がきつくて横になるのも日光の下のベンチって、これはリアリティあるの?補習で工事直前のプールを掃除させるって、これは思いやりじゃなくてシゴキですね。
高校生が書いた高校演劇としてであれば視点もスジも表現も含めて面白かったのかもしれないが、ロング中心の各シーンも間延びが気になったし、傑作も生んでいるプロが関わった映画としては制作レベルに納得がいかなかった。
ラスト、雨が降ってきてダンスを始めてストップモーション。このシーンだけが妙に映画的で、この線で冒頭から再構成するチャンスはあったはず、それであれば本来伝えたかったこともおっさんにも伝わったのではと思った次第。
水掛け論
青い空に白い雲が大好きなもんで、こういうポスターを見ちゃうとアニメだろうと実写だろうとなんでも食いついてしまう人間です。
「アルプススタンドのはしのほう」は正直ハマらなかったんですが、今作は山下監督が携わっているというのが興味を持つ理由になっていました。予告の雰囲気なんかも良さそうでしたし。
んーこれじゃない!感が強すぎて、90分切る上映時間なのに長く感じてしまいました。
最初の「見んといてー!」のところがピークでした。
阿波踊りをするのがとある理由で恥ずかしいミク、水泳部だけど大会の応援に行ってないチズル、気だるげな雰囲気の1軍女子ココロ、あとチズルの先輩のユイと先生と登場人物はだいぶ絞られていてその中で展開されるシチュエーションものです。
ココロがどうにもキャラクター的にも立場的にも邪魔でした。掃除をしないなら帰ればいいのにウダウダウダウダと愚痴を言ったり、その癖悪態はつきまくって火種を着けたり、果てはジェンダーに辿り着いたりと、性別によって共感できるポイント・懐疑的な目で見るポイントに分かれるんだとは思うんですが、途中からはもう何の話だ?と言わんばかりにジェンダー論というか差別的な男性像の応酬で、男がなんだ女がなんだと言い出した辺りからこの手の水掛け論がとても苦手なので、キッツってなりながら観ていました。
生徒4人(といっても先輩は出番少なめ)と先生との構図も多く観られるのですが、先生はなんであんな喧嘩腰なの?と思いましたが、生理だったりのがあるのかなとは思いつつも、それを経験したことのない身からするとどうにも八つ当たりしているようにしか見えず、そんなに厳しい言い方しないでもと目を細めて観てしまいました。
あとプールの補修を回避させたいからプールの掃除をしろっていう割にはエゲツない量の砂が残っていて、それを掃除させるのはいくらなんでも酷じゃないかい?と思ってしまいました。改修するのに掃除させるのもどういうこった。
舞台なら目に見えない砂を想像できるので良いと思うんですが、いざ実際に砂を場面に出してみたらそんなわけあるかーい!の量なのでそこもモヤっとしてしまった部分だったなと思いました。
ココロがミクにブスは化粧しなくていい!と言い放つシーンもその論争って何の意味があるんだ?とこれまたむず痒くなってしまいました。阿波踊りするのが恥ずかしいと全くを持って繋がってなくてなんでやねんと思わず言ってしまいそうでした。
ラストシーンも個人的には中途半端だなーって思いました。雨降るシーンの整合性はさておいて、一通り阿波踊りするシーンくらいまでは欲しかったです。構えたところでエンドロール突入はなぁ…って残念な気持ちになりました。
あと砂を撒いて謎の宣言をしていったチズルの行動、まぁシンプルに迷惑やなって半分笑いながら観ていました。
どうも男性が敵としてしか視点が当たってない映画は居心地が悪く、それでいて「アルプススタンドのはしの方」の二番煎じ感は否めずで、ちょい捻くれたJKのギスギスとした会話を見せられた気分でした。
改めて「アルプススタンドのはしの方」の限定的空間のシチュエーションものとしての完成度を感じることができたのが収穫でした。
ジャケットと音楽は良いんだけどなぁ…。どうしてこうなった…。
鑑賞日 5/8
鑑賞時間 9:50〜11:25
座席 E-1
演劇そのもの、映画としてはちょっと…
演劇で見たり小説ならもっと感動できたと思う。
映画は映像でスクリーンで別物! 見せ方が…
大スクリーンで90分が長く感じた。
山本先生に共感した!って言ったら今の時代非難されたゃうのかな…
個人の感想です!
