アイアンクローのレビュー・感想・評価
全49件中、41~49件目を表示
呪い?偶然?
偶然にしては不幸が続きすぎるが本人はそれを破れた様で何よりでした。
父親が悪いのか家族が悪いのかは解りませんでしたが両親は「兄弟で解決しろ」と一見知らんぷりの様な受け答えだが、兄弟でなら解決出来ると信じていたのか少し見放してる感じがしたが最後の兄弟2人しか残って無い状況での台詞は前者に思える。
父親も自分の信じてるものがあっての教育だったのだと思うが作中子供達は終盤まで一切反抗的な態度は取らなかったが恐れてもいたのだろうか?
関係無いですがザック・エフロン暫く観ない間にめっちゃガタイ良くなってて最初誰かと思いました。
暑苦しくない血生臭くもない愛の映画
伝記物、オッペンハイマーは好みじゃなさそうだったのでこちらを鑑賞。
はじまってすぐ、良作の予感が確信に。
プロレスはわかりません。父親を崇め、父親の夢を叶えるためプロレス以外な生き方を知らずに生きていく兄弟。
呪われているのではなく、すべての元凶は父親なのだが、次々と不幸が続く。
若い頃からステロイドを打ち続け、痛み止めを服用し、身体も心もボロボロだったろうが、その危険性もプロレス以外の生き方も許さなかった父親。
次男を演じたエフロンにはびっくりした。身体作り含め素晴らしい役作り。
哀切に満ちた【フォン・エリック家の悲劇】を描いた実話
ヒリヒリと胸に強烈に刺さるギリシャ悲劇のような映画でした。
【父親が絶対】という時代だったのでしょうか?
1980年代の実在した人気プロレスラー一家を基にしたストーリー。
強過ぎる父親に憧れて、彼を愛し敬う4人兄弟。
次男のケビン(ザック・エフロン)の視点で描かれます。
《ストーリー》
元祖“アイアンクローというプロレスの必殺技の使い手だった
フィリップ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)と
4人の息子の波乱に満ちた生涯を追う実話ベースの映画です。
男兄弟4人はとても仲良くて、暖かい家庭。
父親がお手本でした。
子供心に強くて格好良くて、お金を稼ぐ理想の父親。
跡を継ぐのは既定路線で、次男ケビン、3男デビィッド、4男ケリーは
次々と頭角を表してスター街道を突っ走ります。
派手なリンクプレーに場外乱闘、そしてビッグマウスの
マイクパフォーマンス。
3男のデヴィッドは明るくてスター性がありました。
世界チャンプ目前なのに日本興行中のホテルで急死
(彼は病死です)
ここからフォン・エリック家の【呪われた一家】と呼ばれる
負の連鎖が津波のように押し寄せます。
父親を喜ばすために戦い、失望させる自分はもう価値がないかのように
4男と5男は自死の道を選ぶ。
やはりとても痛ましくて胸が締め付けられました。
ミュージシャン志望だった5男のマイクも結局は
家業みたいにプロレスを継いでいきます。
それも《ヘビー級世界タイトル》を当たり前のように狙うのです。
4人が4人、世界を目指せる位置にいるのも凄いこと。
映画は駆け足だけれどフォン・エリック一家はプロレス界の
大変なスターだったそうです。
監督のショーン・ダーキンは彼ら一家を見て育ち、
大変なファンでした。
何より兄弟4人の絆を描きたかったと話します。
この映画は正攻法でエンタメ性はあまりありませんが、
危険な仕事であるプロレスラーの生き様を、実話だからこその
リアリティと臨場感に溢れています。
(父親フリッツの期待の重圧に押しつぶされる息子たち)
次男ケビンは全ての矢面に立たされる。
次男役のザック・エフロンの奥さんになるリリー・ジェイムズ。
彼女は見せ場が多かったし、彼女の存在にケビンも観てる私も
救われました。
パム(リリー・ジェイムズ)が初対面から、グイグイ積極的。
聞くと、ケビンは女性に奥手なのも可愛らしい。
そして決して夫を見捨てない強い妻です。
ケビン(ザック・エフロン)は兎も角ストイックで、
常に自宅ジムで筋トレをしている。
ザック・エフロンは、
すっごいシックスパックに割れたムキムキに肉体改造。
アイアンクローは鉄の爪だから、頭の地肌にめり込むから、
“目を潰しそう“でハラハラしました。
私の知ってるワザは「4の字固め」と「コブラツイスト」だけ。
プロレス見てた印象は頭を叩き割って血糊ダラダラ・・・
なのですから、半ばショーなのかと思っていました。
しかしフォン・エリック一家にとっては命懸けの《魂のスポーツ》
競技中は本気の本気!!
