RHEINGOLD ラインゴールドのレビュー・感想・評価
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オランダ人はそんなに金歯率高いのか❓
この監督の前作みたことある!
やはり実在した犯罪者を扱った映画だったが、すごいインパクトだった。
撮影のセンスもいい。
ロケット弾飛び交うシリアの丘のコウモリの巣の洞窟で生み落とされ、刑務所で育ったジワ(XATAR:カター)。
母親役も仲間由紀恵似の美人さんだった。
もの心ついた時の最初の記憶は大事だ。
ミツゴノタマシイ百までも。
迫害にさらされ続ける少数民族クルド人のイメージがガラッと変わった。
強くて悪い。
Born to be Wild.
XATAR(カター)の first album Nr.415 は メイドインプリズン。
SONY の LINEAR PCM RECORDERで毛布をかぶって録音していた。
娘のためにサインしてくれと出来上がったCDを看守が持ってくる。
嬉しさをこらえながらサインして、渡した後にもう一回見せてくれと手に取り、しみじみするタカーはちょっとカワイイ。
ボンの団地の向かいに住む幼馴染のペルシャ人のセリン役は年代ごとに3人の娘さんが演じていた。
最初の娘はセリンとXTARの娘役のダブルキャストだったような。
ホテルのクローク係やドラッグストアの店員のアルバイトしていたセリン。
バックギャモンの足りないコマをボタンで代用してた。
ジワがセリンに手渡すゴールドの包装のプレゼントは指輪かと思ったら、バックギャモンのコマだった。粋だねぇ。
有名な作曲家の父親を持ち、小さい頃からピアノを習わされていたお坊ちゃま。父親の特権により、シリアからパリ、ドイツのボンに渡ることができたが、コンサート会場でコンダクターの父親を時間ですよと呼びに来たものすごい美人。出ていく父親の足にすがって泣く妹。
はは~ん。
たぶん、向かって左のチェロの女だ。
オヤジは許さねぇに変わった瞬間だ。
移民街でパレスチナ人のダチとエロビデオダビング販売に始まり、とうとう覚醒剤の売人に。半グレにボコられ、グローブなしの健闘ジム師匠に出会う。一方で、ミキシングシステムを持っているDJマエストロに出会う。クルド人の商人ミランのツテでアムステルダムの音楽学校ヘ行くことになったが、そこでクルド人の親分の子分になって、半身タトゥの売春婦のラッパーをプロデュースして儲けようと親分に相談するが、ワインボトルに入れた液体コカインの密輸を任されるも、しくじってしまう。親分の損害を穴埋めしょうと金の輸送車強盗を計画する。その金は火葬場の遺体から頂戴した金歯。いくら金の値が上がっているとはいえ、定期的に何百キロも集まる❓そういや、日本の焼き場でも骨壺に入れるときに金属類はすでに取り除かれていて見ないな。焼き場の職員のお小遣いになっているのか?それとも組織的に集められているのか気になってしょうがない。ちなみに奥歯に5本の金歯があるオイラはアムステルダムのクルド人の刑事が恐ろしくてならない。悪趣味な作りだ。それから、パトカーのお巡りをうまくやり過ごすのもとてもオモシロイ。そして、冒頭のシリアの刑務所からボンの刑務所に移送されて刑務所内CD作成、シリンとの結婚となる。なるほど破天荒な話だが、ラッパーというよりもタフなビジネスマン。実際、実業家でもあるらしい。
ライン川の川底から砂金を採るようなケチな話ではなかった。
最後の3人のマーメイド。ヨカッタ。
とてもよかった
ドイツのクルド人ラッパーには普段生活していて全く関心が沸かないのだけど、冒頭の刑務所での尋問シーンから引き込まれる。改めて思うのは、刑務所に入るならヨーロッパなど人権意識の高い国だ。アジアや中東、アフリカでは悲惨極まりない。逃亡するにしてもヨーロッパかアメリカかカナダに限る。そんなことを思いながら話は出生時にさかのぼる。そこでもイランイラク戦争での襲撃から難民生活、洞窟の中での出産など、とんでもない展開だ。
なんとかドイツに落ち着いて文明国で暮らしているとお父さんが家庭を捨てる悲劇からの非行で、それまでは難民生活や亡命などまったく異次元の話だったのに、我々の身近な問題が彼らに起こり、それが戦争以上のダメージを与えている。お父さんが出ていく時に、妹が足にしがみついてそれを振り払うのが本当につらい。家庭を捨てるなんて、そこらへんにごろごろある話なのだけど、やっぱりよくない。命の危険と心の危険、ともすればどっちも同じくらい重要な問題だ。