比べちゃいかんのだけど
高校演劇という事以外は無関係とはいえ『アルプススタンドのはしの方』に続くなんて謳われたら、ハードルを上げてしまうもので。
出だしは演劇っぽく始まり、水のないプールの砂掃除という設定に面白くなるかと期待していたけれど、男だからか、おっさんだからかあまり共感できず、ココロとチヅルにちょっとイラッときてしまった。
高校生の不安定なモヤモヤした感は良いのだけど、中盤のジェンダー論的な展開にうーん。
辛辣どころではない言葉を浴びせられた後に、何事もなかったかのように接しているのも分からん。
『アルプススタンドのはしの方』が面白かったから、
なんだか期待したほどではなかったかなと思ったけど、ラストのミクはカッコよかった。
苦行でした
90分間スクリーンに意識を集中するのにとても苦労しました。
あまりに工夫のない拙い脚本。
何を描きたいのかさっぱり理解出来ない。
唯一の救いは体育教師を演じたさとうほなみさん。
大人の女性が抱くフラストレーションをリアルに表現出来ていたと思います。
良さはある映画と思われましたが‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
まるでアイドルPVのような魅力を持った瑞々しい映画だとは思われました。
ただ映画の内容は一方で、その表現の仕方とは違って重さも秘め、しかしその踏み込みは本質の手前で終わっているようにも感じられました。
その理由は以下だったと思われます。
まだ男女区別が未分化の子供時代の男踊りにこだわるミク(仲吉玲亜さん)と、同様に中学では男子に水泳で凌駕していたチヅル(清田みくりさん)の、おそらく女性への自身の身体的変化に戸惑いある2人の悩みは、本質的には対男性に振り回されていて、本当の自身の望みの底には到達出来ていないとは思われました。
また、化粧をして女性を意識して生きようとするココロ(濱尾咲綺さん)も、ミクやチヅルとは一見対照的に見えながら、本質的には対男性に振り回されていて、自身の望みの底に到達出来ていないのは2人と同様だとは思われました。
このことは、ルールにこだわり、自身は化粧を周りの価値観に配慮して抑制している山本先生(さとうほなみさん)も同様だと思われました。
即ち、(後輩のチヅルに期待をかけていた水泳部の元部長ユイ先輩(花岡すみれさん)はそこまで描かれていませんでしたが)男踊りにこだわるミク、水泳部のチヅル、化粧にこだわるココロ、そしてルールに縛られ自身感情を普段は抑圧している山本先生は、男性の陰や価値観に振り回され、一方で女性としての戸惑いや不安定さの感情あるいは自身が本当はどうしたいのかの本音を、直接はほとんど表現出来てないように思われました。
この悪く言えば幼く、良く言えば可愛らしさの魅力は、映画の表現としてはその方向性としては成功している面もあるとは思われました。
ただ一方で、映画では直接登場しない男性に翻弄されているのは分かったけれど、それぞれ自身はそれで男性関係なくどうしたいのだというリアルな心情への踏み込みの弱さが、この映画が食い足りなくさせている要因に思われました。
(ラスト辺りの化粧にこだわるココロの女性として生きる表明も、趣旨は男性の価値観に依存して生きるしかないとの内容で、本当にそれはリアルな彼女自身の本音の心情なのか‥とは疑問を持ちました。)
もちろん、”女性の自立”などといった、リアルな心情から遊離した空疎なスローガンでは全くの台無しですが、それとはまた違う、それぞれの彼女たちのリアルな底の本音は何だったのか、それを表現するもう少し映画としての踏み込みは必要だったのではないかとは思われました。
それがこの映画の、可愛らしさの魅力と、食い足らなさの欠点の、要因だと僭越ながら思われました。
カタルシス?
高校演劇で評価された作品の映画化。
コロナ禍での大会のために一度映像化されており、本作で映像化は2度目らしい。
立場の異なる4人の高校生と1人の教師。それぞれが抱える女性であるが故の生き辛さと気持ちを、それぞれに明らかにしある時にはぶつけ合う。
そのことはそれだけで素晴らしいこととは思う。が、その先には一歩も行けていないのもまた確か。それこそが女性がいまもって置かれている状況そのものである、とも言えるとは思うが。
この作品からカタルシスを感じられなかったのは(名人とは言え)男性監督だったからでは?というのは考えすぎだろうか…
雰囲気はいいがもうひと工夫ほしかった
高校の舞台劇を映画化した作品といえば「アルプススタンドのはしの方」を思い出すし、あの面白さを期待してしまう。
水の入っていないプールの掃除を命じられた女子高校生2人と、途中参加してきた水泳部の2人が気だるそうにわちゃわちゃする会話劇。夏休みの高校、真剣に取り組んでいること、好きだからこそ負けたくない気持ち、どれもかけがえのないものが描かれていた気がする。