結婚して家庭を持ち生存して、現在に存命しているのは
次男のケビンただ一人。
ケビンは本当に強い人。
勝利(WCCWやNWAヘビー級世界タイトル獲得する野心)しか、
頭にない父親。
その言葉に逆らわない4人兄弟・・・
予告の動画でみたケビン・フォン・エリックさんは
元プロレスラーに見えない細面の優しそうな人で、
【人生は諦めずに戦う意義がある】
とのメッセージをくれています。
プロレス一家の栄光と悲劇を真摯に描いた映画に
深く感動し涙しました。
誰がために鐘(ゴング)は鳴る。
A24ってこんな真っ直ぐな映画も作るんだな。というのは穿ち過ぎか。
私がプロレスファンだったのは90年初頭~00年のちょうど10年間。完全なる新日派で、誠心会館との抗争にはじまり、小川直也の登場とともに粗方終わったのです。最近もだいたい見てますが、いまのプロレスには言いたいことたっぷりなので止めておく。
で、全日はじめ他団体の情報は週プロで読んでいたレベル。それなりにドップリ浸かっていたのもあって過去のプロレス史も比較的くまなく追っていたりで、"鉄の爪エリック”の名は知らぬはずもなくだった。が、間違っているかもしれないが、どちらかというと全日な人な印象があったような??つまり、ファミリーの話までは全然知らなかったのでこの映画は素直に物語に入り込めた。
ああ、なんて悲惨な一家なんだ。
日米問わず、マット界には「死」が必ずついて回ってきた。未だにそうだ。なぜ命をかけてまで(死ぬつもりが無いとはいえ)八百長と言われてしまうアレ→ブックやアングルを追うのか、分からない人には一生分からないのがプロレスか。
プロレスはねー、魂のぶつかり合いなんだよー!
試合中に垣間見える感情、生き様に揺さぶられるんだよ!
その他もろもろ。どれを語っても刺さらないひとには刺さらないのよね。
ちなみに、プロレス認めない人には戦後どれだけの人々に力道山が勇気を与えたのかの話とセットで、北朝鮮で開催された平和の祭典=19万人(!?)の観客による台風や地鳴りのような歓声、猪木VSフレアーのVTRを見せたい。あの日の日本もこうだったのかと思いますよ。
これもプロレス認めない人が言うあるある「なんでロープに振って返ってくるの?」というやつだが。作品内、無言なのにその気持ちや、やるせなさがめちゃくちゃに伝わってくるケビンの見事なロープワーク。古風だが間違いなく名場面だった。
最後は、メロウでゆるやかな優しさが描かれていて大変に良かった。
懐かしいなー。アメリカンプロレスも好きだったなー。新日がWCWと提携していた影響で、ビデオ借りては見まくってた。WWFもね。だからフレアー様のご登場には「オッ!でた!」と思わずひとりごちてしまいそうに。作品としても見せ場だったようだが、えー、あぁー、う~ん…ゲホゲホ…ゴホン。一生懸命モノマネしてる感がハンパなく残念…(^_^;) っていうかホンモノのリック・フレアーのあの顔立ち、トラッシュトーク、ホウキとでもプロレスができるというムーブ。その辺のタレントなんかカタなしの超・役者ですからね。マネしても勝てないって。ホンモノのVTR使っちゃえばよかったね。
【父、フリッツ・フォン・エリックの絶対的権威の元、フォン・エリック家の呪縛と兄弟愛に苦悩する二男の姿と、兄弟達のレスリングシーンが熱い作品。リリー・ジェームズの存在が一服の清涼剤になっています。】
ー 今作で描かれる、フォン・エリック家の呪いが凄すぎる。
三男デヴィッドが日本で興行中に急死、
四男ケリーはバイク事故で片足首から先を無くすし、
五男マイクはミュージシャン志望だったが、急遽レスラーに抜擢。
だが、ドロップキックした際に肩から落ち、原因不明の病になり、言葉がまともに話せなくなってしまう。
二男のケビン(ザック・エフロン)のみが、綺麗なお嫁さんパム(リリー・ジェームズ)を貰い、幸せな人生を送るのだが・・。
(実際には、六男の方もいらっしゃったらしい。そして、六人兄弟で自殺された方が三名もいる・・。
が、これは映画レビューなのでこれ以上は書かない。)ー
◆感想
・今作はフォン・エリック家の呪縛が続くシーンと、フォン・エリック兄弟が父の夢である全米チャンピオンになるため奮闘するリングシーンとで構成されている。
・特にリングシーンは鍛え上げた身体のザック・エフロン演じるケビンのトップロープからのボディアタックにより、三カウント取るシーンや、場外乱闘シーンも見応えがある。