そこから主人公はアウトローとして生きていく。合法と非合法を行ったり来たりしながら恋もして、その割に童貞なのか? 売春宿に行っても遊んでいる風でもない。中東に逃亡した時にナンパしていたから童貞ではないのか?友達に付き合っているだけな感じでもない。あんな結束のなさそうな連中だったのに金のありかには誰も口を割らないし、実話ベースのせいか、物語の定型を無視している感じがリアルだ。
強盗の場面など、もっと面白くするとか派手にするとかしてもよさそうなのに、そうせずグダグダでリアルなため余計にスリルがある。クルド人のゴッドファーザーみたいなおじさんが怖い。コカインの瓶を割ったことを正直に話したらどうなっていたのだろう。
主人公を赤ん坊を含めると4人演じていたけど、顔を似せる気がないのではないか。変わった途端誰か分からない。
ラップのトラックメイカーを訪ねていく場面すごくいい。ピアノの素養があることで認められて、一瞬で意気投合する。そこで「金なんか稼げない、楽しむだけだ」と語るのがリアルだし、芸術家らしくてかっこいい。刑務所の中でのレコーディング、面白い。デビューCDを刑務官に教えられるところの興奮が静かで沁みる。出所してライブをするかと思ったらそんな場面はなくて、プロデューサーとして成功する。
想像と違ったけど面白い
なんか予告編みてたらさ、グレちゃった青年がいよいよ警察につかまって、しかしたまたま覚えたラップで大逆転という話かと思ったの。
でも、刑務所入る前にラップに出会ってるんだね。だからなんか「まあ、そりゃそうかな」って感じだったの。
刑務所に面会にきたときのお父さんいいね。
かなり主人公にひどいことした人だと思うんだけど「俺なら作曲する」と告げて去って。結局、主人公もそれに救われてラップやるとこあるよね。
シリンとの恋愛もいいね。
飾り立てたプレゼントがバックギャモンみたいなゲームの駒なのカッコよすぎる。
「もう捕まるな」ってときに会いに行くのもカッコよすぎる。
出所を待ってたシリンもカッコいい。
刑務所を出てから大逆転の様子を描いてくのかなと思ったら、そこはなくてエンディングだったね。
想像とはちょっと違うストーリーだったけど、面白かったよ。
楽曲の成り立ちを映像化したら、コミカルな犯罪映画になってしまった
2024.4.2 字幕 アップリンク京都
2022年のドイツ&オランダ&モロッコ&メキシコ合作の映画(140分、PG12)
実在のラッパーXATARの半生を描いた自伝映画
監督&脚本はファティ・アキン
物語は、1979年のイラン時代から2010年のシリア時代までを切り取り、2010年にシリアの刑務所に収監された顛末と、そこで完成させたアルバム「Nr.415」の制作過程を描いていく
1979年、イスラム革命の余波を受けたジワ(幼少期:Baselius Goze、少年時代:Ilyes Moutaoukkil、成人期:エミリオ・サクヤラ)の父エグバル(カルド・ラザーティ)と母ラサル(モナ・ピルサダ)は、命からがらコンサート会場から逃げ出した
その後、中東を彷徨う母は、戦場でジワを出産し、育てることになった
ある日、イランの国境警備隊にスパイ容疑で拘束された三人は、父が音楽家ということで大使館に助けられた
ジワたちはドイツに渡り、父は仕事を再会し、彼も裕福な出の少年ミラン(Latif Hussein Elias Hussein、成人期:アルマン・カシャニ)と出会い、音楽教育を受けるようになっていた
だが、学校の悪友サミー(Rahmen Beljuli、成人期:フセイン・トップ)のCDを預かったことをきっかけに悪い方向へと向かい、母を落胆させる日々が続いていた
映画は、ほぼクライム映画の様相を呈し、過去のやらかしがこれでもかと暴露されていく流れになっている
ミランと再会したジワはそこであるクラブの用心棒をすることになったが、そこで行われていたラップライブに魅了され、音楽レーベルを立ち上げようと思い始める
そのための資金作りとして、ミランの知人のマフィア・イェロ(Ugur Yucel)のお仕事を手伝うことになるのだが、そこで「やらかし」をしてしまい、それを挽回しようと無茶なことを始めてしまうのである
音楽のルーツとか、苦しい時に響く父の言葉などがあって、彼を形作るものがよく見えてくる
その一方で、無法地帯で生きてきた人々の苦悩とか、生きるための術というものは、常識の範囲ではないものばかりだった