ところがつまらないわけではないけど、あまり面白いとは思えなかった。一つにはココロをことを最後まで好きになれなかったことが大きい。掃除しろよ!と。彼女が掃除をしない理由として語る、女性として抱える問題や生きづらさが薄っぺらかったし。自分がやりたくない仕事を、筋の通らない理由をつけて断ろうとする職場の女性を連想してちょっとイラッとしてしまった。
あと、それぞれの登場人物に何か変化が起こって終わっていくのを期待していたが、そうではなかったことも大きい(多少の変化はあったのだが)。彼女たちの関係性に変化があったようにも思えないし。これは完全に個人的な好みの問題だけど。
これ、高校生が演じる舞台として観ていたら印象が違っていた気もする。映画として面白くなるにはもうひと工夫ほしかった。
ラストが良いね
『アルプススタンドのはしの方』と同じ、高校演劇がもとになった作品ですね。
『アルプススタンド』も、この作品も青春のキラキラではなくて、青春のモヤモヤって感じかな。
私、青春のモヤモヤと演劇って相性良いと思うんです。
その年代って、言葉が独り歩きしてしまいがちだけど、演劇の台詞に重なる部分があるんじゃないかと。
それでですね、この映画は女子高生が作った女子高生の演劇がもとになっているから、分かる様な部分も有るし、分からない様な部分も有ったんです。
だけど、ラストシーンの仲吉さんが演じたミクの表情が良かったの。
男だ女だっていうのが、どうでもよくなるくらいに、凄く格好いいの。
あのシーンを見た瞬間に、映画の全ての台詞がミクのラストの表情の為のものに感じたもん。
あれは映画じゃないと撮れないから、あのシーンだけでも映画化した意味が有ると思うんですよね。
チヅルを演じた清田さんは、『野球部に花束を』の時は野球部部員だったのに、今回は野球部を敵視する役で面白かった。
山本先生役のさとうほなみさんは、今回は体育教師にしっかり見えるのに、それでいてイイ女の雰囲気も有るんですよね。
一度、イイ女に振り切った役どころも見てみたいな。
ポスターは観たいって思わせる
シナリオが悪いのか?
演劇は見ていないのでなんとも言えないが映画化するからには何かしら面白みがあったのではないのか。これは全くつまらない。場面が変わると同じ話に戻りループ映画を見ているようにつらい。
何が言いたいのか不明で雰囲気勝負でもなく本当に辛い映画。
唯一キャストが良くこれから活躍してほしいと思う。
シナリオの段階で監督なりプロデューサーなりが気付かなかったのだろうか?
ポカリ美少女 仲吉玲亜 見参!
砂まみれのプールを中心とした、基本的には舞台演劇で、前半はあまり面白くないと感じていました。
後半は女子高校生が気にしている生理、化粧や男女の違いを魂の叫びで主張していきます。
一人圧倒的な存在感を放つミク役の仲吉玲亜ちゃんのひた向きさに魅了されました。
「書道ガールズ!!」とはまた違った味わいで、高校生の頃を思い出す素朴で純情な映画に感じました。
もう忘れた感情とずっと理解できないもの
高校生の思い出に重なるところがたくさんあって懐かしくもやるせない思いが共感できた。女子が見る世界は想像でしかないが生きづらさを感じてるんだなー。男子だってあるけどね。
高校時代の夏空は理由なく綺麗だ。
爽やかになった、
モラトリアムの干魃
水深ゼロメートルから
対戦相手の消えた競技、元々破れていた夢、期限付きの青春の終わりに
厳しい言葉が、ある意味では優しい響きを帯びていたことに気付く。
限られた時間の半分を無為にやり過ごす中で、誰かに覚悟を託すことで誰かが楽になるのか
それよりも自分が好きだと感じるものを大切にして、それが仮に異性として好きなのであっても、そこに男女の差異は関係がない
意味のない決意だとか、永遠には続かない関係性だとか、砂と化粧と共に、雨で流されていく。それでも後に残るものが存在したと、信じたい
メッセージはわかるけど……
成長の関係で、性差を意識せざるをえなくなる高校生を題材に、
補習のプール掃除中の他愛もない話から、
おんなは女らしく生きたほうがいいというココロと
おんなでもおとこに負けてたまるかというチヅルと
おんなもおとこも関係なく自分ががんばればいいというミクと
三人三様の立場がらあきらかになっていく話。ただ、この話とても難しい問題なので、映画としてちゃんとまとめきれていないような感じがしました。
娯楽映画だし、ある意味ラブコメな「アルプススタンドのはしの方」と比べるのは酷な気がしています。
補習はプール掃除。
元々賞を取った高校演劇を映画化した物だから、女子高校生達の悩みが生き生きとリアルで素晴らしい。
が、ひょっとするとその悩み、青さ、若さが話の弱点なのかもしれないとも思った。
大人は1人、ほないこかが参加して子供達の悩みの壁打ちの壁になっている。ドラムも上手いが演技も素晴らしい。なんだろうなぁ?話に大人のズルさというか、仕掛けと言うか、そんな感じの巧妙さがあるともっと刺さった様な気がするんだなぁ。
補習という名のプール掃除に色んな子が集まって悩みを吐き出していく、実に演劇的である。ワンシチュエーションで映画も低予算で効率的だ。
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