・それにしても、フォン・エリック家の呪縛が凄い。
劇中ケビンがパムに言った”俺は二男何だよ。今まで遊んでいた兄貴が急に死んだんだ・・。”にはビックリである。
ー ”五人兄弟で、まともな人生を送れたのが一人ってどうなのよ!”けれども、実話ベースであるから仕方がない。ー
・父、フリッツ・フォン・エリック・(ホルト・マッキャラナー)の息子達が死んでも、”男は人前では涙を見せない。”(この言葉がラストに効いてくるのである。)と言い放ち、表面上は表情を変えない所や、母も涙を見せない所に、歪な家族関係が見て取れる。
ー 息子達はそんな父に反発しつつも、敬愛しているため面と向かって文句を言わない。-
■沁みたシーン
・四男ケリーが夜中にケビンの家に掛けて来た憔悴した声の電話。そして、ケビンが父の家に行くと響いて来たピストル音。ケリーは全てに疲れていたのだ。
ー 初めて、父を詰りながらケリーの身体を両手で運び、父の家の今のテーブルの上に沈痛な表情で静に置くケビンの姿。ー
・時は過ぎ、ケビンにも二人の男の子が出来、彼は二人が庭で遊んでいる姿を見ている。パムのお腹も大きい。
そんな姿を見ている間に、ケビンは顔を覆うことなく、涙を流し始める。二人の息子が心配して駆け付けて来るも、ケビンは””男は人前では涙を見せないんだよな。”と言いつつ、涙を流し続けるのである。
ー 彼の脳裏に有ったのは、自分と同じように家族を持てなかった志半ばでこの世を去った兄弟たちへの想いであろう。それが、涙に繋がったのは容易に想像がつく。ー
<今作は、実話ベースの物語と言う所にも驚くが、フォン・エリック家の呪縛と兄弟愛、大家族愛の間に挟まれ苦悩する二男ケビンの姿を描いた作品なのである。
ラスト、ケビンが亡き兄弟たちを思いつつ、自分の子供達が遊ぶ姿を見て、涙を流すシーンは可なり沁みます・・。>
実話の人様の家のことだし
毒親だとも思わないし皆が皆愛はあったと思うし
家族って難しい 映画としては華やかな兄弟のリング時代なんかはワクワクして観たことは悔やんでは無いが 三途の川を渡った後の兄弟の再会は逃げ切った感があって残されたものが…まぁケビン大家族でホッとした 気晴らしに夜桜でも見て帰ろっ
とてもよかった
80年代のプロレスラーは人類史上もっとも人生を謳歌できる人々のはずなのだけど、エリック一家はつらい。お父さんがもっと強権的なのだと思ったら、けっこう子どもの意思を尊重するタイプだ。星一徹みたいな感じではなく、子どもたちは決して無理やりプロレスラーにされたわけではない。みんなすっごく体ができていて完全にプロレスラーだ。美術も素晴らしくて当時にしか見えない。
欲を言えばもっとプロレスが見たい。特にリック・フレアーはコーナーに投げられて頭から突っ込んで逆さになって勝手に宙づりになるのと、マットにおしりをついて両手を交差させて許しを請うのが見たい。撮影したけどボツにしたのかもしれない。
最後は暗いまま終わって、エンディングでケビンは家族に恵まれて大家族になっていると語られる。何か試合で盛り上がって終わってくれたらよかった。
ケビンがずっと兄弟で一緒にいたいと願っている。僕自身、一人っ子なのでその感覚は分からない。しかし、今5人家族で誰がいなくなっても本当につらい。今のままずっと一緒にいたいと切に願っているので、家族が失われる場面は心が苦しい。
古参プロレスファンも納得
キノフィルム試写に当たっての鑑賞。
80年代の全日中継を観てたプロレスファンにはたまらない作品。
メインのエリック4兄弟もクリソツだが、彼らが対戦するブロディ、レイス、ゴディ、フレアー等もきっちり実物に寄せていて感激。
この作品、字幕で観ててアレッと思うような誤訳がほとんどなかったのが何気にスゴい。
プロレス用語や往年のレスラー名が飛び交う中でストレスなく観られたのは、フミ斎藤クラスの有識者が字幕監修をキチンとしていると思われ。
ミッキー・ロークの「レスラー」でも描かれていたが、プロレスの「仕組み」を赤裸々に描いているのが現代的。
序盤でのケビン&デビッド組対ブロディ&ヘルナンデス組とのタイトルマッチ、控室でスポットを打ち合わせてるシーンが生々しい。
ケビンが付き合い始めの恋人に「プロレスってヤオなの?」とガチに質問される。
それに対しケビンが「俺たちは誇りを持ってやってるんだ」と胸を張って答える姿が清々しく、この作品は信頼できると確信した。
全49件中、41~49件目を表示