そう言ったものがトラックメイカー・マエストロ(デニス・モシット)との出会いによって開花し、しかもサミーたちがコーラスを重ねていくくだりはとても面白かった
インディーズでCDを出してバカ売れしたという感じで、劇中で登場するエヴァ(Schwesta Ewa)をプロデュースしたりと、楽曲制作以外の分野でも才覚を発揮していくのはすごいことだと思う
父親がドイツの楽団の奏者と浮気して出ていくなどの顛末もさらっと描かれていて、環境が違えば、上流階級で過ごし、ラップとは無縁の人生だったかと思うと、人生とはわからないものだなあと思ってしまった
映画のタイトルでもある「RHEINGOLD」は、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの悲劇』の「序夜」にあたる「Das Rheingold」のことで、映画のラストでは楽劇に登場する「三人のライン川の乙女」が描かれていた
楽劇は、ライン川の川底にいる乙女の元に小人のアルベリヒが登場するという導入になっていて、ラインの乙女たちが守る黄金というものが出てくる
その黄金は魔法の指輪に変えることができるが、それには条件がある、という内容だった
その条件は「最初に愛を放棄すること」であり、それは執着を手放すという意味合いになるように思える
ジワが何を放棄したのかはわからないが、父親が伝えたかったのは、先に奉仕せよというようなことだったのだろう
それを息子に伝える時にワーグナーを引用するのが父親らしいが、父自身が愛の何たるかをわからぬまま去っていくというのも物悲しさがあるように思えた
いずれにせよ、彼らが盗むことになった黄金は見つかっておらず、最後には娘(Jesse Goldau)におとぎ話として聞かせることになっていた
そこでは、ライン川の底に沈んでいる黄金が描かれ、ラインの乙女がその周りを回っている様子が映し出されていた
この黄金は「愛を手放せば世界を支配する指輪に変わる」というものなので、おそらくは「ジワにとっての指輪」に変わっているのだろう
それが何かはわからないが、おそらくは妻シリン(ソゴール・ファガーニ)へ贈った結婚指輪にでもなったのかな、と思った
何度も観たい映画!
冒頭からクルド人として政治的苦境の中、戦闘中の瓦礫まみれの洞窟の中で壮絶に産み落とされるジワ。その後は亡命したパリで音楽の英才教育を受けドイツに移り住むが、両親は離婚し底辺生活に。この辺から政治的な話からギャングスター的な話となりのしあがる為ボクシングを覚えたジワはカター(危険なヤツ)となり金塊強盗をして投獄されるが刑務所でレコーディングした曲がヒット、文字通り“ギャングスタ・ラッパー”になり、音楽プロデューサーとしても成功してゆくという1本で充実した3本を見た気のする素晴らしい作品でした。特に音楽が素晴らしい!
若い時はヤンチャしてました
ドイツに暮らすクルド系の青年が、ガチのギャングスターから、ヒップホップレーベルを起こして成り上がるまでの実録ドラマ。
普通にノアールものとして面白いが実話ベースとなると、刑期を終えて罪を償っているとはいえ、「若い頃はヤンチャやっててさぁ」的なイキリが鼻につく。
彼らが売ったドラッグで人生が破綻したり、暴力で踏みつけにされた人たちが実際にいるわけで、決して成功者の美談で終わっていい内容でない。
刑務所で書いた自分の母親を讃えるフロウで世に出たようだが、君は「母に捧げるバラード」で世に出た武田鉄矢かよと思う。
偉大なる母。
クルド系音楽一家に生まれたジワ・ハジャビ(Xatar)の話。
両親の離婚を機に貧しい生活を送る事(母、妹、カター)になりドラッグの売人、店の用心棒、金塊強盗に手を染めた…Xatarの半生。
親の離婚を機に悪い方向へ進んでくカター、悪友出来て、別の派閥の奴らにボコられてはボクシング覚えて仕返ししてと、とりあえず観てて熱いっすよね!(笑)
本作から流れるラップ、BGMと聞いてるだけでヘッドバンキングではないけれど何かノっちゃいそうな自分がいて、今は全く付き合いはないけどラッパーやDJやってる仲間達との思い出も少し思い出したりもしてで個人的には残る熱い1本って感じでした。
あんだけ悪やっても母の言葉は絶対な感じは好感持てるし、生き方は真似出来ないけどカッコ良かった!
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